笑顔の青年の本心は
イラストはその内以下略。
隣の家に住んでいる
4つ年下の女の子
初めて彼女と会った時
ただただ可愛いって思ったんだ
自分が8歳 彼女が4歳
幼いながらに兄気分で
小さなその手を引いた時
守ってあげたいと思ったんだ
時の流れは驚くほどはやく
いつの間にか彼女は笑わなくなった
あれほど守りたいと繋いだ手は
今はお互い離れたまま
それでもまだ と笑顔を浮かべ
可愛い彼女に今日も言う
にっこり笑顔での「おはよう」は
今日もお気に召さないらしい
小さな顔につぶらな瞳
紅葉の両手はぷにぷにで
でもやはり一番好きなのは
その陽光のような笑顔だった
さらさらの髪を小さくまとめ
跳ねさす姿も微笑ましくて
ねだる彼女につちつい応え
髪をくくっては愛しくなった
僕の気持ちは何も変わらず
ただあの頃より少し成長したよ
彼女に対するこの気持ちは
どうしたって消えそうにない
可愛い大好き守りたい
僕の笑顔に憮然とする
その顔だって可愛いと思う
でもまだ伝えてあげません
もう少しだけ素直になって
小さな微笑みでも見せてくれたら
僕はきっと迷うことなく
彼女に気持ちを伝えるだろう
大好きだよ ずっと前から
愛しさはもう何倍にもなって
流石に気恥ずかしさはあるけれど
思いを告げるのを躊躇いはしない
まだまだ無愛想な顔ばかり
本当は笑顔を見てからがいいと
思っていたけれどそうはいかない
彼女も何かを考えている
僕の心は決まっているよ
ただもう少しだけ待って欲しい
貴女の16歳の誕生日の日
その日にプロポーズをするからね
――彼女はきっと戸惑うだろう
それさえも安心させられれば
きっと正しい答えをくれる
ここまで来ればもう願うだけ
どうか、この思いが同じでありますように――