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鬼狼の刃  作者: 大日小進
一章、異世界編
27/42

24、(色んな意味で)怖い

待 た せ た な!(スライディング土下座)


お久しぶりです。大日です。

約2ヶ月ぶりの投稿です。

24話、お楽しみ下さい。

 城を一時的にとは言え、混乱の渦中に叩き落とした一件から約一時間、この一時間の間にさまざま事が起きた。

 三十分程、龍牙と黒牙は説教を食らっていたが、その後事故だったとは言え風呂場を覗いてしまい不可解な思いをさせたとメイドに謝りに行った際、何を思ったのか龍牙が突然腹を切って詫びると勢い良く着物を脱ぎ捨てると慌てて雪江と黒牙が止め、その代わりにと、今度は黒牙が腹を切ろうとする一歩間違えれば阿鼻叫喚の惨事になる事態が発生していた。

 そして今、謁見の間では、


「雪姉、春美もういいでしょ? そろそろ離して」

「いや」

「あぁ三日ぶりの龍君の匂いだぁ」

「は~な~し~てぇ!」


 雪江と春美に前後から抱き締められていた。

 因みに前に雪江がスタンバイし、あぐらをかいた龍牙の脚の間に座り込み首に両腕を絡ませて体を密着させると言う胸が大変強調されたお姫様抱っこの状態に、春美は春美で背中に張り付き何故か龍牙の纏められ垂らされた髪の毛に顔を突っ込み匂いを嗅いでいた。

 スンスンと春美が息をする度に風が龍牙の首を撫でくすぐったい感触を与えていた。

 端から見たら羨まけしからんと言われかねない状態、しかし当事者からすると、


「暑いぃ、苦しいぃ、離してよぉ」


 かなりの苦行の様だった。

 龍牙は黒牙に助けを求めようとしたが、黒牙はと言うと元々の狼の姿に戻され、王女二人に背中や尾をいじれていた。


「あのぉ、そろそろ離して…………」

「すごいフカフカする!」

「あ、お部屋のベッドより温かい……」

「お姉さま、まだ寝る時間じゃないよ?」

「はっ! 寝てない、寝てないですよ!」

「…………もういいや」


 死んだ魚のような目でなげやりになり、何処か暗い雰囲気を醸し出していた黒牙だったが、突如耳をピクリと動かすと入ってきた扉の方に顔を向けた。それと同時に龍牙も「うん?」と顔を向けた。 そこには、


「あ、龍牙君だ!」

「おーシスコン遅かった……な───って何でリアルでハーレムやっちゃってんの!?」

「なっ! 本当かよ龍牙───って本当じゃんか!?」

「やぁ龍牙君、君は三日も居なかったな。何か言うことは無いのか? 後二人から離れろそこの某もののけなヒロインが出る物語に出そうな狼みたいなのもだ!」

「う~ん、ハゲの面積増えた? 後羨ましいだろぅ?」

「ッ! 何て事言うんだ! ハゲじゃねーしこれは全然ハゲじゃねーし七三分けだし。後羨ましくなんか……羨ましくなんか…………羨ましく……羨ましく……羨ましいだろがコンチクショォ!」

「フハハハハ! 勝ったぜ!」

「うわぁ、乙木先輩キャラ崩壊してる」


 勇者一行がいた。

 各各々(かくおのおの)の反応を見せるが言いたいことはただ一つ、羨ましい、だ。

 因みに女子は龍牙の状態を見て顔を赤くする者や、血涙を流して呪っている男子を見て呆れた表情をする者、龍牙の体に押し付けられつぶれている胸部装甲を見て膝から崩れ落ちる者などさまざまな反応を見せていた。

 そんなこんなで騒いでいると部屋にだんだんと衛兵達が集まってきて、


「第一王子及び王女様、王妃様国王様の御成門(おなぁり)


 ラッパや太鼓の音が鳴り響き、王子と思われる金髪に銀のメッシュが入った青年、青年と同年代と思われる銀髪の女性、少し太っている金髪の男性、少し年を取った銀髪の女性が入ってきた。そして彼等はそのまま勇者達の前を通ると、新しく見る龍牙と黒牙をおや?とした顔で見てその上に座る雪江と春美、王女二人を見ると男性二人が固まった。正確には若い方が雪江と春美を、年を取った方が王女二人を見てである。彼等はそのまま椅子から離れ地面に手をついて固まった。俗に言うorzである。


「「?」」


 ? が頭を埋め尽くす二人。しかし原因が分からないからどうしようもない。そんな二人を尻目に雪江は扱いがわかっているのか王女と王妃にアイコンタクトを送った。送られたアイコンタクトに二人は頷くと固まった二人の後ろに回り込み、


「「えい!」」


勢い良く蹴り上げた。


「ホワッ?!」

「ハウッ!?」


 ほぼ同時に二人は悲鳴を上げ飛び上がり──そのまま股間を床に打ち付け動かなくなった。


「いやなんなんだよこりゃ?!」


 二人が動かなくなり騒がしくなった謁見の間に龍牙の突っ込みが入った。



…………数分後 謁見の間近くの大広間



「いやぁすまなかった、娘が魔物にたぶらかされたかと思って少し取り乱し取った」


 アッハッハッと快活に笑う国王。しかしその隣には


「あれが雪江さんの思い人だと?嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘ダウソだ嘘ダうソダウそダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダ…………」


 夜に獣を狩るダークファンタジーゲームの一部のキャラの様に最早別の者に変身しそうな王子が頭を抱えうずくまりぶつぶつと何か言っていた。


「「いやあれで少しかよ(ですか)!?」」

「…………」

「「目を反らすな(反らさないでください)!?」」


 二人の突っ込みが炸裂したのは謁見の間ではなく近くの大広間、ここに移ったのは他でもなく、偶々龍牙達が夕食時に現れたからである。そしてそこで龍牙はメイド達や衛兵、国王達どころかクラスメイト達をも引かせていた。

 それは、


「ところで龍牙殿、少し聞きたいのだが……それどうやって食べているのか?」

「ん? スキルでだけど、変か?」

「「「「いやどう見ても変だろ!?」」」」


 クラスメイト達の突っ込みも入るが龍牙も黒牙も首をかしげる。何故ならそれが普通になっているからだ。

 それは龍牙の固有スキル、魔力操作で細胞に魔力を流し込み強制的に髪を伸ばしその伸ばした髪の毛を操り龍の頭部を形作り、物質変化でミスリルやアダマンタイトなどの合金に変化させその口に補食を添付させ擬似的な口にして肉を食べているのだが、なまじリアリティーを追求しているためにかなり怖い。

 現にこの中で一番小さい第三王女は先程からワインを飲んでほろ酔いの黒牙にしがみき、「黒牙様、あの龍怖いです」と半泣きだ。

 そしてついに、


「殿、少し良いですか?」

「ん?」


「行った。ついに行ったぞ!」と、皆が期待に沸くが現実は時に斜めに進む。


「殿…………神酒をください」

「ほれ」

「「「「何でだよ、あと瓢箪(それ)の中身酒だったんかい!?」」」」


 かなりの広さを持つ大広間を揺るがす突っ込みが一斉に入った。

この度、投稿速度が落ちそうです。

ご了承下さい。

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