彼の力は
称号の重要部分の書き忘れ・・・
なんという失態・・・!
セレスティアたちが勇者の適正がないといっていたが、それは本当だったのか・・・。
テンプレ通り言語翻訳と鑑定があるのはいい。
・・・・・・しかし、何故だ!何故職業が"厨ニ病"なんだ!?過去に封印したはずなのに・・・。
まさか、空想創造という技能が関係してるのか?
これがテンプレ通りなら、鑑定で詳細がみられるかもしれない。
まずは、職業を鑑定っと・・・。
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職業:厨ニ病
過度な厨ニ心によって、特殊な派生を繰り返し、様々な因果の鎖が絡み合った結果、遂に晃樹専用の固有職業まで昇華した。この職業へとなったため、空想創造を自動的に会得した。
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なんか、何気に酷いことが書いてあった気がするが見なかったことにして、次は技能へいこう。
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技能:言語翻訳
異世界人のみが習得している技能。全ての生物の言語を翻訳できる。(但し知性のない魔物は除外)文字は翻訳不能。
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文字は自分で覚えなきゃいけないか・・・。まあ、地道にやっていくさ。
次は空想創造とかいう、いかにも厨ニ感満載な物だ。正直、嫌な予感ばかりするのだが・・・。しかも、厨ニ病という職業を得た時に習得したって書いてあったし・・・。
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技能:空想創造
厨ニ病という職業になった時に、ただの厨ニの空想が、昇華したもの。『顕現せよ、我が真祖の力』と唱えることで、真祖の力と身体を一体化させ、思考、言動が厨ニ病のものへと変化する。その状態になると、身体能力が爆発的に上昇し、妄想上の事を現実へと映し出し、自身の力として扱える。
尚、厨ニ病の言動にするかは、任意で切り替え可能。但し、厨ニ病の言動にしない場合、魔法の威力が減少し、聖剣等の召喚が出来なくなる。身体能力は減少しない。
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・・・デメリットはあるものの、厨ニにならなくていいのなら、先に知っておきたかった。まあ、初の戦闘で戦えず死ぬよりはマシだったからよかったかもしれないが。
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技能:鑑定
称号:異世界人の取得により習得。自分のステータスや、他人のステータス、モンスターのステータス、ものの状態などあらゆるものをを確認できる。相手が隠蔽している場合は、隠蔽したステータスが表示される。
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隠蔽されてたら、見えないというのはあるが流石に、チートじゃないのかこれ。みんな使えたら、個人情報が流出しまくるじゃないか・・・。
後、称号というのが、残っていたな。
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称号:異世界人
異世界から何らかの原因でこの世界に来てしまったもの。
効果:鑑定の習得(技能を鑑定することで詳細確認出来ます。)
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何だ・・・鑑定が使えるのは異世界人だけなのか。もし、鑑定されて、俺が厨ニ病などと、黒歴史に永久封印するはずだったものが職業だ、などと人に知られたら、寝込む自信がある。
異世界人は、俺以外にもいるかもしれないし・・・。ただ、何故かこの世界では、黒髪が滅多に生まれないらしいから、周りに溶け込むことが難しいからな・・・まぁ、その辺の事は後々考えるとしよう。
次は・・・厨ニ病・・・職業の次は称号か・・・。
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称号:厨ニ病
過去の思い出が、厨ニ病という職業を得て、称号になったもの。
効果:なし
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本当に厨ニ病という職業は俺に何がしたいんだ・・・?
しかも、その上効果なしかよ!
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称号:魔法剣士
厨ニ病という職業を取得したことにより習得。剣技と魔法を一定レベルまで到達した者が厨ニ病という職業を得て、魔法剣士を空想創造で現実に反映したとき初めて獲得できる称号。
効果:剣に魔法の効果を付与することが可能になる。
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小さいときにやってたアレが原因か・・・!
まあ、次が最後か。
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称号:英雄の卵
この世界アルムヘイトにおいて、英雄になる為の第一歩を踏み出したため、この称号を獲得。
効果:なし(英雄に昇華するときに獲得可能。)
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そうだ・・・忘れていた。俺は、英雄になりたかったんだ。アニメのように、皆を救うヒーローに。だけど、俺は地球で絶対にヒーローなんかになれないと知って、諦め、その夢自体を忘れていった。でも、この称号を見て、思い出した。そして、この世界では、英雄になることも出来るって・・・。
取り敢えず、ステータスの確認が出来たので、魔女風の女性にお礼を言おうと、前を向いたら、そこには、端から誰も居なかったかのように、忽然と彼女が消え去っていた。代わりに、一枚の紙・・・魔法陣が描かれた小さな紙が落ちていた。
仕方がないので、セレスティアとアベルという騎士のイチャイチャしている方に向き直ると、あちらも話が終わったようで、彼らは真剣な表情に戻って、此方に向かってきた。
「お見苦しいところを見せて申し訳ございませんでした。」
「君は確か晃樹殿だったか、見苦しいところを見せてすまなかったな。」
と、セレスティアが頭を下げると、アベルも意に介した様子もなく俺に、頭を下げた。ラノベでは、平民ごときに頭を下げる必要はないみたいなことをいう奴がいるのだが、第一印象通り確かに好青年のようだ。セレスティアとは、短時間の付き合いだが、彼女がどういう人間なのか、少しは知れたので、アベルのような好青年に惚れるのもおかしくはないと思う。俺は、彼女が出来たことがないから、嫉妬してもおかしくないが、全くする気にならなかった。むしろ、讃えたい気分だ。
「いいえ、お二人は仲がよろしいようで、俺も微笑ましいです。」
年寄り臭いや、社交辞令だろなどと思うかもしれないが、これは、俺の心からの言葉だった。
「アベル・・・」
「セレスティア・・・いや、セレス。」
すると、二人は頬を赤く染めて見つめ合って、みている俺も恥ずかしくなるような二人の世界に再び入り込んだ。しかし流石に、これ以上は何かとまずい気がしたので、一瞬の思考の上取り敢えず止めることにした。
「はい、ストープッ!」
あんなのを見せられて、俺も若干動揺して、敬語じゃなくなってしまったが、取り敢えず二人の世界から戻ってきてくれて良かった。
「また、やってしまいました・・・。あ・・・そうです!すっかり忘れていましたが、ステータス確認の方法をお教え致します。」
「それは、魔女風の女性に教えてもらったので大丈夫です。」
「え、そんな・・・この情報が王都に漏れて・・・いえ、魔女風の女性ってまさか!?」
今のセレスティアの様子から察するに、ステータス確認の方法は一般には、知られていない情報らしい。
「後、俺がステータス確認し終わったら魔女風の女性が消えていましたが、代わりにこの紙が落ちていました。」
「ちょっといいか?」
セレスティアの後ろに控えていたアベルが言って、確認した。
「これは、幻術・・・?いや、違う。これは、まさか、秘術の・・・。」
「そうみたいですね・・・おそらく、時の魔女の・・・。」
正直、全く意味が分からない。あの女性はそんなに有名な人物だったのだろうか?
「お父様も回復したので至急、謁見を行いますがよろしいでしょうか?」
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