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鬼狼の刃  作者: 大日小進
一章、異世界編
18/42

16、大会前のいざこざ その2

「テメエ、なにしやがんだ!」


 大勢の野次馬の居るなか、会場前の広間に、若い男の声が響いた。


「〇〇ダーキックだが?」


 そんな疑問の声を、至極当然のように、答えたこれまた若い男の声が上がった。龍牙の声だ。

 しかし、龍牙の答えは、間違いである。なぜなら、龍牙が放った飛び蹴りは、「ラ〇〇ーキック」では無く、「ライ〇〇卍キック」が正しい解答だからだ。では、「ライダ〇〇ック」と、「ライダー卍〇〇ク」どこが違うかと言うと、飛び蹴りが放たれるまでのモーションが違うのである。「ライダーキ〇〇」は、斜め上または、垂直に飛び上がり、空中で縦に回転して、一拍力を溜めた後、飛び蹴りが放たれるのだが、龍牙が放った飛び蹴りは、斜め上に飛び上がり、空中で縦に回転して、一拍力を溜めた後、腕を伸ばして、体にひねりを加え、横に回転することで、まるでドリルのようになって、貫通能力と、微妙にだが、スピードを上乗せされた回転飛び蹴りが放たれるのである。

 ゆえに、先程龍牙が放った飛び蹴りは、「〇イダーキッ〇」では無く、「〇〇ダー卍キック」なのである。


「うぅ、なにが起きたんだ?」


 そんなことをしている内に、気絶から目を覚ましたのか、先程龍牙が放った、「ラ〇〇ー卍キック」を食らったチンピラ神が呻き声を上げた。


「あ、起きた」

「大丈夫か、兄弟!」

「あ、ああ、兄弟、俺になにが起きたんだ?」

「あのガキ(……)だ!あのガキ(……)がやりやがったんだ!」

「んだと、このガキ(……)、俺達が誰だか知ってやりやがったのか!」

「………」


 返答はない。見れば、龍牙はうつむいていて、前髪で表情が隠れていた。

 そんな龍牙の様子を見て、勘違いしたチンピラ神は更に攻撃をし始めた。


「おいこらガキィ(……)今さら後悔しても遅いぞ!」

ガキンチョ(…………)どうやって償うつもりだ、アァ?」

「い……なん…い…………んだ? 」

「アァ? 」

「なにが言いたいんだ? ガキ(……)

「今何て言いやがった! 俺は、ガキじゃねぇぇぇ!」


 ガバッと音を立てる様に龍牙が顔を上げた。その顔に浮かんでいたのは、怯えでも、恐怖でも無く、憤怒。

 まるで鬼の様な顔をし、その背後にも、鬼を浮かべた龍牙の右手には、放電する風が渦巻いていた。


「雷龍魔拳!」


 龍牙が正拳突きを放つと、その右手に渦巻いていた風が、耳をつんざく音を立てながら、さんざんガキと言った右のチンピラ神に突き刺さった。

 風はそのまま、左のチンピラ神にも突き刺さった。


「「ギャアアアアアア!」」


 絶叫と雷の光が辺りに走り、やがて、収まった。そこには、黒々とこげた、チンピラの残骸が残っていた。

 しかし、怒り狂った龍牙が、これで終わるはずが無く、


「誰が身長中学年よりも下って言いやがったぁぁぁ!」

「殿、殿誰も言ってませんから! 虚無魔法は、虚無魔法は存在さえも残さずに消してしまいますから()めてくださいぃぃ!」



三十分後………


「ハァ、ハァ、ハァ」

「殿、大丈夫ですか? 」

「大丈夫だ、問題は無い…………はずだ」


 半暴走状態だった龍牙がチンピラ神達を三分の二殺しにし、止まった。もともと彼は、半殺しでやめようと思っていたが、チンピラ神が、殴っている間、ガキを連呼したため、拳の連打が加速し、最終的に、パンダのような青アザ、膨れ上がった顔面とひどいことになったのである。

 しかし、これ以上は殴れない。なぜなら、


「殿、そろそろ五分前です」

「いけねぇ、行かねば」

「じゃあ、試合頑張ってね。後、りんご2つあげるから、お腹減ったら食べてね」

「わかった、行ってきます」


 龍牙と黒牙は、エリスに手を振ると、会場の中に入って行った。

遅れてすみません。

最近、某宇宙戦艦の曲にまたはまった大日です。

誤字脱字があったら教えてください。また、感想なども待ってます。

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