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僕の勝手気ままでアンオフィシャルなものがたり考  作者: 南瀬匡躬


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6/9

おおざっぱにギミックの周辺

 その昔僕が大学生の頃、とある参加自由な無料の小説講座らしきものを受講したことがある。その時の先生が仰るにはSFは他の文学作品と違う点は「ギミックの善し悪しがプロットを左右することが多い」というお話だった。


 そもそも日常系のなごみ系の作品が多い僕の作品にギミックってあんまり必要としない。プロットに組み込んで仕掛けを施して、時限アイテムや禁じ手のアイテムなんてほぼ無いに等しいからだ(たまにあるけどね)。ピンチを切り抜けるためにはギミックより金持ちキャラである(笑)。でも金持ちキャラがギミックアイテムだと言われれば、そうなのかも知れないけどね。


 さて話を戻すとアイテムとしてのギミック。なるほど今思うとその通りなのだ。マンガ例えで恐縮だけど、宇宙戦艦ヤマトなら「波動砲」、「コスモクリーナー」、銀河鉄道999なら「コスモガン」といったお助けアイテムであるし、今では「零士メーター」と呼ばれる独特のメーターが描かれているヤマト艦内、C62の機関車内部、海賊船アルカディア号の内部もそれに当たる。誰がいつ何の目的で見ているのかも分からないメーターが所狭しと壁一面に描かれメカ感を増幅させ科学と未来を感じさせたモノに仕上がっている。

 映画『スターウォーズ』ならデススターやファルコン号、ライトサーベルなども未来感を感じさせるギミックアイテムだった。

 こういった小道具から誘発されるからくりって、これを発想できる頭を持つ人はスペースオペラの創作を楽しめる人間なのである。プロットを作る創作力と同じくらいアイテムからのギミックという一連の動きに精通していないと物語が面白くならないという趣旨があった。言うなればマジックショウのようなどんでん返しも想定できる。


 いつものごとく自己評価のコーナーでの僕の作品はどうかという吟味に移る。結論から言えば、僕はギミックを発案する力は乏しい。アイテムから発想する転換は皆無だと思うし、出来ないに等しい。これは自己分析として正しく認めなくてはいけない。

 ただアニメーターや絵描きではないので、小道具の発想が少ない文章でイケる部分は助かっている。話の流れからのギミックなら少しだけ想像できる。


 そしてもうひとつが今日の本題である。ここを突けば大どんでん返しのような仕掛けはムリだが、もともと公に存在するアイテムからのギミック誘発は少しだけ可能である。


 本来の意味としては違ってしまうのだが、これなら僕にもファンタジーやSFの味付け作業が出来る。メカデザインや装飾品に疎い僕でもファンタジーやSFの物語を作る楽しみに身を置くことが出来た。そう、僕が作品中利用するギミックアイテムは絵画のアトリビュート(神話絵画の象徴物・シンボル)に近いし、一部それと一致する。でも神話のアイテムからのギミックという流れについては、こっちの方はこっちで、それなりの特殊で精通した知識が多少なりとも必要な気もする。


 さて本筋である神話、説話などからの借用アイテムの話に戻ろう。


 例えば、ローマ神話なら太陽や月を運ぶ船や馬車。これは勿論アポロ、ディアナの持つアイテムだし、何千年も昔から使われているアポロとディアナを象徴するアトリビュートである。ギリシャ神話ならゼウスのイナズマ、ポセイドンの三つ叉先割れの鉾などが挙げられる。ほかにもお酒や飲料グッズとしての南ヨーロッパの神話ではネクテル、これ北部では蜂蜜酒のミードなどが出てくる。ネクテルは作品中に潮風食堂で禁じ手物語の誘発剤となるアイテムとして使っている。


 日本神話なら大きな袋を持ってウサギ(神社さんによっては月読さまの神使の時もあるけどね)を従えていれば大黒さま、すなわち大国主命である。また天叢雲剣や櫛稲田姫が化けた櫛を身につけていたり、姫との仲むつまじい雲の住居などがあれば素戔嗚尊である。大きな鏡や大きな岩の後ろに寄り添う女神なら天照大神、はだけた衣類と榊を持って舞を披露する女神ならアメノウズメノミコト、道案内の指し棒、真っ赤な顔、高下駄、大きな鼻なら猿田彦命である。


