第9話
お客様管理ノート・・・か
早速書いてみようかな。
私はノートを開き、さっき席についた客の詳細を書きはじめた。
名前:岡ちゃん 年齢:不明(多分30代後半)優しそうな感じ。
お酒は薄めが好き。新人好き。自称‘新人教育係’
電話番号:聞いてないので分からない。
・・他には何書いたらいいんだろう?とりあえずこれだけでいいか。
ノートを書き終え他の女の子の接客を見ていると、ジュリが戻って来た。
「クリム〜!!ただいまぁ!岡ちゃんから指名もらってたじゃん!良かったね!
ところで席着く前にさぁ、アンコちゃんとしゃべってなかった?
あの子すごい不思議な子なんだよね。近寄りにくい感じ。
絶対番号聞かれても教えない方がいいよー!!」
「え・・そうなんだ・・。」
「ところでクリム今晩暇してない?!ついてきてほしい所があるんだよ〜!」
「終わったらすぐ帰ろうって思ってたんだけど、どうしたの?」
「実はさ・・あたしの彼がホストクラブで働いてるんだ、一緒に行かない?初回安いし
あたしお金払うからさ。・・ダメ? おねが〜い!」
「ホストクラブ?!ジュリの彼氏ホストなんだ!ビックリ!」
「うん。まだ付き合って2週間なんだけどね。」
「彼氏かぁ・・いいなぁ。私なんてできた事ないよー・・。」
「クリムもそのうちできるって!ね、行かない?」
「わかった。いいよ 行く。」
「やったぁ〜!彼に今日は友達も連れて行くねってメール送っておくね〜ありがとクリム!」
ジュリが真剣な顔で言っていたので、断るに断れなかった。
本当はお母さんが心配してるから、なるだけ早く家に帰りたかったんだけどな・・。
「クリムさん、ジュリさんお客様が来られましたので席について下さい。
フリーのお客様ですから、頑張って指名とって下さいね。20代前半の若い方です」
ボーイが私達を呼びに来た。
「あ、はぁ〜い。クリム一緒の席じゃん!頑張ろうね!」
「うん」
ボーイに連れられ、私とジュリは客の前に行った。
あ・・・山田君・・
中学の時の同級生がそこにいた。
続く