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転生して3日目

タイトル間違ってたので修正

 夜中に目覚めてお花摘みに行くついでに採取をしていると、街道脇に「ススキノ 50km」と書かれた看板が倒れていた。


「1時間3kmとして、17時間歩けばススキノに着くのか……今から歩くか!」


 入れたばっかりのクマササ茶を飲み干して「アッツ!」テントを片付ける。30分ほどで準備が整ったので出発した。歩き続けると夜が明けてくる、オレンジ色の太陽光が当たった部分が温かい。日陰に入ると寒くなる、寒暖差で何だか眠くなってくるが、それでも歩く。


 朝食は歩きながら食べた、サジーの実を摘まみつつ、フキノトウを頬張る。粘土味のサテーはまぁいいかな。美味しいものがもうすぐ食べられると思うと、粘土を食べる気になれないね。今朝採取した行者ニンニクはどうやって食べるんだろう? 生でも食べられるみたいだけど、火を通して食べたいなぁ。そんな風に歩きながら朝食を食べながらひたすら歩く。


 お昼になってもそのまま歩きながらお昼ご飯を食べる、行者ニンニクをかじってみたら思いのほか美味しかった。


 夕方になったので、少し休憩する。座り込むと正直もう今日は歩きたくない。アルコールランプに火をつけてクマササ茶を入れた。もう粘土味のサテーしか残っていないのでサテーに塩を振って食べてみる。まぁ意外とイケるかもしれない、正直疲れすぎてどうでもよくなってる感がある。もう12時間以上歩き続けてるし、足が痛い。


 どうしよう? 休みたい、もう明日で良いじゃんという私と、もう少し頑張れば町に着くよ、そしたら美味しいものを食べてお風呂に入ってお布団で寝れるよ、でも後6時間くらい歩くんでしょ? もう一泊野宿する? 明日の朝の食べ物無いけど、今からなんか食べられるもの探す? 


 頭の中で今休みたい私と、町まで歩いてから休もうという私が激論を交わしていた。


 んんんんん~歩くで。気合で立ち上がるとお茶の用意を片付けて、鞄を背負うと歩き始めた。大分ペースが落ちてしまっているが、もういい、歩き続けるんだ。疲れすぎてボンヤリしてきたけど、道なりに歩いていればそのうち着く。


 真っ暗のになっても見えるので支障は無い、時間の感覚もあいまいだけど歩き続けた。肉体的な疲労は多分大丈夫、靴擦れもないしコンディションは悪くない。精神的にはめちゃくちゃ疲れている。以前のオッサンボディーとは比較にならないほど健康なエルフ少女ボディー、こっちの方が絶対高性能なんだけど、違和感は拭えない。それで12時間以上歩き続ければ、疲れもする。さらにもう6時間となると気が遠くなる。

 オッサン時代の無限残業編ならもっとエグイ事もあったが、あっちは座り仕事だったし何より慣れていた。


「よし、がんばろう」


 何時もの残業時間が始まった時の掛け声をかけて、また歩き始めた。


 黙々と歩き続ける事何時間? もう真っ暗っで時間を図る要素が何もない。でも、門が見えてきたんや……なんか城壁すっごいな、巨人との闘争の最前線って設定だっけ? フロストジャイアントなの? 知らんけど。門が開いているのでそのまま潜って町の中に入る。


 マジ人が居ねぇな、そりゃそうだ今何時だってんだ。コンビニで21時から朝6時までの深夜バイトやってたことがあったけどさ、冬になるとマジで人が来ないのな、最高だったわ。一人も来ない事があって仕入れと品出しだけで一日終わったりしたもんな。冬のススキノの深夜だったらそりゃ人居ないか。


 なんとなくでも覚えているもので銀行までやってきた。お金を降ろさないと宿屋にも泊まれない。

 私がプレイしていた時代は、スリがメッチャ流行ってたんだよ。何となく何時もの定位置である生垣の中に潜り込んでハイディングして「バンク」と呟くと目の前にアイテムボックスが開く。これリアルで見ると不思議仕様だな。中をあさると結構いろんなものが出てくる。


「木綿と羊毛の反物がある、助かる~」


 あとはお金を少々と、後なんかあったっけ、まぁいいや、なんか疲れたな。ハイディングしたまま鞄の中から山羊革を取り出すと二枚を地面に敷いて一枚を被るとそのまま寝る事にした。っていうかもう限界だ気が抜けたら魂が抜けるみたいに時々意識が飛ぶ。


 「おやすみなさい」


 寝落ちとかよくしたよなぁ……銀行前で荷物の整理をしている時とか……テレホーダイぶっちぎってエライ事なったりしたなぁ……。


 もうダメ、ムリ……zzz

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