 いずれもその神の特徴、キャラクターを表し容姿と持ち物で、すぐに物語中それが誰なのかを特定できる記号的なアイテムがあれば登場人物をギミックで出現登場させるし、アイテムの中には武器になるものもある。このアイテムこそ絵画鑑賞のアトリビュートとの一致だ。


 その中で物語に使えそうな道具などをギミック材料として自分の物語の中で借用させて頂くのである。わざわざ考案して、という世界観が必要な物語ならそうした方が良いのだが、おきまりの範疇で間に合う物語内容なら大昔の人々から受け継いできたギミックを使わない手はない。魔女の箒や天女の羽衣などもアトリビュートと同様に借用アイテムとして十分に使えると思う。昔話から借りれば特に他人さまのアイデアを(けが)すことにはならない筈。(それこそ僕の作る物語にヤマトの「波動砲」が出てきたらおかしなもんだ。あれはヤマトの製作者だから使えるアイテムだし、それを使ってのピンチを切り抜けるモノだ)そこに作者の個性を加えれば、立派なもんでその作者なりのギミックと道具や装置が出来上がる。


 例えばいくら鈍感な僕でも「歩いていては爆発に間に合わないと思った瞬間、とっさに絵美は箒に乗って空を飛んで基地についた」という文章があれば、「ああ、ミラクルギミックで危機一髪のどんでん返しなんだ。しかもアイテムの箒で空飛ぶのね、じゃあ絵美は魔女なんだ」といった具合で便利な移動でひやひや感を屈服し、ページの行間を埋められ、登場人物の正体も判明するのだ。


 まあ僕が昔話に登場するアイテムからギミックへの流れを使う理由は、難しい理由からではなく、単にそういう本を読み、そういう授業を受けたりもしてきたからだ。たいしたレベルではないが、全くの素人よりはほんの少しだけ神話や昔話、その周辺のことは知っていたからだ。そういう分野を一つでも持っている人はそれを使うべきだ。そもそも痴れ者の僕の場合は他では全く歯が立たない(笑)。


 僕が凄いなあと思っていたのは、こういう自分なりの創作の武器を持っている人がweb小説の作者には結構多いということだ。今はあまり読まなくなってしまったが、数年前までは僕と同じ立ち位置のアマチュア物書きの仲良くしてくれる皆さまが多くて、その人たちの作品も沢山読んでいて、そこにも同様のアイテムをギミックと絡ませて使っている方々が多く見られた。


 古代日本の古建築様式や副葬品アイテムを凄く知っていたり、宮中の女官の道具、調度品をすごく知っていたり、十九世紀のヨーロッパの建築様式やグッズ、調度品に妙に詳しいなどの人がそれらを上手くギミックアイテムとして使っている作品を数多く見た。まあ、ある種僕と同類である。(僕ごときと同類、一緒にしてスミマセン)


 人間社会に道具がある以上、それにSFやファンタジーアイテムの役目を与えればギミックアイテムになり得るのである。それの究極は未来から来たネコ型ロボットがポケットから出す「道具」である。あれこそ究極のギミックアイテムだ、と僕は思っている。道具、ギミック自体がプロットを決めている良い例だ。


 そういう意味では藤子不二雄さんって凄いなあ、といつも感心してしまう。子ども向けのマンガの物語の中にあれだけの発想が手を変え品を変えギュウギュウにつまっている。ギミックアイテムの申し子はF先生なのかも知れないと感じてしまう。


 今回もどうでも良いオチをつけて終わるのだが、藤子さんだけに、()()()に乗って()()()の原画に会いに行ってしまおうか(さむ!)。※……とそんなところでオチがついたので今回はここまで。また次回お目にかかろう。グッドバイ!


※小田急線の向ヶ丘遊園駅には藤子・F・不二雄先生のミュージアムがある。そこで今回はダジャレオチです。おじさんらしくて良いでしょう(笑)。

 

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