表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様の使い、5歳からやってます  作者: めのめむし
第4章 帝都編2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/156

第62話 占い

「獣人たち全員解放しちゃう?」


 美羽のその言葉にシアとアミは何を言われているのかわからなかった。


「大丈夫? 二人とも」


 そんな二人の様子に、美羽は首を傾げて心配そうにする。


「あ、ううん、大丈夫よ。ところで、解放するって言うと、どういうことなのかしら」

「ん? 全員を助けるってことだよ」

「そ、そんなことできるの?」

「うん、できるから言ってるよ」

「ぐ、具体的にはどうするの?」

「ゴルディアック商会の偉い人の屋敷の地下にみんないるんでしょ?」

「ええ、そうよ」

「じゃあ、簡単。その屋敷の地下に行ってみんな助け出せばいいんだよ」

「そんな簡単にいくかしら……」

「大丈夫だよぉ」


 シアが訝しげに言うと、信じられていないと思った美羽が頬を膨らます。

すると、言い出すのを躊躇っていたアミが思い切って口を開いた。


「た、助けられるなら……助けられるなら、どうか助けてください。ミウさん」


 そう言われて、美羽は笑顔になりながら、シアを見る。

その顔はシアはどうなのかと言っている。


 (ミウちゃんは、まだ小さいわ。そんな子に私たちの問題を押し付けるなんて。でも、この子を置いて、きっと私たちを救ってくれる人なんていないわ。それなら……)


 シアは思案顔だったが、やがてミウを見て立ち上がる。

それを見たアミも立ち上がった。


 そして、二人揃って頭を下げてシアが代表して言った。


「ミウちゃん、村のみんなは悪いことなんて、何もしていない平和な生活をしていただけなの。

こんな目に遭うなんて、理不尽だわ。

このままではみんな散り散りに売られて、もう会うことなんてできなくなってしまうの。

村のみんなは家族のようなものよ。どうか、どうか私の、私たちの家族を助けて」


 そう言うと、アミも続けた。


「ミウさん、私の友達も捕まっているの。お姉さんのような人もいるし、妹みたいな子もいるの。

私の大切な姉妹みたいな子達なの。どうか助けてください」

「「お願いします」」


 最後はシアとアミが声を重ねながら頭を下げた。


 それを聞いた美羽は満面の笑みになって一言言った。


「美羽にまっかせて!」


 そして、ドヤ顔になって薄い胸を叩くのだった。


 シアとアミはそんな美羽を見て、なぜだか安心した。


(ミウちゃんに任せれば大丈夫な気がするわ)

(ミウさんだったらきっと、みんなを助けてくれる)


 

「ねえ、それで、みんなはちゃんとご飯食べてるの?」

「商会にとって奴隷は商品だから、ある程度は食べさせられているのよ。

見栄えがいい方が高く売れるから」

「そっか、じゃあすぐに危険とかってわけじゃないんだね」

「ええ、餓死するってことはないわね」

「あれ? でもなんか二人とも痩せてない?」

「私たちはすでにジェフの奴隷になったいて、ジェフの意向で食事をあまりもらえなかったの」

「あいつ、本当に最低ね。お腹が空くってことがどれだけ辛いと思ってるのよ!」


 美羽がプンプン怒っている。

その様子が怖いどころかあまりにも可愛いので、母娘はにこやかな顔で見ている。

それに美羽は気づくと不服そうに言った。


「あー、なんか私を見て笑ってるー。なんでよー」

「ああ、ごめんなさい。美羽ちゃんがあまりにも可愛かったから」

「可愛いって……私、今怒ってたんだよ……」


 美羽の頬は赤くなり、声のトーンが段々下がっていき、最後は俯いてしまう。


 それを見て母娘はさらにニコニコしていた。


 しばらくして、落ち着いた美羽は二人の服を指差した。


「二人とも服を買いに行かないとね」

「そんな図々しいことできないわ」

「そうです。ミウさん」


 すると、美羽が差していた指を二人の下半身に向けていく。


「「?」」

「履いてないでしょ。下着」

「「!?」」

「ど、どうしてそれを?」

「だって、さっきアミが倒れた時に見ちゃったもん」


 アミが赤い顔になって、口をぱくぱくさせる。


「大丈夫だよ。女の子同士だし。それに、可愛かったよ」


 美羽が先ほどのお返しとばかりに言う。


 アミはゆでだこのようにこれ以上ないくらい真っ赤になり、美羽のことをポカポカ叩く。


「ミウさん! 意地悪です!意地悪です!」

「キャハハ、ごめんって」


 二人の戯れあってる姿を尻目にシアも一人顔を少し赤くしていた。


(もしかして、私もあんな大勢の前で見えちゃったのかしら)


