第12話
「‥もしもし」
「クリム?俺。誰だか分かる??」
山田君…って分かるよ。。。
「やま…」
「ん?やま?が どした?」
危ない!うっかり山田君って言ってしまうとこだった…!
山田君が名前言ってた時‘進’って言ってたから…山田君って言っちゃったら、何で知ってるの?ってなっちゃう。
「進でしょ?分かるよ。どうしたの…?」
「クリムの声が聞きたかったから電話したんだ。…迷惑だった?」
「全然迷惑じゃないよ、嬉しい。」
「嬉しい…か。営業トークじゃなければ最高なんだけどな。クリム今日は何時まで仕事?」
「今日は2時までなんだけど、終わってからジュリと飲みに行くの。」
「女二人で?変な奴多いから気をつけなよ?俺、心配だなぁ。2時までだったらまだ起きてるから、良かったら電話してよ!クリム仕事中だし長電話になったら悪いから そろそろ電話切る。じゃ、また。」
「もう切っちゃうの…?うん、分かった。終わったら電話するね。」
「バイバイ。仕事頑張れよ!」
山田君はそう言うと電話を切った。
…短い会話だったなぁ。。
電話が終わって待機席に戻るとジュリが
「電話どうだったの〜?」
と聞いてきた。
「ん〜…別に普通の会話だったよ。私電話苦手だから、会話もそんなにしなかったし」
「そっかぁ〜。クリム電話苦手なんだ。ジュリは彼氏と毎日電話してるよ〜!毎日声聞かないと落ち着かない。」
「山田君とは彼氏彼女じゃないし…電話でどんな話していいかも分からないし…仕事終わってから電話するねって言っちゃったけど、電話かけにくいよ…」
「何で?何で?!相手が迷惑がってないんだし、じゃんじゃん電話しちゃえばいいじゃん!クリムは気にしすぎだよ〜」
「そうかな〜?」
「そうだよっ!あ、後一時間だね。頑張ろ〜!」
「うん。」
一時間の接客があっという間に終わった。
「疲れたね〜!あ、店長に今日は送りいらないですって言ってくるね〜。タクシーで行こ!」
ジュリはものすごくハイテンションだった。
「お疲れ様です」
女の子達と店長にあいさつしてから、ジュリの彼氏のいるホストクラブに向かった。
続く