7話 私と悪魔
ここは魔界と呼ばれる場所。私の知らないところでこんなことがやり取りされていた。
?1「少し前から人間界にて始祖光が居るかもしれないという情報が手に入った。本当かどうかは分からないが、もし奴らより先に見つけることが出来れば我々にとってとても有利になることが約束されるようなものだ。心してかかれ」
?2「分かったわ」
?1「ゲートは開いてやる…10年ぶりか?人間界へ行くのは?」
?2「そうね。ちゃんと目的は果たすから邪魔はしないでよね」
?1「もちろん。分かっててもしないさ」
そして人間界へのゲートが開きフッと笑って消えていった。
◆◆◆◆◆
晴れた日、今日は休日だから私は凛花ちゃんと小春ちゃんとで遊ぶ約束をしていた。遊ぶといっても買い物したりする程度の今時の女子高生がやりそうなこと。
う「お待たせ!あれ?凛花ちゃんはまだなの?」
こ「あらうららちゃん、すぐに来ると思うわ」
り「お~待たせ~!休みの休みは久しぶりだぁ!」
こ「凛花いたのね」
り「そ~だよ。部活始まってまだ1ヶ月だけど既にきつい練習、主に筋トレとかさせられてるからね~。学校以外で集まるのは久しぶりだから存分に楽しむぞ~」
というわけで3人で楽しむことになった。
服屋で物色したり、
?「……」
お昼を食べたり、
?「…間違いない」
公園で凛花ちゃんが持ってきていたバレーボールで遊んだり、
?「見つけたわぁ」
私にとってその一つ一つが幸せな時間だった。
そして太陽がオレンジ色になりそうな頃、
り「はぁぁ~遊んだ遊んだ~」
こ「そうね、たまにはこうして3人で学校以外で遊ぶのもいいわね」
り「まぁ、高校生活はまだまだこれからだしぃ、もっと楽しまないとね♪」
う「そうだね…ぅぅ///」
こ「どうしたのうららちゃん?」
う「え?!あ、えぇと、と、トイレに行きたくて///」
急に恥ずかしくなった。
り「あぁトイレね。我慢しなくてもいいのに」
う「///ご、ごめんね」
私は公園にあるトイレに向かった。
う「ふぅ、お待た、せ?……あれ?ここどこ?」
同じ場所のはずなのに見知らぬ光景が広がっていた。周りが見やすい公園の姿はなくデコボコした工場現場みたいなところになっていた。実際の触感もある。幻じゃないの?
?「ようこそ、仮想の世界へ」
う「っっ?!だ、誰?!」
私は声のする方向を見ると私と同じくらいの女子が足を組んで高見の見物のように座っていた。
み「こんにちは♪私は美鈴。望月美鈴よ」
う「……」
み「ここでなにをしているのかって顔してるわね。ウフフ」
その人は立ち上がり私は驚く。背中から翼が生えてきた。天使の羽じゃない!あの形は!
う「あっっ?!悪魔っ?!」
に、逃げなきゃ!私はまだ戦えない!そんな、一人になったから狙われたの?
う「っっあ、あ!」
み「逃げないでよ。悪魔の事を知っているのなら間違いないないわね」
う「ううっっ?!!」
いつの間にか私の背後に居て手を回り込ませ前から首を掴まれるような体制になった。
み「怖がらないでぇ、ちょっと確認するだけだから」
う「っひ!」
その悪魔は私の服の下から手を入れてきた。サワサワ
う「っっ?!///っんあっ!///」
背中の羽を触られ変な声が出る。サワサワ
う「///あっ、んん!///」
私は力が入らず足から崩れ落ちて座り込んだ。
み「おっとっと!なに?ここが弱いの?」サワサワ
う「///あっ!ちょ、ちょっとぁぁん!///」
み「なになに!かわいいわね」サワサワ
な、なんなの?この悪魔は?で、でも何も出来ない!
