◆第六章:五条 是清
僕の名前は五条是清。いわゆる普通の高校生さ!
平凡な生活を送る僕だったけどある日神様に出会ったんだ。
それから僕の生活は一変したのさ!
僕は神様からどんなものでも奪える魔法のカードをもらって神の力を得たんだ!
試しにその辺にいた猫をカードに入れたりしてるうちに面白い使い方に気付いたんだ!
これって骨・だ・け残せたりしないのかなって!
そしたら本当に骨だけ残ってふにゃふにゃな猫の出来上がり!いやー傑作だったよ!
誰かが近付いてきたから猫も骨も捨てて帰っちゃったけど折角ならもって帰ればよかったなぁ…。
それから色々試しているうちに楽しい使い方を思いついたんだ!!
用意するのはその辺を一人で歩いていたボケてて弱そうなおじいさん!
それと下水道の中で捕まえたドブネズミを少々とそれらを入れる麻袋!!
あと熱いお湯!!
今僕の前にはおじいさんとネズミの入った袋、右手には熱湯の入ったやかんがある!
「お爺さんさ、生きていて楽しい?」
僕は目の前でもぞもぞ動く袋に問いかける。
「毎日黙々と歩きさ迷うだけの人生って楽しい?」
その声に反応して袋の中のネズミ達は踊りだす!
「僕は楽しくないと思うんですよ!」
袋はもぞもぞと動くけどその場で暴れるばっかり!
「動物の攻撃的な本能を向ける場もなくもて余すそんな時代、これを正すのが神のご加護を受けたものの勤めだと思うんですよ!」
袋に熱湯がかけられる。それと同時に中のネズミが暴れまわる。
「この方法は昔のヨーロッパの偉い人が考えた小動物を使った処刑法です!袋のなかに囚人と腹を空かせたネズミを用意するそうです!それに外から刺激を与えると鼠は出口を探して囚人の肉を食い破っていく…、みたいです!」
「昔の人はよく考えましたよね、かわいい小動物を使った拷問なんて!こんなの学校じゃ教えてくれなかった…。」
袋から沸き立つ湯気とネズミ達の甲高い鳴き声が絡み合う。
「ちなみにあなたの骨はこちらで預かっているので安心してください!遺骨を取り出す手間が省けましたね!」
そういって左手の髑髏をたたくとこつこつと音がなる。
「まぁ証拠が残ると僕も困るんでこれも処分するんですけどね!」
三十分後、おじいさんの入っていた袋は真っ赤にそまり薄明かりが僕と袋を照らしていた。
「袋だと中がみられないし骨抜きもしゃべれなくなるし色々考えなきゃね。」
「…あぁ…楽しい!」
赤く染まった袋を見て僕は悦に浸る。
「このカードは何だって出来る!!ありがとう神様、僕にこんな素敵なものをくれて!!」
僕が独り言を話していると袋を食い破って鼠の頭が突き出る。
「…君たちも、ばらさなきゃね!」
ここは地下の下水道、この時間に人が通ることはない。
少年の声が響くと再びここは夜の静寂を取り戻す。
水滴の滴る音だけがどこまでも続くような空洞に響き渡った。