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女神様の使い、5歳からやってます  作者: めのめむし
第3章 帝都編1

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第42話 勇者召喚

 仲直りした二人は(美羽にはそんな気は最初からなかったが)楽しくお茶会をしていた。

二人きりなので、普通なら向かい合って座るが、クララが美羽のすぐ隣に席を移動している。


「ミウちゃん、このお菓子も美味しいよ」


 甲斐甲斐しく、美羽にお菓子を取り分けるクララ


「ありがとう! うん、美味しいね」


 嬉しそうに笑顔で食べる美羽。


「うふふ、そうでしょう。ミウちゃんのために取り寄せたのよ」

「うわぁ、嬉しいな」

「これも変わった味だけど、美味しいよ」

「えー、どんな味だろう」


 きゃっ、きゃっ、と盛り上がる二人を見て侍女達は小声で話す。


「クララ殿下のあんな顔、初めて見ました」

「そうねぇ、元々はよく笑う方だったのだけど、心を許せる相手がいなくて、次第に人前では笑わなくなってしまったのよ」

「対等でいられる立場の方っていませんものね。その点、御使い様なら立場は殿下より上だから、御使い様さえあのような態度で接していただければ、楽しくいられるのですね」

「ええ、御使い様がきてくださって、本当に良かったわ。殿下のあんなに嬉しそうなお顔を見られたのですもの」


 クララが生まれた時からお付きになっている侍女は嬉しそうに話す。


「御使い様にお会いした日から、御使い様の話ばかりしていましたものね」

「そうなのよ、ミウちゃんミウちゃんって何度もお話を聞かせていただいたわ」

「神気を入れていただいたというペンダントのご自慢もたくさんいただきました」

「ええ、そうね。ミウちゃんがいつも守ってくれるのって、喜んでいたわね」

「ご入浴の時も外そうとしませんでしたよ」

「そうなのよねぇ。今までは外していたのに、ミウちゃんと一緒に入るって、外さなかったわね」


 いつの間にか、美羽は侍女達の話に耳を傾けて、クララは恥ずかしさで真っ赤になってしまっている。

たまらずクララが叫ぶ。


「もう、そんな話しないで!」


 次女の方を向きながら、そう叫ぶクララはちらっと美羽の方を見る。

美羽は満面の笑みになっている。


「うふふ、クララってば、そんなに私のことが好きなんだぁ」


 クララはさらに顔を赤くして早口で言う。


「い、いいでしょ。あなただって私のこと好きなんだし。

そ、それにペンダントは……そ、そう。身を守るためよ。

皇族たるものいつ誰に狙われるかわからないわ。

だ、だからいつもして有事の際に備えているのよ」


 美羽がニヤニヤしてクララを見つめている。


「な、何よ。もう」

「ありがと」

「ふぇ」


 予想外の美羽の言葉にクララの口から間抜けな声が出てしまう。

美羽はにっこりしながらもう一度言う。


「ペンダント大切にしてくれてありがとう」

「そ、それはそうよ。元はと言えば、お母様にいただいたものだし、大切にするのは当然よ」

(あ、こんな言い方したら、ミウちゃんに神気をもらったことを感謝してないみたいじゃない)


 クララが、言葉を間違えたと、言い直そうとすると、


「それに私のことを大事に思ってくれてありがとう。嬉しいよ」


 クララは胸の奥がジーンと温まってくるのを感じた。


「私だって嬉しいよ。それにペンダントだって、本当はミウちゃんに神気を入れてもらったから、いつも持っていたいだけなの」

「うん、わかってるよ」


 美羽が微笑んだ。

その微笑みにクララは見惚れて、しばらく見つめてしまった。


 侍女達はそんな二人を見て、ハンカチでそっと目元を拭った。



 お茶会を終えた美羽は、控え室に戻った。

するとメイドのサシャが出迎えてくれた。


「サシャ、みんなは?」

「旦那様は報告や打ち合わせがあると言うことです。

奥様はお茶会に出掛けております。

レーチェル様は先ほどまで起きていたのですが、謁見の疲れでお休みになっております。

カフィ様はお手洗いに行っております」


 そうサシャが美羽に報告すると、カフィが戻ってきた。


「美羽様、お戻りになっていたのですね。私と少しお話をしませんか?」

「うーん、きんちゃんと少し話さないといけないことがあるから、また後でね」

「そ、そうですか」


 カフィがしょんぼりとする。


(ちょっと、かわいそうなんだけど、最近ますます苦手というか、あまり近づきたくないのよね。

私を見る目が少し怖いのよ)


