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女神様の使い、5歳からやってます  作者: めのめむし
第4章 帝都編2

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第98話 皇室一家

 レーチェルは嫌がるのを無理やり家に連れて帰られた。連日の泊まりは許されないようだ。

 

 美羽はイザベルの提案で、今日も皇城に泊まることにした。


 食事は皇帝一家全員が揃った。

イザベルが紹介したいと美羽も食事に呼ばれたので、それに合わせみんな参加した。


 美羽が食堂に入ると、すでに全員揃っていた。


 美羽が使用人に誘導されてイザベルの隣の席に着くと、クララと目があった。

クララはニコニコしている。

クララは第三皇女で末席のため、離れていて残念だと美羽は思った。


 代わりにエルネストが美羽の隣に座っている。


(前は、キモかったけど、今のエルネストだったら大丈夫だろうな)


 エルネストのいやらしさがすっかり消えた微笑みを見て思った。


 美羽が席についたのを見て、ウォーレンが口を開いた。


「今日はミウ様に晩餐にご参加いただいている。皆、粗相のないようにな」


 すると、全員頭を下げる。


「美羽様。大体わかっているかもしれませんが、改めて皆を紹介させていただきます」


 ウォーレンはそういうと、第一皇妃から紹介を始めた。


皇帝:ウォーレン・マーヴィカン 36歳

第一皇妃:イザベル・マーヴィカン 33歳

第二皇妃:エレオノーラ・マーヴィカン 36歳

第一皇子:ヨーゼフ・マーヴィカン 18歳 第二皇妃

第二皇子:エルネスト・マーヴィカン 17歳 第一皇妃

第三皇子:セオドア・マーヴィカン 15歳 第二皇妃

第一皇女:アメリア・マーヴィカン 15歳 第一皇妃

第二皇女:シャルロット・マーヴィカン 13歳 第二皇妃

第三皇女:クララ・マーヴィカン 10歳 第一皇妃


 こういう家族構成だった。

第一皇妃イザベル 第二皇妃エレオノーラとも3人ずつ子供がいて、イザベルが男一人女二人、エレオノーラが男二人女一人となる。


全員に皇位継承権があり、第一皇妃の子であるエルネストが継承権1位だ。

2位がヨーゼフになっていて、あとは年齢の順で継承権の順番が決まっている。


(皇位継承権とか大変そうだな。と言うか、さっきから第一皇子、名前は、あ、ヨーゼフだ。なんか睨んできてるんだよね。

まあ、結婚を断ったからかな)


 事実、ヨーゼフは美羽に結婚を断られた時に、手ひどく言われたために恥をかいたと思っている。

それで、美羽のことをよく思っていない。

 

 ウォーレンが喋り終わると、今度はイザベルが喋り始めた。


「みんなに言っておくことがあるわ。」


 全員の注目がイザベルに集まる。

イザベルは微笑みを絶やさずに言う。


「ここにいる御使いのミウ様を私の娘とします」


 それには、クララを除く全員が驚いた。


「な、なんだと。それはわしも知らないぞ」

「ええ、あなた。今言いましたもの」

「今ってな。継承権の問題もあるし、まずは相談してもらわないとだな」

「そうです、母上。勝手に決められては困ります!」


 ヨーゼフが血相を変えて言う。


 (冗談じゃないぞ。御使いが継承権を持ったら、間違いなく貴族どもは次期皇帝に御使いを推すぞ。

そんなの許せん。なんとしてでも止めなければ)


