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鬼狼の刃  作者: 大日小進
一章、異世界編
11/42

9、ここはどこ?

 見渡す限り真っ白な空間。まるで、白いペンキを辺り一面にぶちまけたかのようだ。


「うっわ、真っ白だなぁ、水平線見えねぇー」


 危機感の欠片も無い声で喋ったのは、1人の高校生、名前を鬼刃龍牙、学ラン、ズボンと一見普通の格好だが、彼の手には二振りの刀が、一つは刀身がうっすらと黒い鬼骨一文字、もう1つは刀身がうっすらと紅い小太刀、血濡れ烏。


『まったくですね、殿。しかしどちらに行くつもりですか?』


 声帯を震わす以外の方法で喋っているらしい獣の名前は白いのに関わらず、黒だ。一見普通の大型犬に見えるが、その正体は狼、それも絶滅したはずの日本狼だ。


「とりあえず…………」


「真っ直ぐ進むぞ」そう言おうとした口が止まった。その目線の先には、猪のような生き物の姿が。


「とりあえず、路銀の元と、飯の確保だな」


 チャキッと音を立て、鯉口を切り、猪に向かって走る。その後を黒が『はい』と駆けるが、猪を目視できる距離にまで来ると、止まった。


「なぁ、黒。あの猪って何かおかしくないか?」

『いえ、殿の考えは多分あってます』


 1人と一匹が見つけた猪、それは炎を身に纏っていた。


「あれって刀効くかなぁ」

『鬼骨一文字だったらギリギリって所でしょうか?』


 黒の返答に「そうか、ギリギリ効くか」と言うと、血濡れ烏をベルトの間に挟み、納めると鬼骨一文字の鯉口を切り鞘に納めたまま持ち、走り出した。そして、猪の横を通りすぎた瞬間、金属の擦れる音と光の一閃が猪の首を通りすぎ、鬼骨一文字と重なった。猪は振り返ろうとしたが、龍牙が血振りをし、チィンと音を立て、刀を鞘に納めると、猪の首が落ちた。


「よっしゃ、早く皮剥ぐぞ、皮、あと血も」

『はい、殿』


 どうやら、この空間でも、体を今まで通り動かせると分かった1人と一匹は猪の皮を剥ぎ、肉にし始めた。










十分後


「着火材少し持ってて助かったな」

『確かにそうですが、なんで靴の裏とかに仕込んだんですか』


 皮を剥ぎ取った後で生肉がかなり出て、処理(食べる方法)に困ったが、龍牙が靴の裏側に仕込んだ着火材とマッチ、学ランの隙間に突っ込んだ木材を削ったくず、たまたまポケットに入っていた塩胡椒と猪の骨と毛皮の覆いで燻製になった。「さあ、いただきますか」と龍牙は火の通った肉に手を伸ばすとかじりついた。その様子を黒は横目で見ると、目の前の生肉をかじった。


「うまいな、この猪は」

『はい、美味です』

「うむ、一撃で倒しおったし、血抜きもお前等早かったからなぁ」


 沈黙が降り、


「『じいちゃん(御隠居様)何で居るの(ですか)!』」

「迎えだよ」


 謎空間に入り、三十分弱、ようやく、迎えが来たのであった。

龍牙が狩った猪はフレイムボアと言い、近距離武器は炎と硬い皮で防ぎ、中途半端な水魔法は効かない厄介な魔物ですが、龍牙は炎が弱まった隙を居合い切りで仕留めたので、反撃が無いのでした。

また、魔物は魔力が大きい程、肉が旨いです(一部例外が有ります)。


誤字脱字があったら教えてください。

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