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コントラスト  作者: 霜月
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プロローグ


この国は、平和だ。


スーパーに行けば新鮮で安全な食材がある。外国産が不安なら田舎に住んで直売所や農協でも行けばいいし。


学校に行けば教育がある。未だに世界には教育を受けることの出来ない子供たちが沢山いる。そんな場所とは比べ物にならないほど、この国の教育レベルは高い。


警察の力は強く、治安は極めて安定してる。スリが当たり前のようにいる街だって世界にはある。


道は多くが舗装されていて、鉄道もほとんどの狂いもなく動き続ける。


迷子になったら端末を取り出して地図を見ればいい。暇ならそれでゲームだってできる。


便利な世の中だ。



でも、やっぱり人間は平等ではいられないんだ。そんな国にも上下はある。


上司に部下、スクールカースト、兄に弟、先輩後輩。他にもいろいろな上下があると思うけど、私は「運」についていつも考えている。いや、考えずにはいられない。


金持ちに生まれるか、貧乏に生まれるかの時点でその強弱は丸見えだろ?


特別な時に、自分の強い事を生かせた人と、生かせなかった人もいる。それも運だ。


朝電車にぎりぎり間に合う人、間に合わない人。信号によく引っかかる人、引っかからない人。ガチャでレアがよく出る人と出ない人。全部運と言っていいと思う。


自分で言うのもなんだけど、私は、飛びっきり運が悪かった。


安全安心のこの国で、運び屋もどきをしたり囮として逃げたり。母が病気になったことも、そのせいで働かざる負えなかったことも、父親は消息をとっくの昔に絶っていることも。


要は、私は運がなかったってことだ。





まあ、今となっては、それと同様の対価を払ったからのような思えるけどね。


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