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女神様の使い、5歳からやってます  作者: めのめむし
第4章 帝都編2

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第72話 ジェフの処分

 美羽はクララ、レーチェルにもみくちゃにされた後、シアとアミのところに戻ってきた。


「シアちゃん、アミ。こっちに来てくれる?」

「何? ミウちゃん」

「はい、ミウ様」


 シアとアミが連れてこられたのは、縛られたままのジェフの前だった。

ゴルディアック商会の者が皆、生まれ変わったかのように爽やかな顔をしているのに対して、ジェフだけが、青い顔でいた。


「ミウちゃん、これは」


 シアの問いに美羽は答える。


「シアちゃん、アミ。私は知らない人の復讐に加担する気はないけど、シアとアミはもうすでに知ってるから別。

ジェフだけには桜塵の誓いをかけてないの。だから、彼をどうにかするのは二人の自由だよ」


 美羽がそう言うと、きんちゃんが剣や斧、短剣を空中に浮かべた。


「た、助けてくれ。あ、お、お前は見逃してくれたじゃないか」

「ジェフ、一度は逃したけど、シア達の話を聞いて気が変わったの」


 美羽は一度言葉を区切り、目を鋭くして再び言った。


「……お前は私の気に障る」

 

 美羽はシアにジェフから性奴隷として扱われていたことを聞いた時に、柏原を思い出しこらえていたが、気分が悪かった。その時に、もう一度ジェフに制裁をすると決めていたのだ。


 ジェフは美羽の目と語気に恐れをなしたが、ここで黙っているわけにはいかない。

必死で弁解した。


「お、俺より悪いことをしている奴なんて、ここにはたくさんいるのに、なんで俺ばっかりなんだ」

「言ったでしょ、お前は気に障るって。お前は賢治と柏原を合わせたような奴なの。

このままではろくな大人にならない。その前に終わらせておいていいんじゃない?」

「な、なんのことだ。ケンジとカシワバラって」

「お前が知る必要はないことだよ」

「くっ、そ、そうだ。お前は御使いなんだろ。こんなことしていいと思っているのか!」

「そう来るの。ええ、いいの。私は女神レスフィーナちゃんから、好きに生きていいって言われているの。

私が好きに生きるにはお前みたいなのは邪魔なのよ」

「そ、そんな。御使いなのに……」

「私が正義の味方だとでも思った? 私は好きなようにするだけ。

あれ? でも、正義の味方だったら、やっぱりジェフは倒す相手じゃないのかな?

それに……お前の評価なんてどうでもいい」

「……」


 ジェフは言葉が出ない。


 そんなジェフから視線を外して、シアとアミに振り返る。


「さあ、シアちゃん、アミ。二人の好きなようにしていいよ」


 シアとアミは無言でジェフを見つめる。

ジェフは肩をすくめて縮こまっている。


 やがて、アミがジェフに向かって歩き出す。

顔に怒りを浮かべて、ジェフの胸ぐらを掴み、叫び出した。


「あなたは! あなたは毎晩ママを犯した。やめてって言っても、何度も何度も。

私を守ろうとしたママに暴力を振るった。それも、ママが一番苦しむやり方で。

ねえ、どうしてなの? どうしてあなたはあんなひどいことができたの?」

「……!」


 ジェフは今までおとなしくて、見たこともなかったアミの激情に言葉を発することができない。

アミはジェフの胸ぐらを前後に振りながら詰る。


「どうしてか答えて! 答えなさい! なんであんなひどいことができたの!」

「……!」


 喋ることができないジェフに業を煮やしたアミは、きんちゃんが浮かべていた短剣を掴み首に突きつける。


 アミはほとんど絶叫した。


「答えろって言ってるだろ!」

「ヒィィィィ」

「なんでお前はまだ12歳なのに、あんなひどいことができるんだ!」

「た、たすけ……」


 それでも答えられないジェフにカッとしたアミは短剣を振り上げる。

それを振り下ろす寸前に、短剣を持つ手にあたたかな手が添えられる。


 ハッとして、そちらを見たアミの目に優しい顔をしたシアが映った。


「ママ」

「アミ、ありがとうね。あなたも苦しい思いをしていたのに、あなたが怒っていたのは全部私のことだった。

ママはそれだけで幸せよ。だから、あなたに手を汚して欲しくないの」


 そう最愛の母から言われたアミは、全身の力が抜けた。


 カラン


 短剣を落とし、アミは流れ始めた涙を拭う。


「ひぐ、ふぐ、マ、ママァ。」


 シアは優しくアミを抱きしめた。


「ありがとうね。アミちゃん」

「ママァ、守ってあげられなくてごめんねぇ。私が弱くってごめんねぇ

私の代わりにひどい目に遭わせちゃってごめんねぇ」

「私もアミちゃんが殴られている時に守ってあげられなくてごめんね」

「ううん、ママはいつも私を守ろうとしてくれたの。ありがとう、ママ」

「アミちゃん。こちらこそありがとうね」


 二人は泣きながら抱きしめ合った。


 美羽とクララとレーチェルもそれを見て涙を流していた。


「ズズ、おやこのあいですわ」

「うう、美しいわ」

「ふぇーん、シアちゃん、アミー」


 美羽は大泣きだった。


「まあ、おねえさまったら、またないてますわ」

「あら、ミウちゃん、泣き虫発動しちゃったの」


 レーチェルとクララがミウを抱き寄せながら笑う。

美羽はそれにあらがうことなく、抱きしめられた。


「ふぇーん、二人だって泣いてるくせに〜」


 5人はしばらく泣いていたが、泣き止んだところで(美羽が最後まで泣いていた)

再びジェフを見る。


 ジェフは青い顔のまま目を合わせない。


 今度はシアが口を開いた。


「ミウちゃん、私はこの男を殺す気はないの」


 すると、ジェフが目を大きく見開いてシアを見た。

期待したような目だが、次の瞬間に不安に襲われる。


「でも、許す気はないし、制裁は受けさせたいの」


 美羽は首を傾げる。


「じゃあ、どうするの?」


 シアが少し悪い顔で、美羽の耳元に口を近づけて何事か言った。


 美羽は一瞬驚くが真剣な顔で言う。


「それだけでいいの?」

「ええ、とっても重い罰よ」

「そう、わかった」

「出来る?」

「うん、出来るよ」

「ごめんね、こんなことやらせて」

「いいよ。手を貸すって言ったでしょ」

「ありがとう。ミウちゃん」


 少女達は、美羽とシアが何を話しているのか、首を傾げてみていたが、ジェフは自分の処分が決まることに戦々恐々としている。


 美羽がシアから離れ、ジェフのそばにやってくる。

そして、重々しくもったいつけるような声で美羽が言う。


「今から、お前の睾丸を砂にする」


 その言葉にジェフは愕然とする。

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