1話 私、天使になっちゃいました!
私の名前は天野うらら。趣味は絵を描くこと。宮ノ丘高校の1年生どこにでもいる普通の女子高生…でした。
私は鏡に映るもう一人の私に驚愕した。
う「な、なんなの、この、羽?」
背中にまるで天使の羽が生えていた。さっきまで、病院の先生が診察した時は無かったのに。どうして?こ、こんなのがあったら変だよ。
そこで私は羽を取ってみようと羽に触ると、
う「っっ?!///あんっ?!///んんっっ!」
くすぐったい、それもとても。触り続いていたらヤバそう。
そんな感覚を背中ではなく、羽から感じる。つまりこの羽は私の一部?
でも変なのは変なのでくすぐったいのを我慢して引っこ抜こうとすると、
う「///んんっっ///いっ?!!いったっっっ?!」
今度はとても痛かった。ほっぺたを思い切り引きちぎるような痛みがした。
やっぱり、この羽は、私の一部みたい。でもどうしよう?本当にどうしよう?こんな羽を見られたら絶対怖がられる。凛花ちゃんも小春ちゃんもお姉ちゃんもお母さんにも!
すると自然と涙が出て来た。嫌だ、こんなのいらない、普通がいい!
ドオオオオン!
う「っっ?!きゃぁぁぁ!」
いきなり部屋の壁が壊れて何が入ってきた。
?「っっつぅ、あの野郎こんなとこにまで飛ばしやがってぇぇぇ……ん?」
う「ひぃっ?!!」
顔が鬼怖い牙の生えた図体のでかい黒い男が入っていた。こんなの当然怖いよ!
男「お前、その羽…フッ、俺は運が良いらしい。こんなとこに居たのか、始祖光!!」
男はそう叫んで私の右腕を掴んできた。
う「っっひぃ?!!い、いや!や、やめて!誰、か、誰か…」
男「はっは、遅いな。そんなこと言ったって無駄だ!ゲートを通せば奴も手出しできなくなるからな。」
男の近くに空中に黒い渦が出来た。何あれ?ブラックホール?私今度こそ死んじゃうの?いや!誰か!
う「いやあぁぁぁ!!」
キュピーン、ドオオオオン!!
私は叫んだら手から光みたいなのが思い切り出た。そしたら手が軽くなり見てみたら男は消えていた。
う「・・・・・・・・え?」
なに?どういうこと?何が起きたの?分からない、怖いよ。
?「なんだよ、今の…光…は…?!!」
今度は高校生くらいの体格した男が崩れた壁から登って入ってきた。
?「お前…その、羽……もしかして、」
う「い、いやあぁぁぁ!!」
?「まてまてまてまてまて!打つな!落ち着け!おい!」
混乱する私を男は押さえ込んできた。
なお私は今上半身裸である。
?「・・・・・・あ…す、すまん。」
う「///つうぅぅ?!///」
違う意味でまた混乱した。
◆◆◆◆◆
ゆうと「俺の名前は倉島悠翔。で、あんたが天野うらら、でいいのか?」
倉島くんが落ち着いた私に自己紹介する。
う「ど、どうして私の名前を知っているのですか?」
ゆ「あぁまあ、いろいろあってだなぁ。とりあえず順に話していくか。」
?「こ~ら、私抜きに話をしても伝わり切らないでしょ。」
今度は高校生とは程遠い大人な女性が入ってきた。
あや「私は谷村彩よ。彩って呼んでね♪」
ゆ「好感度上げても無駄だぞ。」
あ「うるさいわね~。怖がらせないための工夫でしょうが。」
彩さんは倉島くんを一発叩いてから私に、
あ「うららちゃん、あなたは一度死んだのよ。覚えてる?」
………え?死んだ?あの時に?いやでも今私ちゃんと息して生きて…
あ「フフッ固まってる、かわいい。まあ当然の反応よね。じゃあ今のうららちゃんは何者なのか…それは、天使よ!」
う「てん、し?」
天使、天使ってあれ?雲の上で飛んでてよく想像の話に出てくるような、人のハートを弓矢で射ぬくあの天使?
