27話 ある夏の休日
ミーンミーンと蝉がそこらじゅうから聴こえてくる。もうすぐ夏休み、今はその前の休日。今日も見回りのために暑い中公園の日陰のベンチに要るんだけど…
み「暑いわねぇ~~」
う「う、うん……暑いね…」
み「どうして人間界は夏とか冬とかの気温の変化が激しいのかしら~?少なくとも魔界は季節とか無いしいつも同じ気温だからね~」
う「そ、そうなんだ…」
魔界の話は今は正直やめて欲しい。前にあんなことがあるとねぇ。だけどそんなことより…
う「あ、あのさ、暑いんだったら、私から離れてくれない?」
この暑い中美鈴ちゃんは私に引っ付いてしかも抱きついてきている。私から離したいとは思わないんだけどそこが悪い性格だね。自分でも思ってる。うん。
み「私はうららちゃんで冷やされているのよ♪」
う「うそよね?!」
美鈴ちゃんは私に顔をすりすりしながら言ってくる。私の服に汗を拭かれてる気もするけど…
ゆ「悪い、待たせたなあぁぁあっっ?!!」
ゆうくんが遅れてやって来たと思いきや私達を見たとたんに声が高くなり慌て出した。
み「どうしたのよ~?ぁぁあ♪もしかして汗だくのうららちゃんを見て興奮したのかしらぁ?♪」
ゆ「///う、うるせぇ!ちげぇし!///」
み「ほらほらぁ、赤くなっちゃってぇ~♪」
ゆ「///あ、暑いだけだよ!///」
み「きゃぁぁ!たすけて~」
ゆうくんは美鈴ちゃんを私から剥がしてガミガミ言う。そしたら美鈴ちゃんが、
み「あ!そうだ!私ちょっと予定があるんだった!」
う、ゆ「ええ?」「はぁ?!」
み「あら?私に居て欲しいのかしら?」
ゆ「ハッ!そうだ!いらねぇ!帰れ!」
み「ハイハイ、邪魔者は消えるわよぉ。………うららちゃんの準備は済ませたから後は2人で自由にしなさい♪」
ゆ「///は、はぁぁ?!準備って!っっおまっ!///」
美鈴ちゃんの後半の部分はゆうくんの耳元で言っていたので私には聞こえなかったけどゆうくんはなにやら怒っている。
美鈴ちゃんは楽しむのよぉと言って去っていく。残された私とゆうくんはいつも通り美鈴ちゃんのムードに押されていたけどハッとして、
ゆ「……早速疲れたし…」
う「う、うん…」
◇◇◇◇◇
あのクソ悪魔め!自由すぎる。準備ってなんだよ。準備…じゅん…
う「はぁ~、暑い。美鈴ちゃんどうして私に引っ付いてきたんだろう?暑いのに…」
うららは滴る汗を手で拭いながらそんなことを、今日のうららは私服姿。そんな服が汗を吸って肌が見え…
ってバカ野郎!!俺は何を考えてんだよ!
俺は自分の太ももをつねって邪念を消す。それが目的じゃないからな。でも…
どうしてもチラチラと見てしまう。どうも最近の俺はおかしい。最初は天使に転生した人間を、つまりうららの監視として人間界にやって来た訳だが、最近見る目が変わってしまった。
今まではこんなことは無かった。うららは監視の対象だ。護衛の対象だ。俺が情を移すようじゃぁダメなんだよ!しっかりしろ俺!
う「ゆうくん、ゆうくん!どうかしたの?」
うららが頭をかしげて言ってきた。汗が太陽の光でひかる。それが一層今まで見てきたうららとは別の感じに見える。
ゆ「///うっ?!あ、いや、なんでも…///」
思わず上ずった声になってしまう。なんだよこれ。
う「そっか、私喉が乾いたから飲み物買って来るね」
ゆ「///あ、ああ…」
公園の自販機に向かう。俺はその場の残ってベンチにため息をつきながら座る。
ゆ「はぁぁぁぁ」
まあいいや、これからどうしようか?見回りっつってもだいたいは少し離れていても気配で分かったりするからな。休日の昼から夕方にかけていつも見回りをしているが正直いうと悪魔とかは夜に行動するからな。見回りするなら夜の方がいいとは思う。
だが逆に言えば昼だからこそ悪魔や魔物の行動は制限されてるからむしろこっちの方がいい。まあ夜に大きな行動されるということもあるからどっちもどっちだな。
う「ゆうくん。はい、これあげる♪」
ゆ「ん?あぁ、ありがとう。でもいいのか?」
う「うんいいよ///」
うららは戻ってきて自分の分だけでなく俺の分まで飲み物を買ってくれた。その笑顔がいちいち眩しい。逆光のせいだと思いたい…
う「……ぷはぁ…これから見回りどうするの?」
ゆ「あぁ、まあ、別に急ぎでもないしそれに暑いだろ?だからゆっくりすればいいと…思う」
う「そ、そっか…」
お互いどこか静かになる。気まずいな…
◇◇◇◇◇
そっか、ゆっくりすればいいんだ…ゆうくんとならこのままでも…いいかな…
凛花ちゃんや小春ちゃんみたいに私に寄り添ってくれる。今では安心できるし結構信頼してる。ゆうくんが私のことを別にどう思っていようと私はそう思ってる。
なんだろう?私優しくしてくれる人に弱いらしいけどその優しさに惹かれているだけなのかな?高校生になってから天使になったことを除いても結構変わったと思ってる。そんなことを思っているとゆうくんが立ち上がって、
ゆ「はぁ、さっさと終わらせるかぁ」
ゆっくりするんじゃなかったの?いいけど。ゆうくんがこっちに振り向いた時に痛いであろう足のすねにベンチの座る部分の角が当たって転けてしまった。しかも…
ゆ「いっってっ?!」
う「大丈…え?きゃぁっ?!」ドンッ!
私はベンチに寝転ぶ形で倒れる。ゆうくんもそのまま倒れた。右膝をベンチに乗せて両手は倒れる私の顔の横に乗せ壁ドンならぬベンチドン…
う、ゆ「///っ?!うっ?!っっっぁ///」
ち、近い…こんなにも近くに…暑い、顔が熱い!こ、こんな…
パシャリ!
う、ゆ「っっっ?!」
その方向を見るとスマホのカメラを向けている美鈴ちゃんがいた。美鈴ちゃんはニヤニヤしている。
み「…いいわぁ~いいわよ~♪ガ~ンガン行きなさ~い♪」
ゆ「………///ち、が、て、てめえ何撮って…///」
ゆうくんは私にすまんとだけ言って美鈴ちゃんに向かっていく。
み「あははは!顔が赤いわよぉ♪」
ゆ「///う、うるせぇ!用事じゃなかったのかよ!」
み「あらあら、悪魔の言葉を簡単に信じちゃうあまちゃん天使なのね♪」
ゆ「///っっっっっ…」
み「あ、あら?怒っちゃった?本気で…?」
ゆうくんは頬は赤いけど目元が見えない感じてゆっくりと美鈴ちゃんに近づいている。私はというと…
う「///」
思わず腰が抜けてしばらく起き上がれずにいた。
本格的に夏になっていきます。ふゆふゆです。夏といえば、と言って定番なことしか思い浮かびませんが、そんな感じです(@^^)/~~~では




