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女神様の使い、5歳からやってます  作者: めのめむし
第2章 辺境編

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第26話 身体強化

 翌早朝、美羽たちは出発の馬車の前に集まっていた。


 見送りに冒険者ギルドから、ギルドマスターと副ギルドマスターのスウリとユミィとコニーが来ていた。

美羽はギルドマスターから、貸し一つである、便宜を図れと言う指示書を受け取る。


「これがあれば、大抵のギルドでは思い通りに動いてくれるはずだ……です」

「? 変な話し方」

「いや、御使い様と分かったからな……です」


 美羽は変な話し方だとは思うが、喋り方を戻していいとは言わない。

男には散々、酷い目に遭わせられているから、気を許したくないのだ。


 次にスウリがやってくる。


「ミウちゃん、私もいっしょに行きたいけど、仕事があるから行けないの」

「仕方ないよ。また遊びに来るからね、スウリちゃん」

「うん、待ってるね。それと、帝都には悪い奴も多いから、気をつけてね。

ミウちゃんは可愛いから、気を抜いたら、すぐに攫われちゃうわよ。

危ないと思ったら、すぐに逃げたり力を使ったりして身を守ってね」

「うん、分かったよ」

「あ、私もミウ様って言った方がいいかしら」

「今までのままでいいよ。スウリちゃん」


 美羽が笑顔で言う。それに釣られて、スウリが笑顔になる。


「ああ、もうミウちゃん可愛い。やっぱり帝都に出向しようかしら」

「ふふ、無理しないでね」


 そう言って、美羽はスウリに抱きつく。

スウリはびっくりして、体をこわばらせるが、すぐに美羽の体を抱きしめ返した。


「うー、離したくないよぉ」

「キャハハ、スウリちゃんってば」


 それをみているグインが1人つぶやく。


「スウリはこんなキャラだったか? 美羽様と話す時は言葉遣いまで変わっている気がするが」


 スウリから離れた美羽は、ユミィとコニーを見る。

すると、2人が早速抱きついてきた。


「ミウちゃーん、行ってほしくないよぉ」

「ミウちゃん、ずっとこの街にいなよぉ」

「ごめんね。いろんなところに行きたいから、とどまっていられないんだ。2人が帝都においでよ」

「私たちの実力じゃあ、移動はあまり効率が良くないの」

「でも、もっと強くなったら、ミウちゃんに会いに行くからね」

「うん、待ってるね」


 モーガンが近づいてきた。


「ミウ様、そろそろ出発しないといけません」

「分かった。それじゃあね、みんな」

「ミウちゃんまたね」

「ミウちゃん、会いに行くからね」

「ミウちゃん、元気でね」


 美羽が乗り込んだ馬車は走り出した。

見送りに来ていたスウリとユミィとコニーはいつまでも見ていた。

3人とも泣いている。


 数日しか付き合いのないスウリとユミィとコニーだったが、美羽との別れに涙が出るほど悲しみを覚えるのは、美羽が単に可愛かったのもあるが、美羽に備わっている神性に魅了されていることも原因の一つだった。



 ポンテビグナから帝都セセララビまでは馬車で6日の日程である。

5歳と4歳の子供にとっては苦痛の期間になる。


 最初のうちは美羽が「アルプス一万尺」などの手遊びをレーチェルに教えて遊んでいた。

しかし、それにも飽きてきてしまうと、退屈になってしまった。


「きんちゃん、暇だねぇ」

「そうですね。それでは、外を走ってはいかがですか?

