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異世界最強の厨二は英雄譚に憧れる  作者: 結城 柚葉
序章~血筋の覚醒~
4/11

力の真実

途中で出てくる白い空間はほぼ会話のみです。


降ってきた奴を一言で表すと、半竜人だ。しかも、漆黒の鎧を纏い、金に光り輝く槍を持っているため、強者の風格を感じる。

しかし、こうして見て、言動を聞いているとと、小物感満載だな…。


「バラード…貴様、何故生きている!儂は確かにお前を討ったときにお前が死に、消滅するところを見たはずだ!」


へえ、この世界では魔物(俺が勝手にそう呼んでいる)は死ぬと消滅するのか。


「フハハハハ!魔王様の加護下にある限り我は何度でも蘇るさ!」


うん、やっぱり小者っぽいな。


「それにな、我は魔王様によって蘇ってから貴様を殺す為に血のにじむような訓練をして、遂に魔王軍四天王まで上り詰めたのだ。この国の王になってから一度も戦場に出なかった貴様に我が負けるはずがない。だから、勇者召喚をしたのだろう?違うか?」


アルデバランは、悔しそうな顔をしながら、


「その通りだ…。」


と、そのとき謁見の間の扉が開き、「陛下、ご無事ですか!?」と言って、兵士と魔術師がなだれ込んできた。



「き、貴様何者だ!」


と、バラードの放つ重圧感にに若干怯えながら兵士がいうと、


「冥途の土産に何度でも言ってやろう。我は、魔王軍四天王竜使いのバラード!そして、アルデバランに復讐し、殺す者だ!」


それを聞いた、一番豪華な装備をし、屈強な男が焦った表情で指示を出す。


「歩兵部隊包囲せよ!そして動けなくなった所を魔術師部隊で集中砲火せよ!」


そんな事ここで言ったって相手はこちらの言葉を理解しているのだから意味無いだろ、と思ったが彼らは相当相当焦っているようで、その事に気がついていないようだ。


そして、ここまで冷静でいられる自分も何なのか、と思ってしまう。


兵士達はバラードを包囲しようとするが、やはり、分かっていたようで、即座に自分の竜を呼び空へ飛び立っていた。


そして、バラード達は俺達を上空から襲うつもりのようで、竜が口にブレスを溜め攻撃しようとしていた。

王国の魔術師部隊もそれに対抗して、


炎球ファイアボールッ!」


氷球アイスボールッ!」


などの小さい魔法から


魔法結界プリズン


などの無色の障壁を張る魔法だったり、大きい魔法になると、


「落雷の領域サンダーゾーン!」


「刃のブレイドテンペスト!」


「光のホーリースピア5連!」


などの魔法で竜も落ちてはいくものの、数が多すぎてブレスまでに間に合わない。


 俺は、ラノベ主人公が自身の魔力を察知するときに使う自分の意識を自分の体に集中させてみる。すると、何かよくわからないがとても大きな力を見つけ出した。そして、その力はどこか懐かしい感じがした。


 しかし、いくら大きな力があってもその力の使い方が分からないため、どうすればいいか分からない。集中していた意識を外に戻すと、目の前には直接攻撃をする竜が俺を喰らう寸前で、俺は走馬燈を見た。今までの記憶だ。


 そして思った、母さん、父さん先に死んでいく俺を許してください。そう思ったそのとき、懐かしい声が聞こえてきた。



ーー何を諦めておるんじゃ!



 すると、周りが白い空間に変わり、目の前には爺ちゃんがいた。

「久しぶりじゃな、晃樹…。」


「久しぶり…」

とまで言ったところで、あることに気がついた。

「爺ちゃん、何で生きてるの?」


「すまんが、儂はもう生きておらんよ。寿命で死んだわい。」


「え、じゃあ目の前の爺ちゃんは偽者?」


「いいや、それも違う。ここは、魂しか入れない場所。この意味が分かるかね?」


「爺ちゃんは、魂だけになって存在してるってこと?」


「ああ、そうじゃ。儂は本来すぐ転生するはずじゃんたんじゃが、晃樹が血筋の運命によってこうなることはわかっておったのでな、魂を僅かに削って、特例として認めて貰ったんじゃ。」

