98話 巡り合うように過ぎていく
キャンベールさんとも別れ私は家に向かう。その帰り道にスマホが鳴った。その相手は美鈴ちゃんで、
み『もしもしうららちゃん? 今いい?』
う「うん、いいよ」
み『ん? どうしたの、元気無い?』
返事の声で今の気分を当てる美鈴ちゃん。
う「まあ、ちょっといろいろあって」
み『そうなの? 私も同じよ』
今電話してきてくれたのは良かった。それでお互いにあったことを話した。
み『なるほど、確かに戦争のようになっちゃうわね……』
う「いやいやそれより、ヴィンフリートってあの……?」
私の話が霞むくらい美鈴ちゃんの話が衝撃だった。
◇◇◇◇◇
み「そ、あの最上位級悪魔よ」
私は電話越しに聞くうららちゃんの声ですら今の具合も分かる。なにより電話の方が私の耳元で話しかけて来てるようでたまらないわ!(おっとヨダレが……)
そしてうららちゃんの話にも驚く。コデルロス、ティルク、ルーバッカにキャンベール、か……ここぞとばかりの天使が出揃ったわね。私が名前を知っているくらいだもの。確かにお互いぶつかれば激戦は必須でしょうね。
う『私、結局どうしたらいいのかまた分からなくなっちゃった……』
み「まあ、どちらにしても大悪魔が関わってるから動かざるを得なかったでしょうけどね」
うららちゃんの言い分も分かる。争いが起きないのであればそれに越したことはない。だけどこのままだと争いは起きそうだし何より私は反対してるけど始祖光が先頭に立ちそうになること。
目的のために邪魔は排除する考えは破壊者にありがちだけど、誰かを助けたいと思う方も実は同じ。私だってお父様を助けたいから邪魔者は排除したいわよ。でもそれを一番やりそうなのがうららちゃんだ、ってこと。
ただそうと決まった訳でもなくあくまでも可能性ってことだから……うららちゃんが迷うなら代わりに私がそれを実行してやるわよ。
う『え? ちょっと、なに?』
み「ん? どうしたの?」
う『ちょ?! ま、待って!』
み「何がよ? 何があったの?」
うららちゃんが突然何かに否定し始める。
う『や、やめてくださ…ブツ……』
み「うららちゃん? うららちゃん?!」
電話が切れた。一体何が……?
それと同時に魔力を感じた。しかも2つ。1は少し離れた所、もう1つは私の間近に。
デ「おいおい、手伝えってまさかこの裏切り悪魔のことかよ」
み「えぇ?! あ、あんた、デトレフ?!」
最上位級悪魔のベルドラムの部下だった悪魔のデトレフがゲートを通じやって来た。私は一旦距離を置く。
み「な、何しにきたのよ?」
デ「俺だって本当はお前らなんかとつるみたくねぇよ! でもあのクソ天使が手伝わないと「罪人を罰する炎の燃料にする」ぞとか言ってきて脅して来やがるんだよ!」
知らないわよそんな事……でも……
み「手伝うって何よ……」
デ「俺は根っからの悪魔だってのに悪魔の相手をしろって、もはや裏切りじゃねぇかよ!」
だから知らないわよ!
み「あー、つまりその天使が私たちを手伝えと?」
デ「本当は拒否したいんだがな! あのクソ天使が……」
とにかくうるさいし、様子が変だったうららちゃんが気になってデトレフの話を最後まで聞かなかった。別に聞かなくてもいいでしょ……
デ「まあ、その瞬間がお前らの最後だ……」
◆◇◆◇◆◇
ソ『……確かにお伝えしました』
ゆ、あ「…ええええぇぇ?!!」
俺と彩は始祖光の監視役なので各々ソランジュから集合の話を聞き驚いた。まさか現七大天使と言っていい天使がほぼ出揃うとは……
ゆ「1つのことに大袈裟になったな……」
これはもう本当にどうなるか分からなくなった。
◆◇◆◇◆◇
う「どうしてここに居るんですか? ティルクさん」
私は美鈴ちゃんとの電話の最中で急にティルクさんが私の目の前のゲートから現れ周りをキョロキョロしていた。
テ「へぇ~ここが人間界か~。いかにも空を飛べないような生物が住みそうな家ばかりね。あ、そうそう私は始祖光と話したいと思ってたのよ」
来てそうそう人間を下に見るティルクさん。
テ「始祖光はどうしてそんなに人間にこだわるのかしら?」
う「え?」
テ「だって人間は魔力も無いし飛べもしない、なのにどうして人間であろうとするのかなぁと思って」
う「……。じゃあどうしてそのことを知っているんですか?」
なんだろう? ティルクさんは人間のことをあまり良いように思ってないのかな?
テ「キャンベールとの話を聞いていただけよ。あのキャンベールが始祖光とならべらべらと喋るから思わず聞いちゃってたのよ。聞いたところあまり戦いたくないらしいじゃない。それは人間の感情があるからではないか、ってことに引っ掛かったのよ」
人間の感情だから戦いたくない?
テ「始祖光は元人間だと聞くわ。その感情がまだ残ってるから戦いたくないんでしょ? もう人間の記憶なんて無くして天使として悪魔を葬りさるようになればいいのに」
人間の記憶を無くす?
う「どうしてそんなに人間に執着しているのか分かりませんが私はたとえ始祖光として転生しても人間であろうとするように決めてますし、それに戦いたくないのは私個人の性格からくるもので人間とは関係ありません。もちろん人間ではなく天使だという自覚はちゃんとあります」
テ「……」
私はきっぱりと言った。ティルクさんは少し黙りその後、
テ「そぅ、始祖光はあくまでも人間側なのね……」
残念そうな顔をして言った。
?「輝ける光よ、それは闇に溶け込む程度の光か、それとも闇をも穿つ闇か?」
う「っっ?!」ゾッ!
突然、別の声が聞こえその方向を向くと瀬莉愛ちゃんを巻き込んだブォウンが居た。まったく気配を感じなかった。しかし今度は分かりやすい魔力をかもし出してゲートからブォウンの兄だというリュカが現れた。
リ「よう始祖光、前の借りを返しに来たぜ」
リュカを見ると思い出す。美鈴ちゃんが……
う「っっ……あなたたち、どうして……」
リ「どうしても何も、始祖光を捕らえに来た他あるまい!」
リュカは魔力を高め私とティルクさんごと巻き込みゲートを作りだし景色が変わった。そこは『魔界』だった。
う「っっ?! ここは魔界!」
リ「さーらーにー! 逃げられないように俺の結界へと誘おう!」
リュカはヴィンフリートやクレアのように自分専用の結界を作り出そうと魔力を高めた。
テ「私は降りるわ」
う「え?!」
テ「だって、人間になんて手を貸したくないもの。じゃあね~」
う「えぇ?!」
突然ティルクさんが離脱宣言をしてきて結界が完成する前にゲートを作り帰ってしまった。
リ「なんだ仲間割れか? まあこちらの好都合だな」
う「っっ……」
リュカは笑みを浮かべる。
分かったよ、分かったわよ! 私がやれば良いんでしょ! いつもの始祖光任せでアスタロトだって私1人で助け出してやるわよ!
と、いろんな事がありすぎて、もはやヤケクソのように私は前を向いた。リュカが『魔界』に連れて来たのなら行く方法を考えなくても良いと思うように前を向く。
最近毎日更新出来てないですがサボってる訳ではないです、って前も書いたような気がするけどまあいいや! いそがしながらも書いているのでどうしても遅れてしまうのは許してください。
次回は戦闘に先立ったうららちゃんにどんどん皆が気づいていき・・・(@^^)/~~~では




