真祖の力の覚醒
戦闘シーンが上手く書けません・・・。
「それは、こう言うのじゃ!『顕現せよ、我が真祖の力』これだけじゃ。」
…え?一瞬俺は爺ちゃんの言ったことが理解出来なかった。
そして、聞きたくない言葉リストに入っている言葉が聞こえた気がするが、聞き間違いだよな…。
嫌な予感がしたが、一応もう一度聞いてみた。
「じ、爺ちゃん…もう一回いってくれる?」
「聞こえんかったのか?じゃあ、もう一度言うぞ、『顕現せよ、我が真相の力』じゃ。」
聞き間違いじゃなかった…。見事に嫌な予感が的中してしまった…。
「爺ちゃん、どうしてもそれを言わなきゃダメかな?」
「それ以外に方法がないからいっておるんじゃわい!晃樹に死んでほしくないからいっておるんじゃ。儂と晃樹の父は、託されたものの、使う機会がないのじゃ。じゃが、晃樹は違う。運命の糸は彼がいないため、彼の子孫で、最も容姿が近い晃樹を異世界に送ったのじゃ。現に晃樹は、異世界に召喚されておるじゃろ?」
そうだ…爺ちゃんに会えた嬉しさで忘れていた。俺が今、異世界にいて、竜に殺されそうになっていることを。
「ふぉっふぉっふぉっ、その顔はどうやら何かを忘れていた顔じゃな。」
と、爺ちゃんは楽しそうに笑う。
「じゃ、じゃあ、その力はどんな力なの?」
「それはのう、能力値…いや、晃樹の場合、ステータスの方が分かりやすいか。それが、全て大きく跳ね上がって、魔法が使えるのじゃ。オリジナル魔法も創れるぞ。そして、武術全般がほぼ完璧に扱えるようになる。」
「おおっ、チートじゃんそれ!」
「そうじゃな。晃樹の時代の言葉で言うと、チートじゃな。」
それからは、今まであった事を俺は爺ちゃんと長い間話し込んだ。
ーー数時間後
「そろそろ、晃樹の魂を現世に帰すぞ。」
ああ、もうお別れか…。爺ちゃんと別れる覚悟をしなきゃ…あと、『顕現せよ、我が真祖の力』と言うか覚悟も…だが。
「では、帰すぞ…一つ言い忘れておったが、儂は、晃樹が幸せになるまで転生する気はないから、いつでも会えるし、『顕現せよ、我が真祖の力』は、脳内で言えばいいだけじゃぞ。」
爺ちゃん…すぐに台無しにするんだな…。
「爺ちゃん、それじゃあ俺の覚悟が台無しだよっ!」
「ふぉっふぉっふぉっ、ではな。」
「じゃあね。」
そして、俺の意識がブラックアウトし、次に見た光景は、白い空間にくる前と変わらない竜が目の前にいる光景だった。
俺は、すぐさま、脳内で『顕現せよ、我が真祖の力』と、唱えた。そして、何かのスイッチが切り替わった音がした。
~*~
久しぶりだ…心がとても高揚するこの感覚。数年前、封印してからというものなかなか、普段は俺(普段の晃樹)が恥ずかしがってしまうのでな、なかなか、味わえないこの心の高ぶり!