 事実、カフィは美羽が気になってしまい、いつも美羽を見ている。

その目が獲物を狙うような目になっているのは本人は気づいていない。


 美羽はバルコニーテーブルにつき、きんちゃんを目の前に置く。

サシャがお茶を持ってきてくれた。


「ありがとう、サシャ。下がってていいよ」

「かしこまりました。ミウ様」


 サシャが下がったら、美羽が神気結界を張った。


「きんちゃん、いろいろ情報収集してくれたみたいだけど、何かある?」


 きんちゃんは帝都に来てから、ちょこちょこ美羽のそばを離れて、情報収集をしていた。

と言っても、きんちゃんが直接話を聞くことはできないから、透明になった上で気配遮断の魔法を使って、噂話を聞いたり、皇城や貴族の屋敷に忍び込んだりするという行動に限定していた。


「まずは、クララを誘拐していた人身売買組織は騎士団が潰したようです」

「ああ、あれね。良かった。もう子供が攫われなくて済むんだね」

「ええ、きっかけになった美羽様には追加で恩賞があるでしょう」

「うふふ、レーチェルを誘って何か美味しいものを食べよう。クララは来れるかな」

「クララは街に出るのは難しいかもしれませんが、美羽様が誘ったら変装してくるかもしれませんね」

「そうだね、楽しみ!」

「それと、気になる話がありました」

「何?」

「帝都セセララビから1000キロほど行ったところに、トレハミア王国というところがあります。

その国が、勇者召喚に成功したそうです」

「勇者召喚? フィーナちゃんにもらった知識にあるけど、召喚される時に大きな力を身につけるとかいうやつ?」

「そうですね。その通りです」

「この世界では何十年かに一回くらいはやってるみたいだね。失敗することも多いようだけど」

「そうですね。召喚するのに多大な資金と膨大な魔力が必要なので、簡単にはできないようなのですが、魔族の侵攻であったり、他国との戦争であったりと言った理由で、勇者召喚は定期的に行われているようです」

「そうなんだ。勇者ってどんな人なんだろう」

「男性ということくらいで、人となりはわかりませんが、召喚された時は大怪我を負っていたそうですよ」

「大怪我? 勇者なのに?」

「なんでも凶悪な殺人鬼と戦っていたとか」

「ふーん。でも、本当はその人が凶悪な殺人鬼だったりして」


 女神レスフィーナに脳力を上げられた時に身についた、美羽の直感は優れている。

神気を使った時は未来予知も可能になるのだが、それをしなくても普段から直感で行動することに間違いはない。


「そうですね、それはわかりませんからね」

「だよね。人は何をするかわからないからね」

「それとは関係ないですが、どうやら二重召喚のようですよ」

「どういうこと?」

「召喚された世界でも召喚されていたっていうことです」

「そうなんだ。それはちょっと同情するな」

「まあ、でも召喚された世界では死にかけていたっていうことですから、この世界に召喚されてラッキーと言ってもいいでしょう」

「確かに。でも、私には関係ないかなぁ。1000キロも遠くなんでしょ?」

「実は、このマーヴィカン帝国の要請で、近く勇者が来るそうですよ」

「え? そうなの? トレハミアが召喚したのは必要だったからじゃないの?」

「それが、トレハミアは召喚できる実力を持った魔導士の力を示したかっただけで、何か困っていたわけではないようです」

「それで、召喚される勇者も災難だね」

「その通りですね。それで、属国にも力を示しておきたいマーヴィカン帝国は大量の金貨と引き換えに勇者を引き取ったそうです」

「なるほど。じゃあ、勇者が来るんだね」

「いつ来るかはまだ分かっていませんが、近いうちに来るとのことです」

「名前とかもわからないの?」

「フルネームは分かりませんが、レンとか言うそうです」

「ふーん、勇者レンって感じかな。なんか嫌な予感がするのは私だけかなぁ」

「美羽様は直感も優れていますから、そう感じるなら気をつけて様子を見ましょう」

「そうだね。そうしよう」


 その後、さまざまな情報をきんちゃんから聞いた美羽だった。






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