プロローグ
警告タグにボーイズラブがついていますがボーイズラブは軽度のもので一瞬しかでてきません。
もちろんエッチなどもありません。
どちらかというとホモに近いです。
BLに期待していた方申し訳ありませんがご期待に沿える自信はまったくありません。
プロローグ
抜けるように青い空―
そしてその下に立つ俺―
仰ぐ。
あぁ、そらっていいなぁ…
「……如月…。早くやってくれ…」
聞こえなーい。あー何にも聞こえなーい。
「如月…」
「わかりました…はぁ…」
おおきくため息をつく。
屋上のコンクリートに真円をかく。
ちょうど屋上の真ん中だろうか。そらから見たら面白そうだ。
円の中に命令文をかいていく。
催促していた先生は半ば諦め、といった顔で俺を見下ろす。
適当に円の中を埋め
「できました。」
「よし。じゃあ実践。」
「…はい…。」
もういやだ…
おれ、落ちこぼれなんだよ。
無理だよ。こんなん。できるわけないよ。
文字通り死ぬよ?
はぁ…
ひときわ大きなため息を心の中で出す。
如月尚哉…ここで死にます…!
床に手を当てる。
いつも通り白いチョークの線は淡いブルーに縁取られ輝きだす。
このひかりはいつみても綺麗だなんて思っている。
外枠の円が広がり始める。
そして―
俺の体は…
気づいたら一階にいた。
つまり。
失敗というわけだ。
「はぁ…次。」
俺のため息より大きく、先生が言い放った。
俺が落ちてきた穴からは春樹が覗き込んでいた。
「アホ。」
ただそう言い放ち、クラスの中に溶け込んでいった。
俺はただ、さっきより遠くなったそらを眺めていた。
そらは綺麗過ぎて俺には不釣合いな気がした。