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異世界でノンビリ農業はできない。あとモテナイ 。その1
農民『おーい、若いの。あそこの草を刈ってこいや。若いからできるべ。なあ。』
俺『はい・・・』
イナカ町に飛ばされて3ヶ月。おれは既に勇者という名の奴隷になっていた。
毎日朝早く起き、日が沈むまで馬車馬のように働かさせられた。
若いから、勇者だからという理由らしい。
ちなみに俺に休日はなく、村のやつらは交代制でしっかり休みを取っている。
誰だよ。異世界農業でノンビリ生活とか言ったやつは。身体中を虫に刺され、泥まみれなのに水がもったいないと言われ濡れたタオルで体をふくだけ。
俺『逃げよう。』
3ヶ月、毎日薄いスープに豆とパン。
死ぬほど腹が減っているが、もう見るのも嫌だ。
王様(糞やろう)からもらった金貨は幸い少し残っている。
大分部は村の共有財産だと言って農民に取られた。
くそう。
しかし、俺には希望がある。
明日は町の商人達がこの村にやって来る日だ。
そのなかに、マリアムという女の子の商人がいる。
俺は彼女に金貨を払って俺をこの村から逃すように約束をしたのだ。
彼女は『喜んで。勇者様がヒドイ扱いを受けるのは私も耐えられない。』と言ってくれた。
決行は明日だ・・・・