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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

超常的オカルト現象研究探索記録

呪返し

注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。


ご了承下さい。

 何ともまあ、馬鹿馬鹿しい行いだと思ってしまう。そしてこんな手段でしか復讐を果たせない自分のちっぽけな勇気に腹が立つ。


 彼女は私を嫌っている。きっと私を見ない所で私を馬鹿にしているんだ。あいつらと一緒に、私を何時も馬鹿にしているんだ。


 だから、私は学校に行けなくなった。怖くて怖くてたまらない。


 毎朝来るんだ。馬鹿にしに来るんだ。学校の日は必ず、毎日欠かさず。


 だから、だからだ、あいつの自業自得だ。本当なら今すぐにでも殺してやりたい。けど、それをする勇気を神様は私に何もくれなかった。


 何時もそうだ。神様は私に何も与えない。二物どころか一物も貰った覚えが無い。


 あいつは全部持ってる。全部だ。だから私を虐めて来るんだ。だから私を馬鹿にするんだ。


「死ねっ! 死ね死ねクソがッ!! アァッ!!」


 そうだ、そうだ、呪えば誰も私の所為だとは思わない。こんな馬鹿みたいなことをして、本当に呪われても私の所為じゃ無い!


 あいつだ! あいつが全部悪いんだ! 全部全部あいつが悪いんだ!


 呪ってやる、呪ってやる呪ってやる!


 あいつの写真は、辛うじてある。中学からの同級生だ。簡単に手に入る。呪いの方法なんて知ってるはずも無く、怒りに任せて傍にあった血塗れのカッターナイフで写真を原型が止められない程に切り裂いた。


 呪ってやる! 死ね! もうさっさと死ねよ!


 百円のライターでゴミクズに火を点けた。灰になる様子を、この密閉された部屋でぼんやりと眺めていた。


 今思えば、このぼんやりとした意識は、一酸化炭素中毒の所為だったのでは無いかと思い始めている。


 恨み辛みは沢山あった。それの全てを込めて、酷い目にあってしまえと願って切り刻み、燃やした。


「……さっさと死ねよクソが……」


 そのまま、気絶する様に眠りについた。


 次の日、私は何時も通り嫌な日常を過ごした。夕暮れが見えた頃、あいつが家の前にいるのが、窓を通して見えた。


 ……何で、何で無事なんだ。クソが……死ねよ、私がどんだけ苦しんでるのか理解しながら死ねよ。


 何であいつは笑ってんだ。死ねよ。無様に死ねよ。


 死んでくれ、頼むから。


 まだ足りなかった。足りなかったんだ。徹底的に、呪ってやる。


 お母さんの通帳から幾らかの大金を用意し、私が知っている祈祷師に頼み込んだ。その人が言うには、「私は一切の責任を負わず、全ての責任は貴方に降り掛かること」を条件に請け負ってくれた。


 ああ、当たり前だ。それに呪いなら責任を取れないだろ。


 そして、祈祷師の呪いは効果抜群だった様で、次の日からあいつは来なくなった。事故にあったか、死んでしまったのか。


 死んだのなら、それで良い。ああ、あいつが来なくなって、ほっとした。ようやく私の生活に平穏が戻ったのだ。私を馬鹿にしている声も少なくなった。


 平穏な生活が数日程続いたある日の夜、異変が起こった。


 何かが、部屋の角にいる。それが見える訳では無い。私には何も見えないのに、そこから視線が外せない。そして何かと目が合ったと唐突に思った瞬間に、窓をかんかんと叩く音が聞こえた。