 そんなシアの内心を知ってか知らずか、美羽がニヤニヤしてから真顔になり、シアに近づいて耳元にダンディ風の声でそっと囁く。


「大丈夫、シアのは俺しか見てないから。綺麗だったぜ」


 その瞬間、シアはボンっと音がしそうなほどの勢いで真っ赤になってしまい、美羽のことをペシペシと叩いた。


「〜〜〜〜〜〜!」

「キャハハ、シアちゃんもアミも真っ赤で可愛い〜」

「「いじわる〜」」


 通りにはしばらく3人の楽しそうな声が響いていた。



 その後、二人を連れて服を買いに行った。

美羽は可愛い服を選ぼうとしていたのだが、二人の希望で冒険者が着るような実用的な服になった。

美羽もついでに買おうと思ったが、小さくて冒険者のような服はないと言うことで、諦めた。


(そうだ、今度作ってもらおう)


 そして、今日のところは宿に帰って休もうかと通りを歩いていると、呼びかけられた。


「おい」


 シアとアミは振り返るが、美羽は振り返らずに歩いていく。

最もこの時点で、きんちゃんからの念話であらかじめ誰なのか聞いているので、あえて無視しているのだが。


「おい、おまえ!」


 美羽は振り向きもせずに歩き去って行こうとする。


 声の主は美羽を追い抜き、前に回り込んだ。

声の主はきんちゃんに言われた通り、猫のチャトを探していたノイだった。


「なんでむしするんだよ」

「私無視なんかしてないよ」

「むししてたじゃねえか。なんどもこえかけたんだぞ」

「そうなんだ。私、おいって名前じゃないし、誰のことか分からなかった」

「なんだと、あんまりちょうしにのってるとひどいめにあわせてやるぞ」


 ゴン!


「いてぇ」


 重く響くような音がした。


「こら! ノイ! 女の子になんて口の利き方してるんだい」


 美人だが肝っ玉かあさんといった風貌の女性が拳を突き出して怒鳴っていた。

今の音はこの女性がノイを殴ったようだ。

ノイは蹲って声も出せずに頭を押さえている。


 女性が美羽に向かってにこやかに言う。


「ごめんねぇ、このバカ息子。最近近所の悪ガキとつるんでから、腕っぷしは弱いくせに口ばっかり汚くなってしまって」

 

 美羽は首を傾げて言う。


「お姉さん、この子のお母さん?」

「あっはっは、お姉さんなんて嬉しいねぇ。そうなんだよ。この子の母親さ。お嬢ちゃん、チャトのいる場所を教えてくれたんだって?」

「うん、そうだよ」

「それはどうやってわかったんだい? いや、詮索する気はないんだけどね」

「集中すると、わかるんだよ」

「そうなのかい、すごいねぇ。ちなみに他にどんなことが分かるんだい? あ、ちょっと待ってね。ノイ! 先に帰ってな」

「なんでだよ、母ちゃん!」

「あんたがいると、ゆっくり話もできないんだよ。早く帰りな」


 しっ、しっ、とノイを追いやる。


「ちぇ、分かったよ。さきにいってらぁ」


 そう言うと、ノイはその場から去って行った。


 ノイがこの場から去ると、女性は何が目的なのか、矢継ぎ早に質問をしてくる。

美羽は首を傾げながら、質問に答える。


「結構色々分かるよ。誰が誰を好きだとか、この仕事はうまくいくかとか」

「泥棒とかも分かっちゃうのかい?」

「それもわかるよ」

「それはすごいね。占いみたいなものかい?」

「うん、占いって言ってもいいかな」

「それじゃあさ」


 女性は一度言葉を止めた。その時には今までとは打って変わって、真剣な目になっていた。

そして、意を決して言い出した。


「私の旦那を殺した奴はわかるかい?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