ほう、我(厨ニモード)の格好が白のロングコートに変わっておるな…いい、いいぞ。
しかもだ、現在の我には、数年前のあんな見せかけだけの紛い物でなく、真の"力"が存在する。
そして、我が先代の根源がその"力"の使い方を我に語りかけたのでな。
それと同時に、我が先祖の生きた頃の記憶は、今し方我の目の前にいる奴ら、竜が世界最強の種族と言っていいほど強かったようなのでな。楽しめるやもしれんな。
「さあ、我にどんな余興を見せてくれるのだ?」
この言葉を合図に、我と奴らの聖戦が始まった。
初めに動いたのは、先程ばかり、攻撃して来た竜が我が変わったことへの驚きから醒め再び牙で噛みちぎろうとして来た。
我は相手が竜だから激しく燃える戦いを期待した。しかし、遅い…遅すぎる!ここまで竜は退化したのか!?“俺”の状態なら相手に旗が上がるだろう。
しかし、今の我の状態では、全く、奴らには勝ち目が無いであろう。
「遅いな。召喚、『聖剣エクセキャリバー(偽)』」
…偽物と言うのはご法度である。
我は、エクセキャリバー(偽)で、軽々と竜を切り裂いた。
「今のは、全く手応えが無かったな。もっとまとめて掛かってこなければ我に、傷一つ付けれんぞ。それとも、我が身体を傷つける秘策でも在るのか?ならば、示して見せよ!」
バラードは今の挑発に簡単に乗ったようで、怒りで顔を真っ赤にした。しかし、すぐに不適な笑みを浮かべながら、指示を出した。
「高高度から、奴をブレスで攻撃しろ!高高度からなら、奴が斬撃をとばせたとしても届かん!」
バラードが指示を出すと、竜達はすごい勢いで空を駆け上っていく。やはり、遅いな…我は高高度にたどり着く前に斬撃で奴らを全て落とすことが可能なのだが、それでは、すぐに終わって我の心の高ぶりが一向に鎮まらんからな。
やがて、竜共が高高度へ辿り着いた時、一斉に振り向き、ブレスを放ってきた。
ほう、あの空気抵抗の中ブレスを溜めていたのか。なかなかに鍛えられているな。
「だが、無駄だ。魔法付与……そうだな、こう名付けるとしよう。魔力還元。」
我ながら安直なネーミングセンスである。
我は、エクセキャリバーに魔力還元を付与し、エクセキャリバーをブレスに当てていった。そして、我は全ての魔法に当てたとき、ブレスは一つ残らず魔力として自然に還っていた。
「なあっ!、貴様、いったいなにをした!」
常に、風魔法で集音していたので聞こえるが、普通の人間では、聞こえんぞ。
ちなみに、現在進行形で我は都合良く進化しているのでな。よけいな雑音は聞こえないで済むのだよ。
「なに、簡単なことよ、我が、《聖剣エクセキャリバー(偽)》に、触れた魔力があるものの全ての魔力を空気中の魔素へと還す魔法を付与しただけのこと。」
意味がわからないかもしれないので説明しよう!
これは晃樹も知らないことなのだが、地球でいうと、魔素は原子で魔力は分子といったところ。そして、魔力は様々な分子へと変化できる。今の技は、魔力でエクセキャリバーをコーティングして、魔法の核を突き、魔力を極々小さい数多の刃に変え、魔力のつながりを断ち切り魔素まで分解し、空気中へと放出しているのだ。
「さて、そろそろ終わりにしよう。」
「ま、まて貴様、なにをする気だ?」
この程度の魔力と殺気のみの脅しで屈するとは、我が力の10パーセントも満たないとはいうことだ。
「さあ、我が爆炎を味わうがいい!」
奴らは尻尾を巻いて逃げ出そうとするが、我が結界「絶対領域からは逃れられまい。
「な、なんだこの壁!?抜けられねぇぞ!」
そんな事を考えている間に、詠唱が完成した。
「…爆ぜろ、焔爆破」
煙が上がり、それが、晴れたとき、奴らは黒こげになっていた。
「輪廻の輪に還るがいい。」
と、現在、我が思考回廊内部で、再びスイッチが切り替わった音がした。
ああ、また、封印されるのか。
そして、我が目前の情景が消えゆく。そして多くの軍勢が希望の声を上げる中、我が情景は、漆黒の闇へ包まれた。
~*~
そして、俺の意識が戻ってきた直後に全て思い出し…
「…ああああああああっ!」
聞いてないぞっ!あんな厨ニ病の言動になるなんて!確かに強くはなったさ!世界最強レベルかもしれないな!だけど、だけどだぞ!なんで、厨ニな言葉を連発する事を爺ちゃんは、言ってくれなかったんだよ!?
…仕方ない。今度会ったら、問い詰めてやろう。
そして、考えることを止めた俺は、未だ沸いている人々の方へ歩いていった。
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