う「///ぅんん///」
み「ウフフフッ、はぁぁ~いい感触♪フワフワ♪」サワサワ
う「///あっあっ///」
背中を触られているだけだが私は抵抗も出来ずされるがままにされていた。
◆◆◆◆◆
み「はぁ~…は?!この感触が良すぎて本題を忘れていたわ!ねぇ、君が始祖光でいいのかしら?」
悪魔は私の耳元で囁いて来る。
う「///はぁ///はぁ…い、言ませんぁぁあ?!///」
み「言わないとずっと触るからねぇ~」サワサワ
う「///ん、ううぅっっ///」
み「でも本当は知ってるのよねぇ、ほら」
悪魔は羽を触っていない方の手でホログラムみたいな感じで私の姿が写されていた。
う「///こ、これ、わっんっ?!///」
み「始祖光は今や魔界ではその話で持ちきりなのよぉ。手に入れると絶大な力を有する事ができるって、それに当の本人は抵抗する力も無いから早い者勝ちだ~って♪」
な、なによそれ!そんな事で私が犠牲になるかもしれないってこと?嫌に決まってるじゃない!でも先日に私の存在がそれほどのものだって知ったから悪魔たちにも取られる訳にもいかない。
み「だから私の上司も見つけ次第捕まえて来い♪って言われてるのよ♪」サワサワ
う「///や、やめ、てひゃうぅ///」
どうしよう、このままだと連れて行かれて……
み「フフッだからね。私は、その上司に反抗するわ♪」
悪魔はそう言うとやっと私から手を離して両手を高く広げた。
う「///はぁ、はぁ、え?」
み「だってだってだってぇ、君の名前は?」
う「え?!…う、うらら。天野うらら…」
ようやく立つくらいの力が戻ってくる。
み「だってぇ、うららちゃんがかわいいんだも~ん♪」
う「っっは?!きゃぁぁ?!」
悪魔がいきなり私に抱きついてきてまた倒される。
う「///うぅぇぇええ!なに?なに?」
み「だって私は元々悪魔たちのやり方が全っ然気に入らなかったのよねぇ。だ~から!寝返ることにしたの~♪」
そ、そう言われても、悪魔の事なんて信用出来ないよ。
み「だからね、うららちゃん、私のことを美鈴ちゃんと呼んで~。ほぉら、呼んで呼んで~」
う「///ぅぅぅ、み、美鈴、ちゃん///」
み「やった~!!これで私たちは友達ね♪」
えええ?!本当にそれでいいのぉぉ?!とにかく訳がわからなくなった。
み「あ!そうと決まれば、じゃ、私はやることがあるから先に帰るわ。じゃあ~ね~♪」
う「……」汗
…よく分からない悪魔だった。
すると景色が歪んで、元の公園に戻った。
こ「あ!うららちゃん!どこに行ってたの?」
り「こんなところにいたのかぁ。戻ってくるのが遅いから心配したよ。公園のトイレにはいなかったし」
まずい!何か言い訳を、
う「ご、ごめん、なさい。何かボーッとしてたみたい」
り「あはは、何それw」
こ「気を付けてよね。それじゃあ遅いからもう帰りましょ」
凛花ちゃんと小春ちゃんは私のことをずっと探して心配かけたみたい。今度何かしてあげないと。私はそう思い今日の休日が終わっていく。
◆◆◆◆◆
み「うららちゃ~ん!クラスが3組だったなんて聞いてないわよ~!私は2組になってしまったじゃない!教えなさいよ!」
う「っっえええ?!美鈴ちゃん!何でここに?!」
次の日なんと学校に美鈴ちゃんがいつの間にか居たのだった。
サワサワ、ざわざわ。ふゆふゆです。自分で書いときながら羽を触ってみたいと思ってしまった!
これはエロではありません。背中の羽を触っているだけですはい。サワサワサワサワ
(@^^)/~~~では