表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様の使い、5歳からやってます  作者: めのめむし
第2章 辺境編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/156

第16話 Cランク

美羽は、冒険者ギルドに来ていた。


 受付で座っているショートカットの女性に声をかける。


「こんにちは」

「あら、こんにちは。可愛いお客さんね。なんのご用かしら?」

「スウリちゃんに会いに来たの」

「副ギルドマスターに? 約束はしてあるのかしら?」

「昨日途中で別れちゃったから、してない」

「それじゃあ、取次はできないの」

「え〜、昨日約束したんだよ。ゴブリンを倒したら、お金くれるって」

「え、ゴブリン? もしかして、ゴブリンを殲滅した幼女って、あなたかしら?」

「うん、ゴブリンいっぱいやっつけたよ」

「まあ、あなたなの? そんなことできるように見えないわね。とにかく取り次ぐから、ちょっとまっててね」

「はーい」


 受付嬢が奥に消えていった。

美羽はきんちゃんに話しかける。


「そんなことできるように見えないだって。きんちゃんがやったんだもんね」

「私がやったことは、全部マスターである美羽様の功績ですからね」

「そう言うけど、私は全然強くないよぉ」

「美羽様はこれから強くなっていけばいいので、気にしないでください」


 すぐにスウリが出てきた。


「やあ、美羽ちゃん」

「こんにちは、スウリちゃん」

「昨日の報酬の件だね。奥の部屋で話そう。着いてきてくれるかな」


 部屋に案内されると、ソファが置いてあり、ギルドマスターのグインが座っていた。


「おお、美羽。昨日はありがとう」

「うん、いいよ。そういう約束だしね」

「おう、そうか。大人みたいだな。まあ、そこに座ってくれ」


 美羽とスウリが座ると、グインが話し始めた。


「早速だが、昨日の報酬を渡そう。まず治癒だが、17人直してもらったが、それには少ないが色をつけさせてもらう。

金貨2枚だ。

ゴブリンを倒した報酬は全部まとめて金貨50枚でどうだろうか」


(全部まとめてなんて、わかりにくいけどまあいいや)

「うん、わかった。それでいいよ」


 本当は、街を救ったのだから、もっと多くても良さそうだが、ギルドもお金が厳しいと言っていた。

あまり欲張っても仕方ないので、それで納得した。

1人ならしばらく生活もできる。


「ありがとう」


 グインも文句を言わないで納得してもらったことに礼を言う。

今はギルドには本当にお金がないのだ。


 金貨はきんちゃんに異空間収納にしまってもらう。

 それを見て、グインが驚いた。


「そ、それはマジックバッグではないのか?」

「ううん、これはきんちゃんの魔法。異空間収納っていうの」

「どれくらいしまえるんだ?」

「いくらでも?」

「なんで疑問型なんだ?」

「だって、どれくらい入るかやったことないし」

「そ、そうか」

「じゃあ、もういくね?」

「あ、待ってくれ」


 美羽が立ち上がって、帰ろうとするのをグインが慌てて止める。


「実はな、別件で森に入っている連中が大勢いてな、この街には冒険者があまり残っていない。

残っていても、低ランクのものしかいなくてな」

「? それがどうしたの?」

「美羽、頼みがあるのだが」

「頼み?」

「ああ、領主様からゴブリンたちのいた巣の調査を依頼されたんだ。

その調査に向かうのに、今の残った面子では不安があってな。

美羽にも行ってもらいたいんだ」

「何すればいいの?」

「ゴブリンの残党がりは、今のものたちでなんとかできると思うのだが、対応できないような個体がいたら、それを倒して欲しいことが1つ。怪我をしたものがいたら、それを治癒してもらいたいのがもう1つだ」

「でも、私、冒険者じゃないよ。5歳だし、冒険者ってそんな歳からなれるの?」

「いや、普通はなれないな。冒険者の最低年齢は12歳からだからな」

「普通は?」

「そうだな。特例を使えばギルドマスターが認めた実力のあるものを冒険者にすることもできる」

「5歳でも?」

「いや、普通はせいぜい10歳くらいだろうな。それだってほとんどない。冒険者はそれだけ危険だからな」

「ふーん、じゃあダメなんじゃないの?」

「いや、今回は特別に認めることにする。本当に君の力が必要なんだ」

「うえー、面倒くさい」

「まあ、そう言わないでくれ。君のランクはCランクとするよ。

ゴブリンキングを単独討伐する実力を考えると、もっと上でもいいんだが、あまり高いランクにしてしまうと、色々と批判されることも多いと思うからな」


 美羽の知識と直感が警鐘を鳴らす。

美羽の脳裏に「Cランクのデメリット」という言葉が浮かび上がる。


(Cランクのデメリット?か。聞かないとね)