ゴブリンの調査の時に体力と走力はかなりついたので、全力で走れば、馬車と並走することもできるでしょう」

「ああ、そうかぁ。強くなる必要あるしね。走るよ」

「おねえさま、おそとをはしるのですか?」

「うん、退屈凌ぎになるしね」

「わたしもいっしょにはしれませんか?」

「うーん、レーチェルは私が回復しても、馬車についてくるスピードが足りないかなぁ」

「ダメですか?」


 レーチェルが落ち込んだように言う。

そんな姿を見ると、なんとかしてあげたくなる。


「きんちゃん、何かいい方法ない?」

「それでしたら、美羽様が身体強化魔法をレーチェルにかければどうでしょうか? 身体強化魔法の練習にもなりますよ」

「ああ、そうか。それだったらできるかな。でもちょっと練習したいかも。レーチェル、ちょっと練習してからね」

「はい、おまちしてます」

「あれ、でもきんちゃん。神気でも身体強化できるよね。そっちの方が強いはずなのに、なんで魔法なの?」

「美羽様は治癒をかけ続けるので、2重で神気を使うのは無理があるかと判断したのです」

「そっか、それじゃあ身体強化魔法にするね。モーガン、身体強化魔法をうまく使えるようになったら、レーチェルも外を走らせてもいいよね」

「はい、ぜひ鍛えてやってください」

「ありがとうございます。おとうさま」

「よかったね、レーチェル」

「はい!」


 レーチェルが嬉しそうに笑う。

この笑顔を見ると、やはり正解だったと思う。


 それから、美羽はそとを走りながら、神気で治癒を自分にかけ続け、身体強化魔法をレーチェルにかけた。


 すぐに身体強化魔法のコツを掴んだために、今度はレーチェルを走っている馬車から、女神の手で引っ張り出した。


「キャハハ、おもしろいです。おねえさま」


 女神の手で空中に浮かぶことを楽しんだレーチェルは地面に足をつくなり、走り始めた。

美羽の莫大な魔力で行う身体強化はとても強い。

4歳のレーチェルも馬車と並走するくらいは余裕でできた。


「おねえさま、わたし、はねのようにかるいです。こんなにはやくはしれますわよ」

「うん、すごいねぇ。レーチェル。身体強化されると、体の動かし方に慣れるのに時間かかるはずなのに、もう使いこなしてるね」

「おねえさまのおかげですわ」


 レーチェルがぴょんぴょん跳ねながら、馬車と並走している。

速さでは身体強化を使っているレーチェルの方が使っていない美羽よりも早い。

美羽はついて行くのでやっとだ。


「おねーさまー。こっちですよー」

「待ってぇ、レーチェルー」

「うふふ、まちませんわー」

「ふーふー、速すぎてこの強さの治癒では追いつかないわ。もっと治癒を強くしようかな」

「美羽様、そのままで維持してください。心肺機能の強化ができますので。

治癒はあくまで走り続けられる程度にしてください」

「ひー、ひー。レーチェルが来たら、きんちゃんがスパルタになった」

「これも、美羽様のためですので」

「分かってるよー。私頑張る」


 美羽は息も絶え絶えにガッツポーズをする。

レーチェルは美羽の仕草を見ると嬉しくなる。


「きゃー、おねえさまかわいー」


 レーチェルは美羽を見て喜んでいるが、ひーひー言ってる美羽は気にする余裕はない。

じゃれつくレーチェルに返す余裕もなく、必死で走る美羽。


 その様子を馬車の中から、ジョディとモーガンが眺めている。


「レーチェルの体力もつきそうね」

「そうだな。レーチェルの運動能力は元々高いから、成長を期待できるな」

「ミウちゃんのおかげね」

「そうだな。ミウ様はレーチェルにいい刺激を与えてくれるな」


 2人は喜んでいたが、嫉妬の目で見ているものが1人。


「レーチェルばかりずるい。僕だって、ミウ様といっしょに走りたいのに」


 カフィだった。

美羽に拒否されるのが怖くて、自分も身体強化のお願いをできなかったのだ。

もっとも、今の美羽には1人しか強化できないので、言えたとしても結局断られることになるのだが。


 仲良く走る、美羽とレーチェルを複雑な顔で見ているカフィだった。

読んでいただき、ありがとうございました!第二章はここまでになります。もしよろしければ、感想や評価をお聞かせいただけると嬉しいです。皆さんの反応が励みになりますので、よろしくお願いします!

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