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第14話

「あの・・・」


私はユウトに話かけた。


「何?何か用?」


「さっき電話してた人って彼女ですか?」


ユウトは一瞬黙ったが、すぐ話はじめた。


「・・・だったら何なわけ?ジュリに言う?同じ水商売してるんだから


 これが疑似恋愛だって事くらいわかるだろ?ジュリは俺の単なる‘客’


 あいつが勝手に付き合ってるって思い込んでるだけだし」


「・・ひど・・」


「ひどい?君さぁ・・・この仕事なめてない?こっちは客を楽しませるのが仕事なんだから。


 疑似恋愛も仕事のうち。騙してるわけじゃない。わかるだろ?」


「わからない・・・」


「わからなければわからないでいいんじゃない?でも君もこれから水商売やって


 いこうって本気で思うんだったら、そういう事もわかった方がいいと思うけど」



ユウトはそう言うと席に戻り、私も席に座った。



「ジューリー遅くなってごめん。電話が長引いちゃってさぁー早くお前の所に戻って


 きたかったから、ダッシュで走って帰ってきたぜー」


ユウトはジュリを横から抱きしめていた。


「嬉しい!ねぇシャンパン入れてもいい?ユウトの売り上げに貢献しちゃうっ」


「ジュリ・・!やめときなよ。お金・・高いんじゃ」


「いいじゃんあたしがお金出すんだからさ!クリムは気にしなくていいのっ」



ジュリ・・・



「すみませんお客様。シュウヤさんそろそろ失礼します。大樹タイキさん入ります」


「クリムさんありがとう。失礼します」


シュウヤはそう言うと乾杯をしてタイキと交代した。


2時間で6人位の男達が席についた。


お酒が入ってたせいか、名刺の名前と顔が全然一致しなかった。


「お客様、初回の2時間までもう少しですが」


ボーイが私に時間を告げにきた。


「あ、帰ります。ジュリごめんね、先に帰るね。ジュリはまだいるの?」


「当たり前じゃーん。ラストまでいるよぉ〜。あ、クリム今日は付き合ってくれて


 ありがとうね。これタクシー代。使って」


「え?いらないよ。自分で払うよ」


「いいからいいから」


彼女はそういうと私にタクシー代を渡した。


「帰ります。」


その時私の席についていたホストが玄関まで見送ってくれた。


「お気をつけてお帰り下さい。またのお越しをお待ちしております」


「はーい」


早く家に帰らなくちゃ!もう4時半だよ・・。お母さん、心配してるだろうなぁ。



私は慌ててタクシーに乗って家に帰った。



あ!しまった!山田君に電話するの忘れてた!


家に着いた後、彼に電話すると約束していたのを思い出し、携帯を見ると着信が3件あった。


山田君・・・3回も電話くれてたんだ。明日、起きてから必ず電話しなくちゃ。



続く

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