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鬼狼の刃  作者: 大日小進
一章、異世界編
29/42

26、なにこれデジャブ

すみません今回は少し短いかも知れません。

「どうしてこうなった? 」


 龍牙は思わずポツリと呟いた。龍牙の目の前にいるのは城の兵士、しかもかなりの歴戦の戦士と思われる人物。そんな人物が龍牙の目の前で、


「よろしくお願いしやす! 」


 と、頭を下げているのだ。黒牙を見れば似た様な状況。龍牙と違うのは、


「黒牙さん、お願いします」

「はい、では始めましょうか」


 何故かメイドか女兵士だけなのだ。クラスメイト達はそれぞれでペアを組み練習しているのに自分達は兵士達と本気の練習。

「何でこうなったかなぁ? 」と呟いているといつの間にか兵士達に囲まれていた。大鎚や斧にメイス、レイピアやクレイモアやら短剣など、果てには釘バットやトンファーなどお前ら本当にファンタジーの住人か?と小一時間問い詰めたくなる様な武装をしている。「ハァ」とため息を吐き、刀を抜く。左足を少し引き、魂鬼は腰の右側から切っ先が左肩に来るように、千刃は逆手に構え背中を守る様に、血吸いは刃にした髪の毛で覆い後頭部から右肩に来るように構えた。龍牙が三刀流を使う様になり編み出した防御特化型の構え、"守取攻捨"。

 刀は刃の部分だけを肥大化させたため切れ味は無い。

 ゆっくりと息を吸い、はく。一拍後、


「よっしゃこいやぁ!! 」

「「「「「オオオォォオオォ!! 」」」」」


 龍牙の出した咆哮ともとれる様な大声にその場の兵士全員が張り合うかの様に大声を出し、一斉に突っ込んだ。標的は龍牙ただ一人、そこに集まるのは五十人は越える兵士。

 そして正面の兵士達が後三歩程になった時、龍牙は動いた。


「どっセイッ! 」


 魂鬼を(伸びろ!)と言う意思を込めて横に薙ぎ払う。振るわれた魂鬼は伸び正面の兵士全員を吹き飛ばす…………が勢い余って壁も破壊した。


「………つ、続けるぞォォォォ! 」

「「「「「見なかった事にしやがったぁぁぁ!! 」」」」」

「う、うっさい! 早くやるぞ! 」

「クソッ! テメー等絶対あいつ倒して姫様に突き出すぞ! 」

「「「オオオォォオオォ! 」」」

「やってやる、絶対にやって姫様に突き出してやるぞ! 」

「ヒャッハー、捕まえてやんぜ! 」

「ハッテメー等に捕まっかよ」


 そう言って龍牙が次に取り出したのは下鎌十文字槍、しかも既存の物とはかなり形が違う。石突きの所には長い鎖と鉄球、その直ぐ上には鋭い鎌が三つ。ジャラリジャラリと鳴る鎖と鉄球が兵士達に威圧感を植え付ける。ズルリと鉄球を引きずり、強く踏み込んだ。 ドンッと重低音を鳴らし突っ込むと二、三人吹き飛ばして突き進む。すぐさま兵士達は穴を埋めるが、


「フンヌァァァ!! 」


 石突き付近を握り振り回す。ジャラリ、ズリズリという音がジャラッ、ゥォン! という音に変わり今度は正面の兵士だけで無く周囲の兵士をも吹き飛ばす。そしてボトボトと空から兵士が降る局地的な異常気象を引き起こしながらも思い出すのは一つの疑問、


「既視感しかないけどどうしてこうなった? 」


 彼の疑問に答える者はその場には居なかった

どうも皆様、大日です。

武器の説明を軽くします。


下鎌十文字槍

ドボムと龍牙が訓練と言う悪ふざけの言い訳と純度の高い神珍鉄の玉鋼、世界樹を使い作り出した槍。引く事に適しいる。刃と芯に玉鋼、柄には世界樹を使用。柄は固く軽く、もし傷ついても魔力と水さえあれば翌日には直っている。玉鋼しか使って無いため、刃に魔法を纏わせるには三倍近くの魔力が必要。鎖と鉄球も同じ素材が使われている。


後、テストが近いため、来週くらいは更新できません。

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