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愛憎

作者: 秋暁秋季
掲載日:2026/05/31

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


※『小説家になろう』、『カクヨム』様にも投稿をしております。


注意事項2

狂う程の憎悪を持っていても、救えない程の愛を持っているから、あの方は何時も苦しくて仕方ないんだろうな。


復讐ってさ、皆が思っている以上に、身を削るんだよね。

彼奴らが私にした事を私は覚えている。幾年月が掛かっても、千年という月日が流れても、絶対に、許しも忘れもしない。だから此処に留まっていられるし、延々と焼かれる地獄を味わっている。


その子はとても可愛い子であった。頻繁にこの社を訪れる子であった。私が最初に訝しみ、少し意地悪をしても、無理にでも寄ってくる様な子であった。

――もう!! 餡蜜の味なんか分かりませんでしたよ!! 周りがマダムばかりで!! ……値段は手頃でしたけど……。

――そういうのはちゃんと御礼を言わないと駄目だって思ってるんで。

其れを言われた時に、少しばかりこの子には気を許しても良いと思った。追いやられた先で、其れでも何とか道を開こうと、良くしてくれた人と交流をした私の姿と重なった。

あるときほんの些細な気遣いを見せた。あの子に一切の非がない事を伝えようと、色々と根回しをした事がある。詩を送った。私が好きな梅の香を社いっぱいに炊き込めた。

そうしたら痛く喜んで、私に心酔する程、懐いた事を覚えている。可愛がろうと思った。私を慕い、着いてきた、あの周りの人々の様に。あらゆる私の全てを持って、情を尽くそうと思った。

あるとき、この社に来やすい様に、彼女の願いが少しでも叶えられる様に、私はあらゆる神々の元へ足を運び、縁を結んだ。彼女も大層喜んだ。これで頻繁に、迷うことなくお会い出来ると。

しかし。

どうにも運命というのは残酷だった。彼女はあの場所で頑張った。死ぬほどあの場所で尽くした。この場所に来るという願いの元、必死に動き続けた。

しかし其れに甘んじた回りが、彼女を便利な道具として扱った。過重な程の責務を与え、彼女を苛んだ。そして彼女は遂に壊れてしまった。

――ぶち殺したいぐらい嫌いですし、憎んでます。

――しんどくて、えぇ、とてもしんどくて。また、神経が焼かれる感触が、まだ私を苛むのです……。

――けれども梅香の君、また貴方をあの様な形に戻すことだけは、絶対的な禁忌なのです。だから忘れます。是が非でも忘れます。許せません。私をこんなにした奴を絶対に許しません。でも忘れます。

死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。私に願う裏で延々と聞こえてくるのは、自殺志願者が唱える呪文であった。


あの方は非業の死を迎えている。だから全てを持ってこの世界潰しに掛かっても、私達は其れを甘んじないといけない。けれどもどうしようもなく愛情深い方だから。狂う程の憎悪を持ちながらも、其れに匹敵する程の、救えない愛をお持ちの方だから。だからきっと、出来ないと思うのだ。全てを滅ぼす事なんて。愛した人を自分の手で手に掛けるなんて、きっと、絶対に出来ないのだ。

そんな貴方様が、今も許さないと思いながら、忘れる訳がないと思いながら、身を焼かれている。血反吐は吐くほど苦しいはずなのに、本質的に人を愛しているから苦しくて仕方ない。

だから願う訳にはいかなかった。

――彼奴を殺してください。呪ってください。不幸にしてください。

なんて、其れをしたら全てを持ってして、多分殺すし、呪うし、不幸にするだろう。でもまた、荒れて苦しくて仕方がない貴方様を、また祟り神に戻させる訳には行かないのです。

