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僕の勝手気ままでアンオフィシャルなものがたり考  作者: 南瀬匡躬


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8/9

バックグランドとしての日欧の「神話」

 このエッセイでは直接影響を受けた星新一さんや眉村卓さん、筒井康隆さんなどのSFの話には触れてきたのだが、実際の物語の嗜好性や世界観を醸し出している「バックグランド」についてはあまり書いていないので今回はその辺を適当に薄っぺらくなぞって行きたい。



 僕の物語の多くは、「神話」や「歴史」という興味の対象でもあるバックグランドによって育まれている。それが物語の展開などにも大きく役立っている。勿論、大学時代に神話の授業も結構履修もしていたし、中学時代は呉茂一さん、山室静さんの文庫本をそこそこは読んでいた。……というと何か文芸研究家みたいで格好良いように思われるが、種明かしをするとこれらの本を知った元ネタなのはマンガだ(残念~)。小山田いくさんというマンガ家の『すくらっぷ・ぶっく』やそのほかの作品、青春物語のマンガだった。僕はあまり自分をあげるのは(しょっているとか格好付けると言う意味です)、好きでは無い。そもそもがダメな人間なので、あまり自分を着飾って言わないようにしている。世の中には、いまでもマンガを格下にみている人もいるのだが、あえてマンガが最初の出所と言っておく。事実という意味で。最初に興味を持ったのはそのマンガの欄外、コマ外に記された引用文だった。

 それらが気になって、参考文献に載っていた元ネタの文庫本を読み始めたのが最初なのだ。この作品から三つの主軸、「1自然」「2神話と歴史」「3星座と宇宙」を本で学んだ。そして自分の世界観を本屋と図書館によって発展させた。あともうひとつの「4旅と地域性」は、だれからも影響されていないので、多分僕の自発的なバックグランドなのだろう(いや松本零士さんの『銀河鉄道999』なのかな? いやそれも見当違いのような気もするなあ)。


 だから今でもその系譜に近いマンガは好きである。例えば『ゆる△きゃん』や『アルテ』などである。自然と親しむ世界とヨーロッパの歴史文化、あと天文趣味はその後マンガではなく、星座の本を読みあさり、ローマ神話と繋がって行き、その延長線上に続いた感じだ。おかげで大学院まで行ってヨーロッパ史を学んで学位までとってしまった。でも今や何の役にもたってない。使いこなせていないのだ。思えば学費の無駄だった’(僕にとってはね。世の中にはちゃんと活かせている人もいますよ・笑)。


「日本神話」は祖父母と多くの時間を過ごしていたので、基礎は自然と身についた。それを発展させて自分で『古事記』の口語訳本や本居宣長の本を眺めていた結果探究心が付いた。そして御朱印を頂きがてらの神社めぐり、散歩という足を使った歴史探索の賜物である。


 さてそんな役立たずな勉強ばかりをして来た自分に遺憾砲を飛ばしていても仕方ないので、僕の創作する物語の中でのバックグランドとしての「神話」の役割について少し深掘りだ。

 そもそも僕の描く物語は「美しい(と自分で思っている)オチ」と「純粋な心象風景」を自分の美学要素、モットーにしている。自然、神話、宇宙、旅情はついて回る基本概念だと考える。無論自己満足である。所詮たいした物語ではないにしても、でも僕の創作する物語のそこにもバックグランドはある。そしてあえてそこに当てはめながら物語を紡ぐ。


『時神と暦人』は荘園という歴史制度と伊勢神宮という聖地を中心にしているが、意外に神社の縁起や由来、神さまの持つ御利益とご神威も根拠にしている。僕の神社好きは、亡き祖父母のおかげである。最初の定期的なお祭りは、産土さまの住吉さまだったけどね。その後子安社、八幡社などを調べて、伊勢に辿り着いたのが三十歳手前、長いインナージャーニーだった。ただしこの作品には神さま自体はあまり登場しない。たまに時神さまという架空の神さまが出現するが、それを見ているのは神使である付喪神たちだけで人間からは見えていない描写にしている。


 こういった物語の流れに欧州の神話を入れて創作してみようとなったのが、『ローマ神はいつも気まぐれーロマンティックなSFラプソディ短編集ー』である。こっちは完全に神さまがおいでになり、願いを叶えるという現代版の神話もどきの創作物語である。だけど僕らしくSFテイスト、ドタバタテイストもちゃんと残している。この作中でも言っているが、「ロマンティック」という言葉の語意は二つの意味があり、現在の使い方の他に、歴史上で使われている信仰や学問に荘厳で崇高な意味である「ラテン的」という言葉の対義語である世俗の自由な文化という形容として「ローマ的」という意味の方も意識した感覚で物語を作っている。

 ただギリシアのことはあまり分からない僕はローマ神を中心にまとめている。……が、星座の物語はギリシアをベースにまとめた本が多いので、希に表記揺れは出る。ローマ側の名称や信仰が僕の調べた範囲で出てこないモノもあるからだ(近年、時間もお金も無く、もともと面倒くさがりな僕は、当然外書にはあたってないので薄ぺっらい知識でスミマセン)。でも神さまの名称はなるべく英名を優先して使っています。これはかつて宇宙天文用語で覚えたモノが僕の脳内で一番馴染みやすいから。例えばユピテルはジュピター、ユノはジュノーって感じね。でも世間での双方の周知度がトントンの時は、英羅名を同等に扱ってローマ名の併記や説明文の追加などをするようにしている。


 他にはギミックやアイテムとして絵画を使うときもあるが、これはヨーロッパ史を学んできたおつりのような物。文化史の系譜には文学史と同様に「ー主義」や「-様式」という様式論を軸とした時代区分をする考察方法があるので、それを絵画に当てはめたまでだ。九十年代にルーブル、オルセー美術館やら大英博物館やらに行って、ただ観てきただけではもったいないので、少しだけ予習復習として学んできたもののおつりとも言える。所詮これも趣味の産んだなんの役にも立たない遺産である(これまた活かせている人はいるので、僕にとってと言う意味だ・笑)。


 作品のバックグランドに知識や世界観をお持ちの方で、宝飾やファッション等のブランド名やその企業の歴史、生地や布の材質の名称などを知っている人のことを僕はちょっと羨ましく思う。あるいは、長い船旅の経験者や飛行機のファーストクラスの機内の様子などを知っている人もうらやましい。そう、一般の人があまり知らない空間を知っているというのは、それだけで利点なのだ。描けるバックグランドや物語の舞台の幅が広くなり。色々な物語を描く力になる。知らない世界をしっかりと描けるのは知っている人だけの特権である。そんな引き出しをいくつも持っている人はリアルな虚構を描けるからだ。

 残念ながら一般庶民の僕にはそういうバックグランドは描けないが、その代わりに長年読み続けて、調べ続けた得意分野、先に述べた「神話」や「歴史」が下地になっていると自負している。あくまで自己満足(笑)。たいしたことは無い。

 皆さんもそんな引き出しを実体験や本から得て、自分だけの創作専用に脳内引き出しを沢山つくろう。そして創作の味付けにして欲しい。ではまた。




  

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