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鬼狼の刃  作者: 大日小進
一章、異世界編
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6、転移魔法の対処方(参)

「ガァァァアアァアァァァ」


 絶叫が教室を震わす。


「アァァァアァアァァ」


 絶叫が教室を震わすたび、龍牙の体から闇より暗い靄が流れ出る。

 そして、靄は龍牙の体を覆い始め、刀にも這いより始めた。


(嫌だ、まだ俺は、俺達は、まだ死にたくないィィィィ)

(何だよ、何でお前がその小僧に付いているんだよぉォォ、狼鬼ィィィ)


 最後の断末魔を響かせ、刀に残った鬼と化け烏の残留思念は消え失せた。


「アァァァッ!ハァ、ハァ」

「龍ちゃん!」

「龍君!」


 靄が無くなり始めた。二人は急いで龍牙に駆け寄るも、止まった。


「龍ちゃん、そ、その頭、何が起こったの」


 意を決した雪江が声をかけるも、また応えない。龍牙の頭に起こった変化、それは頭だけでは無かった。額には一本の角が生え、髪の毛は腰まで伸び、二つ纏まり髪の毛が固まり、まるで獣の耳のように、まるで黒のように頭の上から現れ、その後の髪は他の髪と同じ様に腰まで延びていた。爪は長く、厚くなり、筋肉は隆起していた。そして、雪江の頭に浮かんだ物、それはここ数年、町を騒がせている七不思議の1つ、『月に吼える鬼』それの目撃情報と今の龍牙の身体状況が瓜二つなのであった。


「………………ガァァァッ」


 龍牙は絶叫を轟かせ、腰まで上がって来た円に走りより、跳び跳ねると刀を振り下ろした。ガァンと音を響かせ弾かれるが、今度は逆袈裟斬りに切る。何度も、何度も、やがて、パキッと音を立て円に皹が入る。皹からは液体では無い、しかし、気体でも無い不思議なものが流れ出した、それを見て頬が裂けたかの様な笑みを1つ龍牙は浮かべると、再び刀を振り下ろした、しかし、先程とは違い、今度は左手に血濡れ烏を持って。皹から流れる謎の物質がポタポタからチョロチョロに変わった時、また一つ、パキッと音が鳴る、しかし龍牙からでは無い、黒の口からだ。


「グゥゥゥ」 


 窓が開かないならと、牙を使い、先程から爪をかけていたが、先程の皹により、脆くなっていたらしい。黒の口の端から、先程の謎の物質が流れ出す。そして、パキッ、パキパキパキと音を立て、円が崩れ始め、遂に、全て崩れた。沈黙が辺りを包み、


「た、助かったのか? 」


 誰かがポツリと呟く。実感がわいたのか、全体が動き始めた。


「ィよっしゃァァ」

「た、助かったァ」

「龍牙君、ありがとぉぉ」

「見直したぞ、シスコン野郎ォォ」


 声援が鳴り響くと共に龍牙の角がまるでビデオの巻き戻しの様に引っ込み、髪の毛は自然に抜け、変身する前と同じ長さにまで伸び、体全体が元に戻り始めた、ほぅと一息つき、雪江達の方向に体を向けた。

 しかし、


「龍ちゃん、後ろぉぉぉ」


 振り向いた龍牙の視線の先、そこには、西洋鎧に身を包んだ集団が有った。

魔方陣の対処方法、それは物理です。(どやっ)

龍牙の髪の毛のイメージは、仲間と共に槍で敵妖怪と戦う少年の漫画の少年の相棒の妖怪、又はスーパーな戦闘民族の三番目の変身をイメージしてください。但し、髪の毛は黒いです。

七不思議は他にも、『スキーをする雪女』や、『野球をする河童達』、『宴会で踊る天狗』等が有ります。

次は、鎧と勝負です。

誤字脱字があったら教えてください。

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