 今日は風が強い日だった。窓に何か当たったのだと、思い込んでいた。しかしそれは止まることが無く、何度もかんかんと叩いている。


 違う、私の所為じゃ無い。あいつの所為だ。私じゃ無い。


 しかし数十分もすれば、その音は鳴りを潜めた。


 結局の所、あれは何でも無いただの自然音。何の変哲も無い。そう思えば気が楽になる。


 しかしどうにも気になるのが人の常と言う物で、私は怖い物見たさなのか、カーテンを翻し、窓の外を見た。


 やはり、風が強い。窓が揺れ、時折大きな音を立てる。


 ああ、どれだけ馬鹿馬鹿しいことか。やはり私の思った通りじゃ無いか。


 そう思ったのも束の間、より大きな音が聞こえた。窓の、下の右角。その方向から、それこそ誰かが思い切り殴り付けた様な音。


 自然と、そちらに目線が動く。けれど分かる。そこは見ちゃいけない。見たら、もう駄目だ。それを認識してしまう。


 視線の先にあったのは、化物だとか、そう言う恐ろしい者では無い。ただ、こちらを見る目だけがあった。


 何を考えているのか分からない白い目、その視線だけがそこにあった。


 目だけが出ているそれは私の視線に気付いたのか、ふっと落ちて消えてしまった。


 初めはこれだった。それから、私の日常は容易く崩れ去った。


 変わらず部屋の角に何かがいる。しかしそれは見えないのだが、確かに感じる。もうあそこを見るのは辞めた。布団でそこを隠し、目を逸らし続けた。


 その日、階段を降りようとした時、私は転けてしまって頭をぶつけそうになった。


 私の不注意では無い。確かに、私の足首を掴んだ誰かがいる。けれどやっぱりそれは見えない。


 私はお母さんにそれを訴えた。しかし聞く耳を持たず、私は何時も通り病院へ連れて行かれ、同じ薬を処方された。


 どうすれば良い。どうすれば良いのか、もう分からない。


 そして、徹底的な出来事が起こった。悲鳴を発し、母親までも異常事態を察知した出来事。


 足音がする。いや、それ自体は当たり前のことなのだが、誰も歩いても走ってもいないのに、必ず何処かで歩く音が、時には走る音が聞こえる。


 私はあの祈祷師の人に助けを求めようとした。しかしあの人は煙の様に消えており、探しても見付からなかった。


 最後まで責任を持てと怒りが込み上げたが、あの人にはもう頼れない。


 幸い、お母さんが霊媒師に近い人を連れて来た。正確には、霊媒師では無く調査員らしい。話によれば、費用はそれなりにかかるが評判は良く、信頼出来ると言うことらしい。


 来たのは、女性二人組。何方も片方の目を隠していた。しかし右目と左目で隠している場所が違い、右目を隠してる人は白い眼帯を、左目を隠している人は黒い眼帯を付けていた。


 家の中を歩いて回り、何も言っていないのに私の私室の前で足を止めた。


「失礼ですが、入っても?」


 白い眼帯の女性がそう聞いた。


 胸がとくんと怖気付いた。やけに心音が煩かった。まだ偶然にも、私の自室に目を付けただけだと思い込みたいのに、やけのこの二人の言葉は信憑性がある様に感じるのだ。


 私は、「いいえ」とも言えず、許可してしまった。


 二人が入って開口一番に言った言葉は、奇妙な程に一致していた。


「「呪われてる……」」


 もう一度、胸がとくんと怖気付いた。


 その後、私の両親は別室に隔離され、リビングでその調査員の二人と私だけで、まるで進路相談の様に会話が始まった。


「まず、隠してることがありますよね。それに、心当たりも」


 誰かが走る音が聞こえる。それはリビングから出た廊下の方から聞こえる。


 白い眼帯を付けている人がその方向を見て、黒い眼帯の人が話を続けた。


「恐らくあれは、呪返し。しかも素人がやった物じゃ無い。私達みたいな、専門家が明確な悪意を持って、恐らく貴方が飛ばした呪いの被害者の依頼でそれを跳ね返して、更に強くさせてここにぶつけている」

「そんな……私は……何も、悪いことはしてません。私は悪くありません!」

「……こう言ったら何だけど――」


 廊下に通じる扉が、何度も力強く叩かれている。両親では無い。もっと、もっと大きい。影が見えるのだ。


 しかしそれは人の形をしていない。もっと大きくて、もっと多い。


 嫌な汗が胸に落ちる。部屋の角に、何かいる。白い眼帯の人もそれに気付いた様で、そちらに視線を向けている。


「……貴方、自業自得よ? 知らなかったとは言え人に悪意を持って呪い、それを返されて現象が起きたら『私は悪くありません』? 都合が良すぎるとは思わないの?」

「私は……私は呪っていません! 私の所為じゃ無い!」

「じゃあ何で、この呪いは貴方に向かっているの? 言い逃れなんてもう無理なのよ」

「違うっ!! 違う違うッ!! 私の所為じゃ無い!! あいつが悪いんだ!!」

「……貴方が何をされたのかは知らないけど、少なくともこうなった責任は貴方にあるわ」

「じゃあ謝れってか!? 全部あいつが悪いのに!? 全部違う! 全員嘘付きだ!! お前等だってあいつに頼まれて私を驚かすつもりで来たんだろ!! あいつは何時だってそうするんだ!!」


