第45話 カフィ卒倒
投稿し忘れが発覚しました。
35話司祭の前の34話を忘れていました。
割り込むことができませんので、「35話司祭」を34話35話の合併エピソードとします。
この話をリアタイで見ていただいている方は見れていないはずですので、もしよかったら、戻ってお読みください。
「34話リリとルル 35話司祭」というエピソードに変更しています。
34話は本編の線が引いてあるところまでになります。
リリとルルはこの話の次のエピソード「騎士学校」の回で出てきてしまうので、混乱してしまいますし、
他にもこれから再び出てくるキャラもいます。
ですので、そこだけでも読んでいただけたら幸いです。
せっかく読んでいただいているのに申し訳ありませんでした。
翌日、ルッツ邸から美羽が市場に向かおうとすると、サシャがついてきた。
「どうしたのサシャ」
「私はミウ様のメイドですので、ついていきます」
「だめだよ、サシャ。ここでお仕事があるでしょ」
「そうよ、サシャ。あなたはお屋敷で雇われているのよ。ミウ様につくのはミウ様がお屋敷に来た時だけよ」
「メイド長……うう、ミウ様ぁ〜」
美羽だけでなく、メイド長のメリンダにまで嗜められてしまい、捨てられた子犬のような顔をするサシャ。
「たまに遊びにくるから、大丈夫でしょ」
「でも、ミウ様ぁ」
「もう、しょうがないなぁ。そうだ、抱っこして」
「はい! ミウ様」
言った瞬間、驚くほどの速さでサシャが美羽に飛びつき抱き上げる。
「きゃあ」
「ミウ様ぁ〜」
「ふう。もう、しょうがないんだから。いい子いい子」
美羽が抱っこされたままサシャの頭を撫でる。
「ハァ〜、ミウ様の匂いを嗅ぎながら、撫でられるなんて、幸せ〜」
そこにレーチェルが頬を膨らませて抗議する。
「もう、サシャ。わたしだっておねえさまをまってますのよ」
「お嬢様……、もう少しだけ」
そう言いながら、なかなか放さないので、ついにメリンダに叱られ、渋々美羽を放した。
サシャから解放されると、レーチェルがやってきた。
今日の美羽とレーチェルは髪型も服装も似ている。
美羽は桜色の長い髪をひとまとめにしてポニーテールにし、服装は昨日買った水色のセーラー服だ。
レーチェルもライトブラウンの長い髪をポニーテールにして美羽と同じセーラー服を着ている。
そんな二人を見て、ジョディが言った。
「まあ、本当に二人は姉妹みたいねぇ」
「おかあさま、おねえさまとしまいなんてうれしいですわ」
「私も嬉しいよ、レーチェル」
そう言って、レーチェルに抱きついた。
「きゃー、おねえさま。うれしいですわ。それにいいにおいですー」
「クンクン、レーチェルもいい匂いだよ〜」
「は、はずかしいですわ。そんなにかがれると」
「ええー、いいでしょ。レーチェルだってかいでるんだからー」
「もう、おねえさまったら」
レーチェルは顔を赤くしているが、離れようとしない。
二人のやりとりを見て、カフィ自身何故かわからないが、ドキドキして顔を赤くしてしまった。
(昨日はタキシードを着てまで覚悟を決めたのに、何も言えなかったんだから、今日こそは言わないと。
今度二人きりでデートに行こうって)
昨日のタキシードはデートに誘うための正装だったようだ。
そういえば今日もタキシードとまではいかないが、貴族の子息の着る正装になっている。
カフィは手を一回握り、開いてから、決心して前に出た。
「ミウさ」
「おねえさま、いつうたいますの?」
(えー、レーチェル、なんで邪魔するんだよぉ〜)
心の中でレーチェルに抗議するカフィ。
「うーん、今日は午前中治癒院で治癒をするから、午後には広場で歌いに行こうと思うよ」
「それでは、わたしもごぜんちゅうからちゆいんをおてつだいにいきますわ」
「うーん、それなんだけどね。やっぱり怖そうな男の人とかくるから、レーチェルは危ないんだ」
「そんな、わたしおねえさまのおやくにたちたいですのに」
「だからさ、午後から歌のほうに来てよ。レーチェルが隣にいてくれれば嬉しいから」
「は、はいっ! わかりましたわ」
レーチェルに先を越されて、すっかり気勢を削がれた、カフィがボケっとしていると、美羽と目があった。
「それで、カフィはなんか言おうとしてた?」
「はっ、い、いえ、あ、あの、僕と」
カフィの声が裏返っていた。
その様子に美羽が首を傾げてカフィを見つめる。
カフィは美羽の美しい瞳に完全に飲まれてしまった。
言葉が出てこない。
「何?」
その様子を見ていたジョディが内心で応援する。
(あらあら、カフィ、頑張りなさい)
カフィは脂汗をダラダラと流している。
まだ、何も言葉が出てこない。
その様子を美羽が不審に思った。
「大丈夫? 様子が変だから、治癒をかけるね」
美羽は普段相手に手を触れないで治癒をするが、今回はなんとなくカフィの手をとった。
その瞬間、カフィの血が全身を駆け巡って真っ赤になり……。
バターン
後ろにひっくり返って目を回した。
これには美羽も驚いて声を上げた。
「ちょっと! カフィ?」
「あらあら、大変。メリンダ、部屋に運んでちょうだい」
「かしこまりました、奥様。おぼっちゃまを運びなさい」
しかし、ジョディもメリンダも冷静に指示を出している。
運ばれていくカフィを心配そうに美羽が見ていると、ジョディが言った。
「大丈夫よ。すぐに気がつくはずだから」
「どうしちゃったのかな?」
「うふふ。あの子も男の子だってことよ」
「???」
そんな様子を見ていたレーチェルが一言
「おにいさま、きのうからへん」
そう言って首を傾げていた。
「行ってきまーす」
「「いってらっしゃーい」」
「「「「行ってらっしゃいませ」」」」
残った人々で、美羽を見送った。
そして、屋敷に戻ろうとしたジョディが一言。
「あなた……、いたのね」
「う、うむ」
すっかり空気になっているルッツ貴族家当主モーガンが寂しげにしていた。