だから言いません。私がどれだけ死にたくても、願いません。忘れます。許す事は出来ないけれども、忘れます。


――君は、生きなきゃ駄目だよ。

祝儀を見せた。私の名を二度、聞かせた。『また今度』を偲ばせた。

生きて欲しかった。憎悪に燃えることなく、ただ幸せに笑って生きて欲しかった。私のように身を焼かれる必要なんか、無いんだと。今の私のようになるなと。

――こんなにも、私は愛されているのに。私は……。

『死にたい』か。だからもう、今は眠りなさい。全てを忘れて。

梅香の君とは、とある神様モチーフの私の創作。

何度かお社通って、『こんな人だと思う』と出来たのが、この梅香の君。

ちなみに私は限界で、『梅香の君』の元ネタになった方を語ると怪文書になります。


以下は私の解釈。


本質的に愛情深い。

あの時代通い婚が普通で、父親なんて『たまに来る偉いおじちゃん』的なポジション。なのに、


離は離れになる時『お父さん行っちゃヤダ!!』『自分も着いてく!!』とか子供に言われて、仕方なく連れてく。

後を追いかける子供も何人かいる。

養子に出しても頻繁に顔出すし、なんなら『自画像書いたからあげるね』とか子供に渡す。

慕ってくれた人に自分の子供養子に出す。

(あの時代、子供って結構重たいコネクション。子供を渡すということは、戦国時代に愛刀を部下に渡す感じのさらに重い版)

側室いたけど、正妻とも仲良し。

離れた後に正妻からは昆布と生姜(あの時代は高いもの)を薬と称して手紙貰ってる。

事実だけ書いて『苦しいよ』とか言わない家族に、『苦しいと言わない事が苦しい(私的意訳・もっと本音で話して欲しい。気遣っているの?)』と日記に残す。

番の鳥を見て『仲良しで可愛いね。でも家族守れない私は……』と残す。

ブチ切れて祟り神になっても、自分が育った街には被害(これはぼかします)落とさない。多分落とせなかった。


まぁこんな感じ。

愛が強いし、デカイ。(重いとはなんか違う)

だからこそ、あそこまで狂える。狂えてしまう。


もう神様になったし、穏やかになったんじゃない?

と思うじゃない?

あるとき社内で菊人形飾られてたんですよ。

宿敵の苗字の菊人形があったんですよ。

名前だけぐっちゃぐちゃになってて、『まだ恨んでる……』とは思いました。

でもほら、設置したのは、自分を慕っている社の人だから、『菊は枯らせない』『菊に罪は無い』『菊は綺麗』。

だから、『お前の苗字が許せねぇんだよ』と言わんばかりのぐちゃぐちゃ感。


恨んで胸がすいた?

と言われたら、私的には

少しはすくよ? でも、それ以上に疲れるよ? 心身ボロボロになるくらい、疲れるよ?

死ね死ね。殺す殺す。思うだけでも、鬱になるぐらいには。

でも許せないんだよね。忘れられない。

恨んでも、憎んでも、許す道も、忘れる道も、どっちも尋常じゃなくしんどいし、苦しい。

※だから復讐鬼アベンジャーってよく出来てるなと。


だから愛情深い人に、自分のこと大切に思ってくれる人に、自分以外の憎悪を背負わせる事がどういう事かって言ったら、『私の為に地獄の道歩けよ』って事なんだよね。


そんな事出来るわけないじゃん。

あんなに優しくしてくれて、しんどい時助けてくれて、助言とかしてくれて、『生きて』と繋ぎ止めてくれる人に、言える訳ないじゃん。

恩を仇で返すようなもんじゃん。


向いてる方向が同じなのに、愛が向かう方向は同じなのに、憎になると向きが違うんだよね。

すれ違うんだよ。

愛から生まれた憎なのに、不思議だねって。


追伸

どこまで行ってもやっぱり優しい。

憎らしい人が亡くなって、それでも心が荒んだ時、ただそこにある紅梅程、私は救われる物を知りません。


大丈夫だよ。傍にいるからね。今はただ忘れなさい。


そう言われている様で。

だから酒に酔って、忘れようと思うんです。

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