 女性は呆れ切った様に溜息を吐くと、白い眼帯の女性に目配せをして立ち上がった。


「これの対処は不可能じゃ無い。けれど、今出来ることはこの呪いを更に強くして返すことぐらい」

「じゃあさっさとやれ!! その為に来たんだろ!!」

「それがどれだけ恐ろしいことなのか、分かってるの?」


 女性は冷たい視線を私に向けた。


 こいつもだ。こいつも私を馬鹿にしてる…… !


「最悪、人が死ぬのよ? 相手も死にたく無いから更に強くして返して来る。そんな事態は極力避けたいから、貴方が呪った相手を教えて。そうすれば、そこから術者を聞いて、その人に頼み込んでこの呪いを辞めて貰う。……ただ、貴方の謝罪ありき。これは絶対条件」

「私? 私が謝るのか!? 悪いのはあいつだろ!! 呪われたのも、私がこうやって呪われたのも!! 全部全部全部!! あいつの所為だ!! あいつが悪い!!」


 すると、今まで黙っていた白い眼帯の女性が立ち上がったかと思えば、思い切り私の頬を叩いた。


 私が意味も分からず放心していると、白い眼帯の女性は恐ろしい目で私を見下していた。


「もう駄目だこいつは。……まあ、この程度の呪いなら、死にはしないだろ。ちょいと入院するだけで済む」

「……ええ、そうね」


 二人はリビングから出ようとした。その扉に手を伸ばすと、より一層激しく扉は叩かれた。


「ちょっと黙ってろ」


 白い眼帯の女性が低い声で言い放つと、私の両肩にのしかかっていた嫌な重さが失くなった。


「……待って、待て! こっちは金払ってんだぞ!? 何もしないで帰るつもりか!?」


 すると、黒い眼帯の女性はまた溜息を吐き、侮蔑した目で私を見詰めた。


「勿論お代は結構。当人に解決する意思が無いみたいなので。勝手に酷い目にあってれば良い。私達は関係無い」


 そのまま、二人は帰ってしまった。


 その日の夕方、あいつが家に来た。怒鳴り込んでやろうとも思ったが、背に腹は変えられない。こんな、こんなのはもう嫌だった。


 頭を下げた。精一杯の謝罪の言葉も並べた。しかしあいつは、何も答えなかった。


 私がこんなに謝っているのに、あいつは「結局自分の為じゃん」と言い放った。私がどれだけ呪いを解いてくれと頼んでも、あいつは「嫌だ」と答えるだけ。


 あいつは酷い奴だ。もう、もう許せない。呪ってやる、呪い殺してやる。


 その日の夜。私はあいつから隠れて取った髪の毛を編み込んだ藁人形を作った。


 あいつの顔写真を貼り付け、カッターナイフで滅多刺しにした。不思議と気分が晴れやかになり、気持ちが高揚していく。


 夢中で、それを何度も突き刺す。しかし、思い切り突き刺した時、感触が少し違った。肉を刺したかの様な感触。


 見れば、藁人形から赤い液体が滴り落ちている。妙に鉄臭く、そして錆臭い。


 部屋の角にいるそれが、けらけらと笑った。窓が大きく揺れた。


 藁人形に貼り付けたあいつの顔写真が、笑った様に見えた。にたにたと笑った様に見えた。そした確かに、目が動き、私を追い掛ける。


 誰かが、私の首を掴んでいる。徐々に、力強く、徐々に、確実に。


「助けて」

「何処までも、自分勝手だね」

「……嫌――」


 夜空が腕を伸ばし私の首を締め付けた。


 それを見て、部屋の角にいるそいつはけらけらと笑っていた。窓の外から入り込んだそいつは、がたがたと揺れながら火を付けた。

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


何処までも自分勝手で自業自得の馬鹿野郎。

イジメは虐められる側にも原因があるとは言いませんが、やっぱり虐められる理由って言うのがある時もあるんですよね。性格が終わってたり。


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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