愛憎
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
※『小説家になろう』、『カクヨム』様にも投稿をしております。
注意事項2
狂う程の憎悪を持っていても、救えない程の愛を持っているから、あの方は何時も苦しくて仕方ないんだろうな。
復讐ってさ、皆が思っている以上に、身を削るんだよね。
彼奴らが私にした事を私は覚えている。幾年月が掛かっても、千年という月日が流れても、絶対に、許しも忘れもしない。だから此処に留まっていられるし、延々と焼かれる地獄を味わっている。
その子はとても可愛い子であった。頻繁にこの社を訪れる子であった。私が最初に訝しみ、少し意地悪をしても、無理にでも寄ってくる様な子であった。
――もう!! 餡蜜の味なんか分かりませんでしたよ!! 周りがマダムばかりで!! ……値段は手頃でしたけど……。
――そういうのはちゃんと御礼を言わないと駄目だって思ってるんで。
其れを言われた時に、少しばかりこの子には気を許しても良いと思った。追いやられた先で、其れでも何とか道を開こうと、良くしてくれた人と交流をした私の姿と重なった。
あるときほんの些細な気遣いを見せた。あの子に一切の非がない事を伝えようと、色々と根回しをした事がある。詩を送った。私が好きな梅の香を社いっぱいに炊き込めた。
そうしたら痛く喜んで、私に心酔する程、懐いた事を覚えている。可愛がろうと思った。私を慕い、着いてきた、あの周りの人々の様に。あらゆる私の全てを持って、情を尽くそうと思った。
あるとき、この社に来やすい様に、彼女の願いが少しでも叶えられる様に、私はあらゆる神々の元へ足を運び、縁を結んだ。彼女も大層喜んだ。これで頻繁に、迷うことなくお会い出来ると。
しかし。
どうにも運命というのは残酷だった。彼女はあの場所で頑張った。死ぬほどあの場所で尽くした。この場所に来るという願いの元、必死に動き続けた。
しかし其れに甘んじた回りが、彼女を便利な道具として扱った。過重な程の責務を与え、彼女を苛んだ。そして彼女は遂に壊れてしまった。
――ぶち殺したいぐらい嫌いですし、憎んでます。
――しんどくて、えぇ、とてもしんどくて。また、神経が焼かれる感触が、まだ私を苛むのです……。
――けれども梅香の君、また貴方をあの様な形に戻すことだけは、絶対的な禁忌なのです。だから忘れます。是が非でも忘れます。許せません。私をこんなにした奴を絶対に許しません。でも忘れます。
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。私に願う裏で延々と聞こえてくるのは、自殺志願者が唱える呪文であった。
あの方は非業の死を迎えている。だから全てを持ってこの世界潰しに掛かっても、私達は其れを甘んじないといけない。けれどもどうしようもなく愛情深い方だから。狂う程の憎悪を持ちながらも、其れに匹敵する程の、救えない愛をお持ちの方だから。だからきっと、出来ないと思うのだ。全てを滅ぼす事なんて。愛した人を自分の手で手に掛けるなんて、きっと、絶対に出来ないのだ。
そんな貴方様が、今も許さないと思いながら、忘れる訳がないと思いながら、身を焼かれている。血反吐は吐くほど苦しいはずなのに、本質的に人を愛しているから苦しくて仕方ない。
だから願う訳にはいかなかった。
――彼奴を殺してください。呪ってください。不幸にしてください。
なんて、其れをしたら全てを持ってして、多分殺すし、呪うし、不幸にするだろう。でもまた、荒れて苦しくて仕方がない貴方様を、また祟り神に戻させる訳には行かないのです。
だから言いません。私がどれだけ死にたくても、願いません。忘れます。許す事は出来ないけれども、忘れます。
