103話 希望と絶望は交互にやってくる
うららが暴走する少し前、レッケルの居城で「ルシファー様」と呼ばれる者が目を覚ました時。
ル「……」
レ「気分はいかがで御座いましょう?」
ル「レッケルか……幻ではないな」
ルシファーは手をグーパーグーパーしたりレッケルを触ったりして確認した。
ル「あれからどのくらい経った?」
レ「せいぜい5千年ほどでございます」
ル「5千年か……道理でお前が老けたわけだ」
レ「滅相もございません」
レッケルは派閥争いを繰り返したという大悪魔の中でも第1階級、悪魔序列第1位であるルシファー派の部下というだけあって、ルシファーにかなり忠実である。
ル「……?」
レ「お気づきになられましたか? 今ルシファー様の中にはあの第5位のアスタロトの力も流れております。本来であれば始祖光という絶大な力を捧げたかったのですが思わぬ収穫ということで……」
ル「始祖光? ……これか…」
ルシファーは始祖光という名前を聞いたとたんレッケルの話を無視して探した。そして起きて間もないというのに背中の翼を広げて飛びさってしまった。
レ「ルシファー様?! ……まあ、やられるようなことは無いでしょう。悪魔のトップに君臨されるお方だ」
ム「この魔界が崩壊することは?」
今まで黙っていたムスタファがレッケルにようやく話かけた。
レ「案ずることは無い。ルシファー様が始祖光を手に入れればどちらにしてもこの3つの世界は一度崩壊してまた作り直される」
ダ「それはまた面白いことをお考えになられますねぇ」
ム『私たちのことなどはどうでもいいと……?』
2つの大きな力の塊が近づいて行くのを3人の悪魔は黙って見守ろうとしていた。
◆◇◆◇◆◇
うららはしっかりとルシファーから目を離さない。緋眼がさらに真っ赤に輝く。おそらくミカエル様たちがやられてしまったからそれを許せないから暴走してしまったんだろうな。
胸の痛みはだいぶ治まってきた。少しは動ける。本当にさっきのはなんだったんだ? いや、今はそんな事どうでもいい、うららをどうやって止めるかだ。
するとうららは突然動きだし手に魔力を込めルシファーに思い切りぶつけた。近距離だし暴走してるから周りのことなど一切気にしてないので一番近くに居た美鈴が吹き飛んだ。
み「きゃぁぁ!」
あ「美鈴ちゃん?!」
それをとっさに彩が反応して魔力の鞭で美鈴を捕まえた。美鈴は悪魔なので鞭がバチバチと音が鳴る。
み「っっっ……!」
あ「ごめん我慢して」
美鈴を引き寄せ美鈴は地面に着地する。
あ「あれは一体何なのよ!?」
み「あ、あれがうららちゃんの暴走なのよ……」
あ「っっ?! あれが……?」
彩は話を聞いただけで実際の暴走してるところを見たことはない。
デ「うわ?! お、おい! 一体どうなってんだ! もう俺は話について行けねぇぞ」
デトレフは近くの物陰に隠れながらどうするのか訴えてくる。俺だって止めたいがあそこに行ったところで俺に何が出来るんだよ?
激しさがどんどん増していくうららの攻撃にさすがのルシファーは一旦距離をおいた。それをうららは逃さず飛び付こうと飛んだ。
ル「なるほどこれが始祖光か……」
ルシファーはそう言うと片手を曲げて突き出すような構えをしてうららを引き付けてその手を前に出し、
ル「眩しすぎる。我が少し暗く染めてやろう」
うららの勢いを止めると共にルシファーの放った魔力がうらら中心に球体状でおおった。
み「うららちゃん!」
ル「このまま堕ちてしまえ」
堕ちる? まさかうららを堕天使にしようと言うのか?!
あの中で何が起こっているのかは知らないがこのままだとヤバいというのは分かる。
でも……
ゆ「っっ……」
動けない……胸の痛みだからじゃない……理由は圧倒的な力を見せつけられて、なおかつ暴走状態でも止めたルシファーに恐怖しているからだ。それは美鈴も彩も同じようで、
あ「ど、どうするのよ……」
み「あ…ぁぁ……うららちゃん……」
すると、
ル「っっゴフッ?!………全ては耐えられなかったか」
ルシファーはうららの攻撃の衝撃は受けていたようだった。
さらにその瞬間だった。
?「ぶっ飛べ!」
ル「っっ?!」ドゴン!!
ゆ「え?!」
ルシファーが立っていた場所には天使がその一瞬に変わっていた。その天使は手を突き出していた。殴ったのか?! ルシファーはそのままどこかへ飛ばされてしまった。
み「な、何?!」
コ「ハーッハッハッハ不意討ち成功!」
ルー(バッカ)「コデルロス! 今はこの始祖光だよ!」
コ「あぁ分かっておるわ」
現れたのはソランジュから聞いていた現七大天使のコデルロスとルーバッカだった。もう1人のティルクの姿は見えないが。
コデルロスとルーバッカは魔力に閉じ込められたうららの元に行った。さらにもう1人ティルクではない別の天使がうららの元に行きその3人で囲むように光の魔力でうららを包み込んだ。あれは……?
コ「さて、俺とルーバッカのどっちが行こうか?」
ルー「えぇ、僕嫌だよ。それに始祖光のことはよく知らないし……」
コ「文句を言うな」
?「私が行こう」
コ、ルー「なっ?! キャンベールが?!」
そのもう1人だったキャンベールがうららを囲む魔力に触れたかと思えばキャンベールが消えてしまった。残された2人は、
ルー「まさかキャンちゃんが行くと言うなんてね」
コ「まああいつが元々天界に始祖光を連れて来たんだ。何かあったんだろう」
ルー「そうだね。……遅れてごめんね、護衛の天使さん」
ゆ「え!……あ……」
俺は見ていることしか出来なかったがルーバッカは俺らが居ることも分かっていた。
ルー「いやぁキャンちゃんを探すのに時間がかかったから遅れちゃったんだよねぇ」
キャンちゃん……
コ「言っておくがあのルシファーをぶっ飛ばした一撃は不意討ちだからもう通用しないだろうからルシファーに対抗できるのは始祖光だけだ。だからここで始祖光を失っている訳にはいかない」
話によれば今キャンベールがうららを止めに行ってくれているらしい。ルシファーの復活は予想外だったらしいが当初の予定通り始祖光で対抗させるようだ。
本当に始祖光任せで始祖光が天使にとっての希望そのものなんだな。うららもうららでそんなものよく背負えるよな。
コ「お前たち、動けるか? 始祖光が戻ってくるまで我々はそれを守らなければならない」
コデルロスがそう言ったのは近づいてくる気配と関係しているのだろうか?
皆その気配には気づいている。
イ「ここに始祖光がいるはずだ。渡してもらおう」
さらに、
リ「ああもうムシャクシャするぅ!! 始祖光ってなんなんだよ! どうでもいいがこのイライラをおさめるためにお前ら死んでくれよ」
ブ「……」
最上位級悪魔の1人、イェルマインが悪魔の軍勢を連れて、それとさっきうららとやりあっていたリュカとブォウンがやって来た。
いかにも争いが激しくなりそうな感じになってきました。うららちゃんの目的(争いを起こさない)とはかけ離れていってますがどうなるのでしょう。
今回の一部の表現が分かりにくかったらごめんなさい
さて、次回は普通にこの続きです。(@^^)/~~~では