「それで、どんなデメリットがあるの?」

「デメリットと来たか……そうだな、まず緊急招集には特別な理由がない限り従わなければならない」

「それで?」

「ギルド長権限の依頼は遂行しなければならない」

「他には?」

「特別な事情がない限り、一定以上の依頼をこなさなければならない」

「まだある?」

「いや、大まかにいうと今のような感じだな。メリットもあるから話す」

「ううん、いいよ。冒険者にはならないから」

「やってくれないのか?」

「やらないよ。そんなデメリット。大人に利用されるだけじゃない」

「ぐぬ。いや、メリットもあってだな」

「そのデメリットがある限りメリットを聞く必要なんてないよ」


 美羽はグインの顔を見て、にっこりと微笑む。


「私ね、もうわかってると思うけど、変わった力を持ってるの。それを誰かに利用されるのだけは避けたいんだ。

私の力は私のためだけに行使するの。でないと、楽しめないでしょ。それだと約束を破っちゃうから」

「約束?」

「あ、こっちの話。じゃあ、もういいかな?」

「ちょっと待ってくれ」


 美羽は嫌そうな顔をしながらグインを見る。


「まだ何かあるの〜?」


 美羽はあからさまに顔を顰める。


「そんな顔をしないでくれ。提案がある」

「何?」

「ギルド長の特権で全てのデメリットをなくすと言ったらどうだ?」

「そんなことできるの?」

「できる。ギルド長にはそう言った判断も任されている。ギルドカードに特約として明記すれば機能する」

「そこまでして、ギルドに得があるの?」

「正直に言えば、かなりある。現状で治癒を使えるものは少ない。それもあの数の怪我人をあのレベルで治癒できるものはほとんどいない。そんな治癒士をギルドに入ってもらわないで放置する方が、デメリットをなくすよりも問題だ。」

「なるほど。それなら考えてもいいかもなぁ」

「そうか、入ってくれるか?」

「メリットも聞いてからね。それと、後で、そんなこと言っていないとか言わないでしょうね」


 すると、それまで黙っていたスウリが口を開いた。


「美羽ちゃん、こう見えて、グイン、ギルド長は信用できる人間だ。約束したことはまず破らないと私が保証するよ」

「そうなんだ、スウリちゃんがいうなら信用してもいいかな」

「私のことを信用してくれてもいいんだぞ」


 グインが情けない顔をして言う。

しかし、美羽はキッパリと答えた。


「私、大人の男は信用しないことにしているの。いつ裏切るか分からないよ」

「その年で……何かあったのか?」

「言う気はないよ」


 美羽の目が鋭くなる。

 それに合わせてその場の空気が重くなる。

グインは目の前の幼女の迫力に呑まれてしまう。


(よっぽどのことがあったのか。触れない方がいいな。こちらは治癒士と魔法使いとしての力を借りられればそれでいい)

「詮索してすまなかった。それではメリットを話すな」


 グインがいうには冒険者には特典がある。

まず、ほとんどの街で入るときに税金を払う必要がない。

冒険者ギルドで素材などを売ると、優遇される。

ゴブリンなど狩っても、通常は金にならないが、ギルドに登録をして討伐の証拠を出すと、討伐報酬がもらえる。

ランクによって、貴族になれる場合がある。

などなど


「他にも色々あるが、そこはギルドの規約を読んでくれ」


 ギルドランクはFランクから始まってAランク。特例でS、SSランクというのもある。世界でもそれほど多くない。

それぞれのランクにはランクに応じた試験がある。

ランクアップの試験の資格を得るには一定の依頼を受けなければならない。

依頼には推奨ランクが設けられているが、受けるのはどのランクのものでも良い。

ただ、上のランクを狙って失敗すれば、ペナルティがつく。

あまりひどいと、大きな重いペナルティになる。

推奨ランクの場合でもペナルティがつく時があるが、それは慎重に判断される。

冒険者を証明するカードは、更新することで最新の情報に書き換えられる。

その情報は冒険者ギルドの魔道具に登録がされるので、世界中どこのギルドでも使うことができる。


「まあ、そんなところだな」


 グインがそう言ったと同時に今までどこかに行っていたスウリが部屋に入ってきた。


「ミウちゃん、これがギルドカードだよ。無くしたら、銀貨1枚かかるから無くさないようにね」

「ありがとう」


 渡されたカードを見ると、Cランクと書いてある。

職業欄には治癒士と書かれている。

従魔と書かれている欄もあって、そこにはきんちゃんと書かれていた。


「スウリちゃん、従魔って何?」

「使役している魔物のことだよ。きんちゃんみたいに魔法生物という欄はないからそこに書かせてもらったよ」

「そうなんだ」


「それでは、依頼に関しては、下の階で同行するスウリが話してくれる。1時間後に集まってくれ」

「はーい」


 冒険者ギルドを出た美羽は、今のうちに教会に行こうと、街に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