表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

 *** 2日目 ***

作中にはリアリティー追求の為、一部実在の設定・名称に基づく表現を使用しておりますが、こちらの物語は作品全体を通してフィクションです。



 彼は、翌朝も同じ車両に乗った。

 午前八時十分の電車だ。


 彼は昨日と同じく最後尾に乗る。反対車両と向かい合う開閉口を占めたことも、昨日と同じ。


 カタカタと前方車両が揺れ出し、彼の心臓はドクドクと波打つ。体から汗という汗が噴き出てくる感覚も、反対車両の顔が見えてくると忘れてしまうほど些細だった。


 ーー来たッ!


 すれ違い始めるその一瞬すら、東間にとってはひどく永い時間を掛けたように思えたことだろう。


 けれど周囲に溶け込む彼らは、一瞬のうちに自分の時間を消費する。


 東間は見つけた。彼女の、昨日と変わらない姿を。

 開閉口から半円状に広がった中心で一心に本を見つめる、彼女の凜とした姿を。


 ーーやった! 今日もいた!


 それだけで東間は、今日一日を張り切って過ごせるほど有頂天になっていた。


「どうしたんだよ、気持ち悪い顔をして」

「いや、実は三世紀に一度と言っても過言じゃない程の、超絶美人な女子を発見してさ」

「はは、大げさだろ」

「本当だって」

「はいはい。俺には分からんがな!」

「見たら絶対に惚れるよ」


 同級生と軽い会話をしながら、東間は昇降口から廊下へと続く。

 その前をクラスメイトたちが様々な速度で通り過ぎていく中、東間だけはずっと彼女のことを考えていた。


 俺から見えているなら、もしかすると向こうからも見えるかも知れない。


 本に夢中になっていたとしても、その枚数には限界がある。それに、俯いた状態を人はそう長くは続けられないはずだ。


 きっと電車が激しく揺れたら、外を見るはず。


 東間は授業時間を目一杯使って、彼女と知り合うために掛かる日数を計算していた。



試しに読んでくださった方も、ブクマしてくださってる方も、ツイートから飛んできてくださった方も、読了ありがとうございます。


短くてスミマセンm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