最近14
内容に時差があります。これは10月30日(水)の出来事になります。今回は書き方が小説風です。
私は勇者にはなれないだろう。ハンターにもなれない。それは今私がこの状況を打破できずにいることが物語っている。今私はこの世で一番恐ろしいものトップ3に入る物に遭遇している。そいつはこの部屋のカーテンの向こう側に身を隠し、カサカサッ、パリパリパリッ……と時々何かが擦れるような薄気味悪い微かな物音を響かせている。私はその動静を右に捕らえて警戒しながら、右手に端末を持ち、「ANOTHER WORLD“禍根Xの原本”」第四十ニ話を執筆し、反対側にあるテレビに映る水曜プ〇ミアを観ている。今夜も遣り過ごすか、と鼻から笑声を漏らす。あ、そうこうしているうちに〇ペックがエンディングに……
いつのまにか物音もしなくなった。敵も今夜は姿を見せる気はないらしい。そうでなくては困る。
しかしいつまたあの音がして敵が攻めてくるかわからない。私は今夜もまたベッドで眠りながら、足元、窓際、頭上に怯えることになるだろう。
過去に遭遇した敵はサイズも形状も異なる三体。第一の遭遇は洗濯物を畳んでいる時。そいつはベッドの上で丸まっていた。頭部からひょろ長い触角が伸びている。こ、こいつは風呂場とかでしか見たことがない奴だ! 寝室、しかもベッドに乗るとはルール違反だぞ!? 貴様にモラルはないのかっっ!
第二の遭遇は早朝。バリバリ、バリバリッ……。カーテンの向こうから不審な物音がして私は目を開けた。数秒の間を置いて、再び響く不審な物音。バリバリバリバリッ!。バリバリっっ? バリバリバリバリッ!。やばい、これはやばい……大物だーーーーッ!? と飛び起きた。音が聴こえてくる方向はカーテン。そこへ目をやると……っ? っ?……ででで出たああああああ――――ッ!??
悪夢だ。これはあってはならない光景だああ〜〜、か、神様ああぁぁ……!
敵はギラギラした硬い殻のような胴体に無数の赤い足がうじゃうじゃ生えているグロテスクなモンスターだった。何故、この部屋にこんな巨大なモンスターがっっ??。嘆いても仕方ない。私は泣く泣く闘うことを選んだ。何を使用すればいいか考える。凍殺スプレー、ゴキブリ用殺虫剤、どちらが有効なんだ?? 以前凍殺スプレーでゴキブリを撃退しようとして逃げられたことがある。あいつも効かなかったら……。逃げられて行方をくらまされることだけは避けなくてはならない。そんなことになればあのモンスター、いやエイリアンに寝ている時に襲われる恐れがある。絶対にこの場で蹴りを付けねばっ! 私はそれをやり遂げねばならないのだ。 明日の私の安眠のために! そう決意して私が選んだのは、ゴ〇ジェジェジェット〜〜!
が、しかし敵がいるのはベッドの傍。そこでスプレーを噴射するわけにもいかない。私は布団叩きを手に取り、敵を窓の桟から払い落とした。すると敵は素早く目にも止まらぬ速さで移動し、ベッド脇の台に被せていたブランケットの上に着地した。その奥は死角だらけの危険地帯だ。そんな所へ潜伏されたら捕まえるのは至難の業。そして捕まえられなければ毎日怯えて暮らさなくてはならない。冗談ではない、と私は勇気を振り絞りブランケットごと引きずり降ろした。それを脇にあるベッドの上までスーッ横に滑らせた。荒い呼吸をして敵を見据える。そこへ〇〇ジェット噴射ーシャーーーー〜〜ッ! ふにゃふにゃ、ふらっ、こてっ……。噴射しまくり、数秒で敵は動かなくなった。死んだか? 確認しようにも恐ろしくて足が前に進まない。葛藤に葛藤を重ねた末、母登場。コロコロの切れ端で死骸を捕獲し、それをビニル袋に入れて口を片結びしてごみ箱へぽい。あっけなかった。おお、ここに真の勇者が!。でその闘いは閉幕。
そして今にいたる。戦はまだ終わってはいなかった。まだ敵は“残っている”。カサカサ……
この闘いに終わりはあるのか?
すぃーゆーあげーん♪




