表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ため息少女は異世界で笑わない  作者: サイ
序章
1/2

星空

初投稿です!

「はぁ……」


 私、清水七星(しみずななせ)はため息をつきながら夜道を歩いていた。



 一歩一歩足を進めながら今までのことを思い出す。


 我ながら最悪な人生だと思う。

 小学校、中学校といじめをうけて居場所を失って、家族も失って、あずけられた叔父にも暴力をふるわれたあげくに犯されて尊厳をも失って……、その叔父を殺してしまった今、家とお金すら失ってしまった。


 まったく衝動的に殺しちゃったのは失敗だった


「警察に突き出すべきだったよなぁ……」


 そうしとけばお金も家も手に入れられたかもしれないものを……迷惑のかかる人もいないわけだし……



 乾いた笑いすらでてこない。 

 今の私の顔は相当ひどいことになっているはずだ。

 歪みきった顔なのだろうと思う。

 まったく……まったく私は何回後悔すればいいのだろう、何回絶望すればいいのだろう


「いっそ死んだほうがいいのかな……?」



 私だって死んでもどうにもならないのはわかっている。

 でももうそれにしか救いを求められないほどに私には何も残ってない……でも、


「ダメ……死ぬのは……ダメ……そうだったよね、八星(はつせ)……?」


 もういない妹の名前を呼び、私は思いとどまる。


 妹は唯一の味方だった。

 私と違って毎日楽しそうで、いつも私を慰めてくれて、自殺しようとする私を止めてくれた優しい優しい子。

 でも死んでしまった。

 私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで私のせいで……っ‼︎


 車のクラクションで意識が引き戻される。

 赤信号を渡りかけていたようだ。


 いけないいけない、またやってしまった。

 自分の世界に入っちゃうのは悪い癖だ。


「はぁ……」


 どこへ向かうでもなくさまようように歩き続けて、いや現実から逃げ続けてもう6時間、すっかり夜も更けて人通りも全く無い。

 空は曇っていて月明かりもなく、街灯だけが照らす夜道はいつもよりもの寂しく見える。


 私はどこへ行けばいいのだろう

 私は何を信じればいいのだろう

 私はいったいいったいいったい何を……………








 ふと空を見上げると星が出ていた









 ……………………おかしい、ついさっきまで曇っていたはずだ。

 それにあんなに明るいのもおかしい、それにあんなに規則正しくならんでいるものだっけ?


「えっ……………」


 私の視界は光に包まれ、意識は暗転した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