――君は、生きなきゃ駄目だよ。
祝儀を見せた。私の名を二度、聞かせた。『また今度』を偲ばせた。
生きて欲しかった。憎悪に燃えることなく、ただ幸せに笑って生きて欲しかった。私のように身を焼かれる必要なんか、無いんだと。今の私のようになるなと。
――こんなにも、私は愛されているのに。私は……。
『死にたい』か。だからもう、今は眠りなさい。全てを忘れて。
梅香の君とは、とある神様モチーフの私の創作。
何度かお社通って、『こんな人だと思う』と出来たのが、この梅香の君。
ちなみに私は限界で、『梅香の君』の元ネタになった方を語ると怪文書になります。
以下は私の解釈。
本質的に愛情深い。
あの時代通い婚が普通で、父親なんて『たまに来る偉いおじちゃん』的なポジション。なのに、
離は離れになる時『お父さん行っちゃヤダ!!』『自分も着いてく!!』とか子供に言われて、仕方なく連れてく。
後を追いかける子供も何人かいる。
養子に出しても頻繁に顔出すし、なんなら『自画像書いたからあげるね』とか子供に渡す。
慕ってくれた人に自分の子供養子に出す。
(あの時代、子供って結構重たいコネクション。子供を渡すということは、戦国時代に愛刀を部下に渡す感じのさらに重い版)
側室いたけど、正妻とも仲良し。
離れた後に正妻からは昆布と生姜(あの時代は高いもの)を薬と称して手紙貰ってる。
事実だけ書いて『苦しいよ』とか言わない家族に、『苦しいと言わない事が苦しい(私的意訳・もっと本音で話して欲しい。気遣っているの?)』と日記に残す。
番の鳥を見て『仲良しで可愛いね。でも家族守れない私は……』と残す。
ブチ切れて祟り神になっても、自分が育った街には被害(これはぼかします)落とさない。多分落とせなかった。
まぁこんな感じ。
愛が強いし、デカイ。(重いとはなんか違う)
だからこそ、あそこまで狂える。狂えてしまう。
もう神様になったし、穏やかになったんじゃない?
と思うじゃない?
あるとき社内で菊人形飾られてたんですよ。
宿敵の苗字の菊人形があったんですよ。
名前だけぐっちゃぐちゃになってて、『まだ恨んでる……』とは思いました。
でもほら、設置したのは、自分を慕っている社の人だから、『菊は枯らせない』『菊に罪は無い』『菊は綺麗』。
だから、『お前の苗字が許せねぇんだよ』と言わんばかりのぐちゃぐちゃ感。
恨んで胸がすいた?
と言われたら、私的には
少しはすくよ? でも、それ以上に疲れるよ? 心身ボロボロになるくらい、疲れるよ?
死ね死ね。殺す殺す。思うだけでも、鬱になるぐらいには。
でも許せないんだよね。忘れられない。
恨んでも、憎んでも、許す道も、忘れる道も、どっちも尋常じゃなくしんどいし、苦しい。
※だから復讐鬼ってよく出来てるなと。
だから愛情深い人に、自分のこと大切に思ってくれる人に、自分以外の憎悪を背負わせる事がどういう事かって言ったら、『私の為に地獄の道歩けよ』って事なんだよね。
そんな事出来るわけないじゃん。
あんなに優しくしてくれて、しんどい時助けてくれて、助言とかしてくれて、『生きて』と繋ぎ止めてくれる人に、言える訳ないじゃん。
恩を仇で返すようなもんじゃん。
向いてる方向が同じなのに、愛が向かう方向は同じなのに、憎になると向きが違うんだよね。
すれ違うんだよ。
愛から生まれた憎なのに、不思議だねって。
追伸
どこまで行ってもやっぱり優しい。
憎らしい人が亡くなって、それでも心が荒んだ時、ただそこにある紅梅程、私は救われる物を知りません。
大丈夫だよ。傍にいるからね。今はただ忘れなさい。
そう言われている様で。
だから酒に酔って、忘れようと思うんです。