あ「そう、うららちゃんが想像してる天使でいいわ。」
う「っっ?!わ、分かるんですか?人の考えが?」
あ「勘よ、か・ん。そう想像するのかなぁと思っただけ。」
これが女の勘なのか。いや、そうじゃなくて…
う「わ、私どうなっちゃうのですか?こんな羽なんていらないです。」
私は必死に訴えるが、だまっていた倉島くんが割りはいる。
ゆ「あほか、お前は一回死んでるんだよ!つまり生き返ったんだよ!天使として!」
あ「これは普通あり得ない事なのよ。一度死んだ人間を天使に生まれ変えさせられたのよ。人間は人間の、そして天使は天使の家系というか繋がりがあってそれは決して交わることが無かったのに、今ここに人間だったうららちゃんが天使に生まれ変わった。もう一回言うけどこれはあり得ない事なのよ。」
あり得ないとか言われても訳が分からないよ。私はもう死んでいて天使になった?そんなの物語とか本ならそうでも現実に起こるなんてあり得ないよ。…あり得ない?
う「あり得ない…ことをしたのは誰ですか?人の命を弄ぶのは誰ですか?」
あ「弄ぶとか、そういうのじゃないんだけど、ペシュラエル様、現天使長がそうなされたわ。そういえばうららちゃんはペシュラエル様と話していたこと覚えて無いの?」
う「っっえ?!」
ん~と、そうだ!そういえば車に跳ねられて意識が無くなった時にぼんやりと何か話を聞いた気がする。
ペ「可哀想な魂よ、もう一度人生の道に戻りたいですか?もしそうであれば別の姿にはなってしまいますが特別に戻してあげましょう。」
あれがペシュラエル様だったの?それに姿が変わるってこの羽の事?外見は羽以外変わってないけど内側が変わったの?
まだまだ混乱する私に彩さんが言う。
あ「いい?もううららちゃんは普通に動いても大丈夫な健康な体になったの。それで病院を退任したら当然学校行ったり家に帰ったりするだろうけど、その羽と天使であることは絶対にバレてはいけないってことを覚えて欲しいのだけどいいかな?」
理解するのに時間がかかることをいきなり言ってきた。
あ「別に私たちがうららちゃんを取って喰おうとかそういうわけじゃぁなくて、うららちゃんは今まで通りに過ごしてくれて構わないわ。ただバレないで欲しいというだけで…」
う「ど、どうしてですか?」
あ「うららちゃんは今までで人間以外の人外に会ったことはある?」
人外、人ではないこと。エルフやドワーフ、オーク、ドラキュラなどよく物語などて出てくる者。そのなかには当然天使も入っている。
う「い、いいえ。」
あ「でしょ。人間は人間の住むところがあるんだからその中に人間以外がいたらおかしいじゃない。」
う「じゃ、じゃあ私は…」
あ「だから!バレないでっって。」
う「そんなぁぁ。」
これからの人生こそこそするようになるらしい。
あ「あ!そろそろ私たち行かなきゃ。」
う「っっえ?!ど、どこに?」
あ「ごめんねぇ、本当はもっと話していたかったのだけど今日はもう時間がないからまた明日ね♪」
倉島くんが崩れた壁際へ行っている。彩さんもそこへ向かっていて、
あ「あ!あとこれも、当然この事は誰にも言っちゃダメよ。」
そう言うと2人は外に飛び出した。
う「っっええぇ?!」
私は窓から下を見ると上に向かって何が飛んでいった。彩さんと倉島くんだった。その背中には天使の羽が大きく生えて羽ばたいていた。
う「……あれ?いつの間に直って?」
確かに壊れていた病院の壁が綺麗さっぱり直っていた。
いや、そんなことよりも!
私、私はもう人間、じゃない?
私、天使になっちゃいました!
書きたいこといっぱいで文字が多くなりがちです。ふゆふゆです。かといって少なくすると伝わるかどうか、これでも削りに削ったものです(本当はもっと書きたいこといっぱいあったんだよぉ)。まあそんな感じで次もまだ病院パートになりそうですが悪しからず。(@^^)/~~~では