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第15話

部屋に戻って寝る準備をした私は、今日1日の出来事を頭の中で何回も思い出していた。


今日もあっという間だったなぁ…


初接客・初ホストクラブ。久しぶりの同級生との再会…


明日はどんなお客さんが来るんだろう?明日も頑張らなくちゃ!


さてと!寝るか。


布団に入り寝始めて、今日も又夕方ギリギリに目が覚めた。



いっけない!目覚まし又忘れてたよ!遅刻しちゃう!急がなくちゃ。



昨日と同様に私は慌てて家を出た。


あ!山田君に電話しないと。


携帯を手にとり走りながら山田君に電話をかけた。


プルルルル〜


プルルルル〜


留守番電話サービスセンターに接続します


留守番電話だ・・・電話切ろう。


山田君、仕事中なのかな。また後でかけようっと。

でも出なくて良かったかも。ハアハア言いながらしゃべるのも・・嫌だし。



私は電話を切ると再びダッシュで走って店に向かった。


あ、そういえばよく考えたら今日何時からか聞いてなかった!!

五時前に店に着いたけど、もしかして早かったかな。


・・・いいや入っちゃお。


「おはようございます」



ドアを開けると奥に店長と一人の女の人がいた。


真由マユ今日の客呼びは?」


「中村さんと サブローと田中社長と原田さんが来る予定で〜す」


何だか仲良さそうで話かけにくいなぁ。困った。

しかも私が来てるの全く気付いてなさそうだし。


「4人か。お前にしたら少ないじゃないか、調子悪いのか?

 ちゃんと客と連絡とってるのか」


「とってるよ〜?でも原田社長は7時からラストまでいてくれるって、

 マユ店長の為なら頑張るから、その為に店も移ってきたんだし。ねぇ店長…ギュッてして」


マユがそう言った時店長が私に気づいてこっちに来た。


「店長ぉ〜…」

マユは少し寂しそうな顔をしていた。


「クリムさんおはようございます。早いですね。

今日は来るの6時からで良かったんですよ?そういえば時間言ってなかったですね。

メイクの井上がまだ来てないので適当に時間つぶしてて下さい」


「あ、はい」


適当に時間つぶしてて下さい・・って言われても何をしたら。


とりあえず待機席で待とうかな。


私は待機席に座ってぼーっと考え事をしていた。



「ちょっとそこ、どいてくれる」


さっき店長と話ていた女が横に来て、きつい言葉で言ってきた。


「ごめんなさい。すぐ、どきます」


「ほんと邪魔。‘元ブス’のくせに。」


「え・・・」


「この店の子皆‘元ブス’なんでしょ〜?あたしの客は、あたしが‘元ブス’じゃないって


 知ってるからいいんだけど。新規の客とか、あたしの事‘元ブス’だって思い込んじゃって


 るから、ウザイんだよね。店長なんでこんな店始めたんだろ。ほんと嫌。店長の引き抜き


 じゃなかったら こんな店絶対来たくないし」


「・・・」


声が出なかった。


「じゃあこの店に来なかったらよかったじゃないですか」


って言ってやりたかった。


でも、新人の私がプロの彼女に対して偉そうな事・・・言える訳が無い。


彼女に対して何も言えないまま、呆然としながら時間が過ぎるのを待った。


続く

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