1、起床
同じ内容を上げてしまい、すみませんでした。
削除の方法をわかり次第、削除します。
ワン、ワンと、相棒の声と味噌汁の匂いが、寝室で寝ている龍牙の意識を覚醒させた。
(ああ、起きなきゃ)
半分寝たままの脳に鞭打って体を起こそうとするが、起きれない。
(あれ、何で? それに、今日はあの変な人達が居ないからご飯と漬物にしてお昼の弁当を作って行くつもりなのに)
ちなみに、変な人達とは、包帯を手に巻いた坊さんとか、やたら背の高い山賊みたいな顔の生臭坊主とか、冬限定の色白な美人とかである。何故か、三日ほど前から、「ちょっと用事が」と、家を空けているのだ。その人達がいつもいるため、龍牙は安心して高校に行くのである。
(とりあえず、起きなきゃ)
そう思い、目を開け、龍牙は……固まった。何故なら、自分の顔面の真ん前に幼なじみのお姉さんがいたからだ。
「雪姉、何でここに雪姉がいるの? 」
「あ、龍ちゃん、起きたの? 起きたのなら、まずは、おはよう、雪お姉ちゃんって言ってギュッ、って抱きしめなきゃ」
「いや、何で俺の布団に潜り込んで、俺に抱きついているの? てか、鍵どうやって開けたのさ? 」
「フ、姉の愛の前には何もかもが無駄なのよ」
『違うから、その人私の合鍵パクって開けただけだから』
「あぁ、なるほど、分かった」
龍牙の体を抱きしめ、服がしわになるにもかかわらず足を絡ませしっかりと拘束しているのは姉、久美子の元クラスメイトで、生徒会会長、また、茶道部部長、北原雪江だ、そして、台所を使い、味噌汁を作っている若干鼻声になっているのは龍牙のクラスメイトで副委員長、テニス部の北原春美だ。それにしても、
「涙声になるなら、玉ねぎ使わなきゃいいのに」
今裏の畑から採れる物を思いだし、玉ねぎを使ったなと思った龍牙は台所で料理をしている幼馴染みに声をかけるが、返ってきたのは、
『ダメ、せっかく裏の畑から取ってきたのに、う~目が痛いぃ』
「あぁ、さいですか」
「まぁ、そういうことはおいといて、ご飯、食べましょ」
「あ~、はい」
こうして、龍牙は二日ぶりに味噌汁が付いた朝ご飯、黒は二日ぶりの水ではなく、味噌汁で味の付いた雑炊モドキを食べるのであった。
誤字、脱字があったら、教えてください。