全くわけが分からない。でも、俺の為に魂をすり減らしたことだけは分かった。


「ここは魂のみの世界。時間から隔離されておってな、じゃから、外の時間が経過することはない。つまり、幾らでも話せるのじゃ、といっても、いつまでもは儂が許さんがな!」


こういう、道から外れることを絶対に許さない所は死んでも変わらないな、と感動した。


「早速、説明を始めるぞい。」


「え、?説明って何の?」


「おお。そのことをいっておらんかったか。そうじゃな…晃樹は、自身に意識を集中したときに、力を感じたじゃろ?」


「うん、感じたよ。」


「その正体じゃが、それを説明するには、まず家系図を知ってもらう必要がある。」


「家系図?そんなの知っているよ。」


「じゃあ、儂の父は何人か知っておるか?」


「もちろん、日本人でしょ。なにいってんの?」


「いいや、違う。」


「え?」


「父…いや晃樹からみたら曾祖父じゃな、は日本人ではない。というか地球人ですらない。この世界の住人。言わば異世界人。彼はその世界で人類最強だった。知らぬ者などいない異邦人により滅亡の危機にさらされていた人類をたった1人で救った…

ーー英雄だった。


(…え、マジ?そんなすごい人だったの?)


 しかし、彼は、ある日転移に魔力を込めすぎて転移に失敗し、どこか知らぬ場所に飛ばされた。世界中を旅し全ての国や村を回って全て知っているはずの彼がだ。

 そこは、今まで見てきた国や村よりも発達していた。四角い箱の中に動く人がいる物や、鉄でできた馬無しの馬車などの“キカイ”という物が多くあった。そう、ここまできたら晃樹も分かるじゃう。


(そこは…やはり…)


 ーーそう、地球じゃ。

 そして、各地を淡々と旅している途中で一人の女性と出会った。それが、晃樹の曾祖母じゃ。

 彼は、その女性に恋をした。


 しかし、彼は、そのとき既にここが地球と呼ばれる異世界だと知っていた。故に彼は自分では彼女に相応しくないと思い、その恋心を抑えた。


 しかし、別れた直後に彼女は自分のすんでいた世界アルムヘイト)でよく見た下卑げた笑みを浮かべる男達に今にも襲われそうだった。本来、見捨てるのが普通なのかもしれない。


ーーだが、彼は優しい人間(?)だった。


(なぜ疑問系!?)


 そうゆう奴らに大切な物を奪われるのは見たくなかった。それに、好きになってしまった相手が襲われているのは見過ごせなかった。

 そして、自分に身体強化魔法を使い、彼女の元へ駆けつけた。


 彼は、この世界に来てから無意識に忌諱していた、人へ攻撃魔法を使うことを初めてした。彼女を襲っていた男達は灰になった。


 これは、もう、彼女に怖がられても仕方ないな…と彼女を見ると、彼女はなんと、怖がるどころか、彼に告白をしたのだ。ーーあなたが好きです。あなたは私を避けているようですが、どうしてもこの気持ちが伝えたくて……ーー

 彼は、当然のように承諾した。


 やがて、2人は結婚し、子供まで出来た。


 しかし、彼は倒れてしまった。実は異世界人と地球人では体のつくりが違い、異世界人は空気中の魔素を取り込んで生活しており、それを体内で魔力に変換して無意識に微弱に全身に魔力を巡らせ、自然と朽ちていく身体を修復しながら生きていたのだ。

 しかし、地球には魔素が存在しない。一般市民なら数分持たず死ぬだろう。そう、彼がそれまで倒れなかったのは彼に人外レベルの膨大すぎる魔力があったからだ。

 じゃが、それもいずれ切れる。つまり、体に巡らせる魔力がないから、倒れたのじゃろう。そして彼の体調は日に日に悪くなるばかりで、そして、死んでしまった。

 それでも、彼が残したものは確かにそこ・・)にあった。彼は死の直前に自身の力を全て子供、つまり儂に託したのじゃ。そして、儂らはその力を代々受け継いできた。まぁ、晃樹の体が朽ちることはないじゃろ。

長くなったが、それが、晃樹、お主の中に宿る力の真実じゃ。」


それを聞き終わった時、俺は絶句し

ーーなかった。曾祖父が異世界人だということには、驚いた。しかし、力には懐かしさを感じていたためそれほど、というわけでもなかった。


「じゃあ、どうひいじいちゃんが残した力を使えばいいの?」


「それはーー

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