2の土地 天国の保健室
カオスだ〜
俺は混乱している
何故なら男子校なのに、寝ている俺の顔を覗き込んでいるフワフワした茶髪の美人は確実に女だ
それ以上に俺を混乱させているのはこの女の名字が
《葉月芽》
だったからだ
この名字は俺の級友の名字だ。ソイツは断じて女では無かったし、妹や姉も居なかったがソイツ自身は今この女がしている綺麗な茶髪だった。
とりあえずソイツの名前は葉月芽祐太だった
「目覚めた?野神?いつもなら気絶しないのにしたから私ビックリして保健室まで運んじゃったよ。」
思い出した。男の葉月芽も後ろからチョークスリーパーをしょっちゅうしてきた覚えがある
それより笑うコイツは更に可愛い。にこーと言うのがピッタリな本当に可愛らしい笑顔だ。
「う〜。ジロジロ見ないでよ〜。」
赤らめた顔を押さえる仕草が……
俺このまま死んでもいいや。
「お前可愛い過ぎ……」
「へ!?」
聞こえないように呟いたつもりだが、聞こえたらしく顔がボンと真っ赤になった
「大丈夫か?野神!」
ガラッと保健室の扉が開き膝まである綺麗な黒髪に長身のモデル体型の女が入ってきた。
顔は葉月芽がカワイイ系ならコイツはキレイ系だ
「あ〜紅葉ちゃん。」
紅葉と呼ばれたソイツの足を見ると、
《灘崎》
嘘だ!
これまた俺の級友の名字だ
ソイツの名前は
灘崎 一桧だった
確かコイツの特徴は
「あ、そこに艶本。」
「なに!?」
変態という事
「無いじゃないか!」
「ちょっとからかっただけだ。」
ここまで2人の特徴が一致したという事は
まさか
叶っちゃった?
俺のお願い。
「ねーねー。紅葉ちゃん集会さぼって良いの?」脇腹をつつきながら聞いている
「私は野神の為なら教職員の評価など幾らでも犠牲にしてくれる。」
腰に手をあて答える紅葉と呼ばれている女
「ありがと。」
まぁとりあえず御礼は礼儀だと思う
「礼などいらん。君のためならどんな事でもしよう。」
俺的には初対面だからなそんな事言われるとなんか凄い違和感を感じる
「私も運んだんだよ?」
「ありがとな。」
「エヘヘ〜。」
妙に子供っぽいな
「集会に戻るぞ。」
そう言うとベッドに寝転がっていた俺の手を握り引っ張っていく
「あー!待ってよ!紅葉ちゃん!葉月〜!」
あーこれぞ青春なんだな相棒