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第11話

「ごめんそろそろ帰る・・」


山田君がいきなり帰ると言い出したので驚いた


「え?せっかく来たのにもう帰るの?」


「実は恥ずかしい話、今日は手持ち少ないんだ。だから、また今度


 来るよ。クリムを指名したかったんだけどな。他の女の子と話すのも嫌だから・・」


「え・・?」


「だから、ごめんね。・・さとし、帰るぞ。」


彼はボーイを呼び、指で×マークを作って‘チェック’と言った。


「え〜せっかく来たのに・・もう帰るのかよー!俺ジュリとせっかく盛り上がって来たのに。」


さとしは帰りたくなさそうだったが、彼に連れられ仕方なく帰る事になった。


「お客様お帰りです。」


ジュリは二人を送る準備をしていた。


「クリム!お客様見送りだよ!ぼーっとしてないで早く立って!」


「ごめん・・。またぼーっとしてた。」


「どうしたの?何か今日クリム変だよ?」


「・・。何でもない。ごめん」


「・・変なの。とりあえず!見送り行くよ!」


「うん。」


ジュリと一緒に彼と相方の人を見送ってから、私はジュリに


彼が中学の時の同級生であることを言った。


「え?!そうなんだ!すごい偶然だね!もしかして好きだったとか?!」


ジュリが言った事は図星だったので私はかなり動揺してしまった。


「クリムの態度見てたらバレバレだし。好きだったんでしょ?」


からかうように言ってきた彼女に対し私は


「・・うん。好きだった人。」


と正直に答えた。


「へぇ〜。クリムってあーいう人がタイプなんだ。美青年だよね!相方のさとしは


 猿みたいな顔してたけど!!」


「猿って・・!言いすぎだよ ジュリ」


「いいじゃん別に。ねえ、番号交換したんでしょ??進展するといいね!ファイト!」


「進展なんてありえないよ・・いつ私が山本だってバレるか分からないし・・。


 バレたら絶対引くよ。」


「そんなの関係なくね?写真だって見せてって言ってこなかったんだし、大丈夫だよ!」


「あ、そういえばジュリの彼氏ってホストって言ってたけどどんな感じの人なの?」


話をそらそうと思ってジュリの彼氏の話をした。


「ジュリの彼氏は見るまでのお楽しみ。早く仕事終わらないかなぁ〜 会いたいよぉ。」


「すごく彼の事好きなんだね。」


「うん!!」


ジュリが彼氏の事を話す時の顔は、すごく幸せそうだ。



私もジュリみたいに幸せになりたいな。



プルルルル〜


その時電話が鳴った。


この番号もしかして山田君・・?


「ねえさっきの人からの電話じゃないの??出てみたら?」


「うん。出てみる。ごめんジュリちょっとだけ待ってね」


「うん。ゆっくり電話しておいでー」


私は慌てて電話をとった。


「・・もしもし」


続く


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