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第8話

「今日入ったばっかりの新人のクリムさん入ります」


ボーイがその客の前に私を連れて行った。


「失礼します。クリムですよろしくお願いします」


私はその客に挨拶をして名刺を渡し、席についた。


「お〜新人ちゃん来たね〜。ねえ写真見せてよ!僕自称‘新人教育係’の


 岡ちゃん ね。岡ちゃ〜んって甘い声で呼んでね。よろしく」



岡ちゃん。見た目は30代後半。めがねをかけていて優しそうなおじさんだ。


「はい。まだまだわからない事がいっぱいです。岡ちゃんさんに色々教えてもらわなきゃ。」


「岡ちゃ〜んでいいの!さんはいらないよ。」


「は〜い 岡ちゃぁ〜ん。」


私は今までに出した事のない甘い声を出した。



「うん!そんな感じ〜!あ!早く写真見せてよ〜!」


「やっぱり見せなきゃダメですよね?わかりました。出します。」


ハンドバッグの中から写真を出して彼に見せた。


「変わったね〜!いいよクリムちゃん!岡ちゃんファンになっちゃうかも!」


「ありがとうございます。あの、ところでお酒の濃さはどれくらいがいいでしょうか?」


「ん〜僕お酒そんなの強くないんだよね〜 薄めでお願い。」


薄めってどれくらいだろう・・?


「これくらいですか?」


グラスに氷を入れた後お酒を少しだけ注ぎ、水を入れる前に彼に聞いた。


「クリムちゃん。もう少しだけお酒入れてね。それだとちょっと少なすぎかな?」


「あ・・すみません。量が分からなくて・・。」


「いいよ〜僕が少しづつ教えていってあげるからね〜。」


「ありがとうございます。」


お酒を少し足し、水を入れてマドラーで混ぜ、出来たお酒をコースターの上に置いた。


「うん。そんな感じでいいからね〜。クリムちゃん乾杯しようか?何飲む?」


「頂いていいんですか?わ〜い。すみませんウーロンハイ一つお願いしま〜す。」


ボーイを呼びウーロンハイを一つ注文した。


ボーイが飲み物を持ってきた後、一緒に乾杯をした。


「いただききま〜す。かんぱぁ〜い」


「かんぱぁ〜い クリムちゃん。遠慮せず何杯でも飲んでね〜」


気前良い人だなぁ〜。でも少しは遠慮しないと・・。ゆっくり飲もうっと。


乾杯が終わり、話もはずんできた途中で岡ちゃんがボーイを呼びだした。


「この子場内指名でお願いね〜」


「かしこまりました。」


指名?! やった!初指名!


私は嬉しくて舞い上がっていた。


「クリムちゃん。指名したんだけど、僕今日は2時間で帰るからね。ごめんね。」


「2時間もいてくれるの?!嬉しい〜」


「今日はとことん指導していくからね〜クリムちゃん。」


「うん!ありがと。岡ちゃ〜ん!」


私は2時間ずっとその席についていた。


岡ちゃんって良い人だったなぁ。。


彼を見送り待機席に戻った後、店長が一冊のノートを私にくれた。


「クリムさん。このノートはお客様管理ノートです。お客様の名前・特徴・


 来られた日時・時間・話した内容等を記入して下さい。連絡先はなるべく


 聞くようにするか教えるようにして下さいね。」


「あの・・店長・・私携帯持ってないんですけど・・」


「店側から携帯をお渡しします。但し、一ヶ月の店側の負担金は一万円までとします。


 超えた分は貴方自信で負担して下さい。イワキ 彼女に携帯を渡して下さい。」


「はい。店長」


携帯までもらえるんだぁ・・すごいなぁこの店。


続く


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