 皆の困惑の中イザベルが口を開いた。


「あなたたちの中には、継承権はどうなるんだとか、御使い様が継承権を得たら、貴族たちが御使い様を次期皇帝に推すかもしれないと、思っている子もいるでしょうね」


 ヨーゼフは内心ドキッとする。汗も出て顔も歪んでいるから、内心を隠しきれていないが。

対して、エルネストは全く動じていなかった。


 そのエルネストが口を開く。


「ミウ様が皇帝の座についたら、帝国の繁栄は約束されたものになるでしょう。私としては、ミウ様が皇帝になった時に間近で仕えさせていただければ、望外の喜びです」

「エルネスト! お前、何を言っているんだ!」


 ヨーゼフがエルネストの発言に噛み付く。

しかし、エルネストは意に介さずに続ける。


「ただ、それはミウ様が望んだ時です。母上、まだ続きがあるのでしょう?」

「あら、あなた。ちょっとの間に変わったのね」

「ええ、ミウ様のおかげで目が覚めたので」

「そうなのね。これはミウちゃんにお礼をしないとね。

みんな、エルネストの言うとおり続きがあるの。

ミウちゃんは私の娘にするけど、継承権をつけるわけじゃないわ。

娘として、系譜に入れるわけでもない。

私とミウちゃんの心での繋がりの娘ということよ」


 それを聞いて、子供たちの何人かはあからさまにホッとした顔をしている。

エルネストは微笑み、クララはニコニコしている。


 美羽も嬉しそうに微笑んだ。


 ウォーレンはそれを聞いて笑い出した。


「ワッハッハ。それはいいことだ。イザベルの娘ということは私の娘でもある。

ミウ様、私のことをパパと呼んでいいぞ」


 美羽がイザベルの服を掴んで言う。


「お母さん、あのおじさん、変なこと言うの。パパなんて絶対いらない。すごくやだ!」

「まあ、ミウちゃん。嫌だったわね。いい子ね。大丈夫よ。私が守るからね」


 イザベルが美羽の頭を撫でながら言う。

そして、ウォーレンを睨む。


「あなた。ミウちゃんは私の娘です。あなたの娘ではありません。ミウちゃんに父親はいりません。ミウちゃんにみだりに近づかないように」


 美羽は父親というものにトラウマがある。恐ろしいものでしかない。

イザベルはそれをクララに父親の虐待のことから男性に性的虐待を受けたことまで聞いて、美羽にとってのそれらのことに過敏になっている。

それで、美羽とイザベルのこの態度だが、可哀想なのは何も知らないで、良かれと思って口にした皇帝ウォーレンだった。


「そ、そんな……ず、ずるいぞ。イザベル。ミウ様のような可愛い子を、自分だけ娘にするなんて」

「お母さん、怖い」

「あなた! いい加減にしてください。私のミウちゃんが怖がってるじゃありませんか!」


 すごい剣幕でいうものだから、ウォーレンはすっかりしゅんとしてしまった。


「お母さん」


 笑顔でイザベルを見る美羽。


「なぁに? ミウちゃん」

「守ってくれてありがと」


 そう言われた、イザベルは喜びをあらわにして美羽を抱きしめた。


「ええ、私があなたを守るから、安心してちょうだいね」

「うん、ありがとう。大好き」

「ええ、私も大好きよ。ミウちゃん」


 急速にマザコン化が進んでいる美羽だった。

そして、イザベルもまた順調に親バカになっていっている。



 そこへ、先ほどから喋りたかったエレオノーラが口をひらく。


「ミウ様、お母さんにイザベルがなるのだったら、私とはお友達になってもらえないかしら」

「母上まで何を言っているのですか!」

「ヨーゼフ、いいじゃない。私がそうしたいのよ」

「ぐう」


 ヨーゼフが止めに入るが、エレオノーラは全く気にしていない。

期待して美羽を見る。


「どうかしら?」


 美羽はそんなエレオノーラの目をまっすぐ見つめる。何も悪意を感じなかった。


「うん、いいよ。お友達になろう」

「嬉しいわ。ありがとうね。ミウ様」


 エレオノーラはニコニコした。


「様はいらないよ」

「分かったわ、ミウちゃん」


 そう話していると、皇子皇女から声が上がった。


「それじゃあ、僕もお友達で」

「私はお母様の娘ですから、ミウ様の姉です」

「私もせめてお友達に」


 セオドア、アメリア、シャルロットが姉や友達に立候補する。


 しかし、ここでクララが止めに入った。


「ダメーーー! ただでさえ、ミウちゃんとの時間がお母様たちにとられるのに、兄様姉様たちにまで取られたら、私は私は……ぐす」


 大切な友達が取られそうで、今にも泣き出しそうなクララに、美羽が近寄り、優しく抱きしめる。


「大丈夫だよ。一緒にいる時間作るからね、お姉ちゃん」


 先ほどまで泣き出しそうだったクララがばっと顔をあげ、喜色満面になった。


「今、お姉ちゃんって言ったよね。ね。もう一度言ってー」


 美羽がプイッと顔を背ける。


「言わない!」

「えー、言ってよー」

「言わない!」


 美羽は顔を背けたまま席に戻った。

しかし、クララはだらしない顔をしながら言った。


「もう、ミウちゃんったら、恥ずかしがり屋さんなんだから」

「恥ずかしくない!」


 エルネストとアメリアを間に挟んで、言い合った二人だった。


「ねえ、エルネスト兄様?」

「なんだいアメリア」 

「クララちゃんってこんな性格だったかしら? 前はもっと硬い感じだったはずだけど」

「ミウ様と知り合ってからはこんな感じなんだよ」

「そうなの? じゃあ、ミウ様に感謝ね」

「ああ、ミウ様には感謝しかないよ。私のことも含めてね」

「やっぱり、私の妹になってもらおう。ミウちゃんって呼んでいいのかなぁ」


 アメリアがだらしない顔になる。


「だめ! 姉様にミウちゃんは渡さない!」

「ええ、クララちゃん、いいじゃない」

「だめ!」


 皇室一家にはほぼ受け入れられた美羽だったが、1人ヨーゼフだけは、打ち解けていくミウを苦々しげに見ているのだった。

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