崩壊世界の借金返済方法
本日の天気
晴れ…時々ミサイル。
にわかミサイルにご注意ください。
「うぉぉ! どこがにわかだ! ゲリラミサイルじゃねぇか! 死ぬ死ぬ! 死ぬぅ!」
ここは不思議な世界。
空から時々ミサイルが降る世界。大小様々なミサイルが世界を破壊していく。別に誰が死んでもいいが、俺の家だけは無事でいてください。以上!
ただ、降るのはミサイルだけでは無い。スマホのバイブが鳴る。ミサイルを避けるのに必死だが、マジで嫌な予感がしたので、走りながらスマホを見る。
【予報が変わりました。天気ゲリラミサイル、時々レーザー
空から降るレーザーにご注意ください】
ミサイルが止む。だが、それは嵐の前触れ。
代わりに光の雨が降り注ぐ。ジュッ! と道路に穴を開け、曇天の空が光で綺麗に白くなる。
あぁ、嫌だ! ミサイルの焼死なら、何とか我慢できるが、貫通は嫌だ! 死にたく――
「ぎゃぁぁぁぁあつぅぃ!!」
レーザーは無慈悲にも、俺の体事全てを貫通していく。
これの嫌な所は、レーザーが細い点だ。
つまり死ぬのに時間がかかる。チビチビ殺すのなら、サッと殺して欲しい所。
だが、レーザーは綺麗に頭だけを避けて他を貫通していく。
痛ーい。熱ーい。気持ち悪ーい。死にたくなーい。なぜなら金がかかるから!!
◇◇◇◇
~次の日~
俺はベットで起きる。
先程のは夢? 否、現実である。
「死んだかー。死亡保険高いんだよー」
ここは人が毎日死ぬ世界。
まぁ、それはどこの世界も同じだと思うが、ここは放っておいたら、一日で世界が滅亡してしまう。
それこそが、【崩壊都市 渋谷】である。
「とりあえず…高校行くか!」
~旧秋葉原~
「ねぇ、あんた昨日のミサイル大丈夫だった?」
「無理。流石に死んだわ。ミサイル用の傘もってなかったし」
…目の前のJKが、相変わらずの会話している。
この世界では、ミサイルやレーザーが降るのは日常茶飯事である。
てか、ミサイルとかならまだマシだ。すごい昔に山が降ってきた一例もあるらしいし。
昔の日本はこんな感じじゃなかったらしい。信じられないけど。
大体100年前に、世界の終わりが確認されたらしい。その時代は【令和】って名前らしい。
学者によれば、その時代に初めて【天樂】が起きたとさ。
天樂って言うのは、昨日のゲリラミサイルみたいな、不可解な現象の事。
まぁ、難しい事は省いて、令和と言う時代に一度人類は滅亡して100年後再生したって感じ。
なんでも、その時人類を導いた英雄がいて、それが今の渋谷を仕切る【シブヤの王】だと。
まぁ! そんな事はどうでもいい!
俺はそれよりも、差し迫った問題がある。それは――
「金がねぇ…」
という事。元々金が無い上に、ギャンブルで金をとかして、借金なんて当たり前生活だ。
どうにかして金を得ないと、ガスも水道も電気も止められる。死亡保険なんて、以ての外だ!
なんか良いブローカーいませんか? 闇バイトだろうと、犯罪でも何でもやります。
俺の得意は――
「うわ! エルフだぁぁ!!」
「まじ!? キモ! 近づかないで!」
――早速、金が来やがった!!
白い長髪、長耳、目つきの悪い顔、ギザ歯に痩せこけた体。
この渋谷での、有害生命体。生きる絶望と呼ばれる金の成る木だ。
「グフフフ。やっと渋谷に侵入できた。鏖殺だ! 人間を駆逐してや――」
「とりあえず解体するか」
「――貴様は!」
「動くな。死体の鮮度が悪くなる」
通常この渋谷で殺人を行うと、1週間の禁固刑が言い渡される。それ程人の死は軽い。
だが、エルフに関しては発見次第、処刑の許可と、処刑した場合報奨金。それに死体も剥製にして売れるという牛のように無駄な場所がない。
だからこそ、俺達「エルフ狩り」は人気の職業でもある。
まずは、バックからむき出しの包丁を出し、アキレス腱を切断する。
次に、腕、腹。傷口が大きいと、高く売れない。
まぁ、ここは見せても退屈なだけのでサッと行こう。
「いっちょあがり」
エルフには弱点があり、心臓が無い代わりに心臓の場所に、魔力核という物がある。
それを刺せば一瞬で殺せる。
「…うわ凄い。あの人一瞬でエルフを殺しちゃった。プロだなぁ…」
「……うそ、あの人って!」
「知ってるの?」
「当たり前でしょ! 二年前、中学生でありながら崩壊のエルフ討伐隊に選抜された天才。」
名を――
柊 阿久津!
職業 高校生兼エルフ討伐軍【先行一番隊 アタッカー】
歳 18
髪の色 黒
人種 日本
座右の銘 終わり良ければ全て良し
現、高校生最強の存在。
借金 5485万円
今回のエルフ討伐報奨金30万円。死体の売上150万円。
昨日の死亡保険-300万円
よって借金5650万円!
増えてんじゃねぇかァァ!!!!