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争う!魔法少女

時間が中途半端なので書きました。

こんな感じで微妙に空いた時間に書いていきたいと思います。

璧が光る。

「鈴、敵だ。南西の住宅街。大きな児童公園がある」

「今、何時だと思ってるの?」

私は不機嫌だと分かるように言った。

現在深夜三時。よい子は寝ている時間なのに!

前回といい今回といい……

「『歳月不待人(さいげつひとをまたず)』だぞ。敵は待ってはくれないのだ。いくぞ、鈴」

「はーい」

こうして、私は今日も夜の静けさに飛び出すの。



C市南町、住宅街の中の公園。

ここの公園、そこそこ大きい。うちの近くにもあればいいのに。

「人の姿は見あたらないよ?」

「おかしいな。確かにこの辺りで反応があったのだが」

うーん、目をこらして辺りを見回すけど、誰もいない。

相如さん、間違えたのかな?

トォン……

「鈴、聞こえたか!?」

「今の音、一体」

「おそらく、戦闘の音。誰かが巻き込まれている可能性もある、急ぐぞ」

私は、音のした方へ走り出す。

すると立て続けに二回、同じような音が聞こえた。

さらに力を込めて地面を蹴ると――

「これは……」

驚きの光景が広がっていた。

それでは一旦CMデース!

キャピーン(アイキャッチ)


ウチーニ・カエリタイーヌ先生の大人気マンガ、待望(誰が?)の実写化!

キラを包囲、殲滅せよ!

神の名の下に死ね!

この地を、アポロン神に捧ぐ。

壮大な古代戦記が、今よみがえる!

〈Πρώτος ιερός πόλεμος〉、大ヒット上映中!

劇場で、実物大パウサニアス人形を手に入れろ!



シャキーン(アイキャッチ)

「これは――」

そこには、一本の角が生えた巨大な龍と、それに相対する少女がいた。

驚くべき事に、少女よりも龍の方が傷ついている。

「地角星『独角竜』、鄒潤か。しかし……二人目の魔法少女がいるとは」

「ど、どうしようこの状況!」

「ここは静観だ。敵はあの少女が倒してくれるだろう。その間にあの少女を見定める」

二人目の出現にも冷静な相如さん。私も見習ってちょっと落ち着く。

少女は槍を周囲に刺して、予備にしている。持っている槍が折れたり、はじかれたりしたら新しいのに持ち変えるらしい。

「あの戦い方。特徴的だな」

「あの槍は私の鞭と同じようなモノなの?」

「いや、アレは違うな。この前、李雲を封じた箱を持っているか?」

箱……あの小さい箱か!

「これ?」

「それだ。それを使うと武装を呼び出せたり、魔術を使ったりすることができる。おそらくあの槍もその力だろう」

なるほど。パワーアップアイテムという事ね。

「あれ、槍が尽きた」

「あと少しで足りなかったようだ」

龍にも無数の槍が刺さっていて、あと少しで倒れたんだろうね。

すると、少女は箱を取り出し腰の剣にかざす。

ていうか、剣では戦わないんだね。

……とにかく、箱をかざす。

すると箱が輝き、光の粒になる。

「我が剣の前に、その力を示せ。地平の星『鉄臂膊』、蔡福!」

少女が叫ぶと、光の粒が大剣を形作った。

「あの剣は処刑人の剣。剣自体を長く、重くし、切っ先を丸くすることで首を切り落とすことに特化した剣だ。」

その重いはずの大剣を細腕で構え、襲いかからんとする龍の首を睨みつける。

そして――

「ギャアアアアアアアアス!!」

力を振り絞って、恐るべき速度で襲いかかった龍の首は、その目的を果たすことなく地に落ちた。

少女が大剣を振り、血を落とす。

すると、大剣は再び光の粒となって、元の箱に戻った。

いつの間にか、龍刺さっていた槍も消えている。

そして龍の骸も、光の粒となって箱に収まった。

「どうやらあの少女、すでに数回の戦闘を経ているようだな」

な、なるほど。どうりでお強いわけです。

見た感じ私と同じ位なのに。

少女はそのまま変身を解いて、こちらに歩いてきた。家に帰るみたい。

「さて、帰るか」

そぉーっとね。戦いも終わって静かになったから音が目立つ。

「そぉーっと、そぉー」パキッ

「誰?」

少女がこちらを向いた。

まずい、見つかっちゃった。

「ど、どうしよう」

「落ち着け。ゆっくり、危害を与えないことをアピールしながら」

ふぅ。まず落ち着く。

そしてゆっくりと振り返る。

ニッコリ笑顔も付けて、危害を与えないことをアピールしながら。

……なんか剣に向かって話してる。

……あ、指さされた。

「レンレン。魔法少女、出ます」

少女は剣を掲げると、光に包まれた。

光の粒が線を描き、線が糸になり、糸が服になり、服が体を包む。

腰に大きなリボンが踊る。

「魔法少女レン✡レン、いざ参る」

あれ……これ。

「鈴、逃げるぞ」

「やっぱりそうなの!?」


一旦CMでーす。


武闘園のおいしい麦茶!

プロテイン、ステロイド、アミノ酸、その他諸々筋肉増強剤!!

これであなたもマッチョマ~ン!

さあ買おう、てか買え!



シャラーン(アイキャッチ)

「鈴、逃げるぞ」

「やっぱりそうなの!?」

私は脱兎のごとく逃げ出した。

走る、走る。

しかし――

「な、なんかめっちゃ速いよ!」

「あの少女――」

ま、まさかまた新しい箱!?

「いや、あれはただ足が速いだけだ」

ずっこけた。

しかもそれで追いつかれる。

「あなた……魔法少女?」

「う、うん……そうだけど」

「そう。じゃあ、あなたの持っている箱を渡して」

少女はいきなり私に要求してきた。

ど、どうしよう相如さん!

「ふむ。では問おう。少女、お前は何故その箱を欲する」

相如さんが直接璧から質問した。

「っ……そんなこと、どうでもいいはず。とにかく渡して」

「ならば渡せんな。鈴、変身しろ」

えっ、それって……

「戦うの?だったら、相手になる」

ていうことだよね!

「鈴、大丈夫だ。君なら勝てる」

……もうこうなったら仕方ない!

「いくよ。リンリン!魔法少女に、なっちゃうんだから☆」

シャランシャラン、と鈴の鳴る音が響き、光が集い始める。

光の粒が線を描き、線が糸になり、糸が服になり、服が体を包む。

頭におっきいリボンもつけて!

「魔法少女リン☆リン、ここに参上!」

そしてそのまま……

「箱を璧にかざせ」

「う、うん!」

箱を璧にかざすと、光の粒になる。

さっき見たのといっしょだ。

「我が璧の前に、その理を示せ。地察の星『青眼虎』、李雲!」

「我が剣の前に、その力を示せ。地理の星『九尾亀』、陶宗旺!」

光の粒が私の両手に集まり、赤青二色の鉤爪になった。

相手の少女の周りにはさっき見たような槍が地面にいっぱい刺さっている。

「箱、力ずくで奪わせてもらうわ」

「そんなこと、させない!」

鉤爪と槍が激突し、火花が散った。



2話目。まさかのCMを挟みました。

一回やってみたかったんですこのネタ。

次回もまた暇なときに書きます。

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