第7話
「クリムです。よろしくお願いします。」
「よろしく〜」
皆が挨拶してくれた。
「クリム〜!!」
ジュリが後ろの方で手をふっていたので私も手をふった。
「クリムさん、とりあえずまだ、お客様は来られてませんので
待機席で待っていて下さい。ボーイに呼ばれたら接客して下さい。
それと言うのを忘れていましたが、この店は原則アフター禁止です。
‘アフター’というのは、店が終わってからお客様と食事や飲みに行ったりする事です。
お客様がアフターしようと言ってきても、店で禁止されているから。と言って断って下さ
い。他の禁止事項も説明しておきます。店内恋愛も禁止です。もちろん、お客様との
恋愛も禁止です。それと恋人が出来てもお客様には言わないで下さい。
始めに言いましたが、お客様は女の子をくどきに来ます。くどこうって思っている
女の子に彼氏がいたら嫌でしょう?」
「はい。わかりました。」
恋愛なんて20年間したことないので・・大丈夫!
女の子達が待機席に行った後、私もジュリと一緒に待機席に行った。
「クリム変身完了だね!髪型も化粧も服もばっちりじゃん!今日から接客頑張ってね!」
「うん!早く接客してみたいな・・。」
「ここはほっといてもお客様来るからスグに接客出来るよ!結構忙しい店なの
やっぱり他のキャバと違うからかな??‘変身キャバクラ’だなんて珍しいもんね。」
「うん。私昨日店に来た時驚いたし・・ こんなキャバクラがあるなんて・・って。」
話の途中でボーイがジュリを呼びに来た。
「ジュリさん 上田様が来られました。よろしくお願いします」
「え?!上田さん?来てくれたんだぁ!クリムごめんね又話の途中で・・。」
「いいよ。頑張ってね 行ってらっしゃい」
「うん!又後でね!」
ジュリが行った後、一人の女の子が私に話しかけてきてくれた。
「クリムさん さっきは豪快にこけてましたね 大丈夫ですか?」
人形みたい・・肌が白くて綺麗で・・
「あ!大丈夫です!私ドジなんです」
「私、杏子って言います。よろしくです」
「アンコさんですか 了解です」
「クリムちゃん って呼んでもいい?」
「はい!」
自己紹介をした後私はしばらく無言になった。
「クリムちゃんどうしたの?アンコここにいない方がいい?ごめんね。席離れるね。」
「あ・・違います!!アンコさん・・!!」
いっちゃった・・。無言になって気分悪くさせちゃったかな・・。
ちょうどその時ボーイが私を呼びに来た。
「すみませんクリムさん。席ついてもらえますか?新人好きの方で、常連さんです。
名刺が出来ましたので、席に着く前にお客様に渡して下さい。」
ボーイは私に出来たての名刺をくれた。
「はい!」
いよいよ接客だぁ!!すごくドキドキする・・!
うまく接客出来るように頑張らないと!
続く