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拉致されて-1日目

 ススキノから脱出して街道を西に走り続けること、乗りリャマくんの使用限界が来るまで。歩けば二日かかった距離を一日で通り過ぎてしまった。乗りリャマくんがシャドウプレーンに帰ったころで街道脇に川を発見したので川沿いの支道を行くことにしてみた。その時点で時間はお昼過ぎとなっていたので、休憩がてら支道脇を今日のキャンプ地にすることにした。足跡を見た感じ人通りもなさそうだし丁度いいだろう。


「ここをキャンプ地とする!」


 まぁ奴隷狩りから逃げる事だけが目的の放浪生活だ、今日の宿なんて人気が無ければどこでもいい。将来的には何処かの都市に行きたい、ソドムの市じゃない所でお願いします。


 エッゾ地はススキノ以外に都市は無かった気がする。もう少し暖かい季節になったら津軽海峡を渡る方法も見つけなくちゃなぁ。青函トンネルを渡ることが出来るのだろうか? 水没してない?? 都市間ポータルは機能してないってキンちゃんも言ってたし、陸路しかないだろう。海路は有るのだろうか? それも分からんなぁ。五大都市ってアキバとススキノの間にはシブヤしかなかったっけ、東北北陸にどっか都市有ったっけ? 全然知らんわ~。どっかエルフの里が有ったらこの際そこでもいいな。


 つらつらと益体も無い事を考えつつテントを張ると焚火の準備をし、川から水を汲んでお湯を沸かす。


「風呂入りてぇ」


 エルフってさ、お湯につからないって設定らしいんだわ、入っても蒸し風呂か沐浴なんだってさ、いや私は入るよ、全然入るよ、チャンスが有ったら絶対入るよ。蒸し風呂でもいいよ風呂入りたい。沐浴とかムリだよ、雪解け水だぞ、水温一桁だろうし唇真っ青になって心臓が止まるわ。


 まぁ実際この放浪生活を続けて5日くらいか? その間体を拭いたりしたけどエルフ補正のおかげかそんなに臭わない、でもまぁ流石に着た切り雀で野外生活だし、ちょっときついよねぇ。お湯を沸かす間に下着と肌着を作ることにした、まだノーパンなんだよなぁ。


 銀行のアイテムボックスに入っていた木綿の反物から構造が簡単な紐パンを手作りして、後はキャミソールとシャツと靴下を二着ずつ作った。革職人でもテイラー職人レベルの技能は有るのだ、高レベルなのは作れないだけで。


 ソロで商売とかもやってたから、最高大容量のマジックバッグをGM革職人の技術力と貯めこんだ財力をつぎ込んで作っていてよかったよ。フルオーダーメイドのフルカスタムで自作した、正式名称の無い背負い式大容量マジックバッグ、移動力にマイナス補正無しで何処まで容量を増やすことが出来るかを突き詰めた傑作だ。背中の装備スロットを占有するからマントが装備出来なくて旅にちょっと不便だけどね、名前を付けるとしたら「ジェーンの背負い鞄」って感じだろうか。


 沸かしたお湯で体を拭いて顔も洗ってさっぱりした所で、清潔な服に着替えた。焚火から灰をお鍋に取ると水と混ぜて灰汁を作る。それを布で越して荒い粒子を取り除くと、大工スキルで作った即席の桶に洗濯物と一緒に混ぜる。アルカリ性溶液が皮脂汚れや油汚れを溶かしてくれる、簡易の漂白剤の様なものだ、洗濯洗剤なしだと洗い物も大変だ、漬け洗いの間にご飯でも食べよう。


 売り物だった「特性マサラのサテー」も、味が無ければ売り物にならないし、心置きなく食べてしまおう。在庫もそこそこあるし。クマササ茶を飲んで食後のティータイムを終えると、これまた大工スキルで即席で作った洗濯板で、川でジャブジャブ洗濯した。


 テントのガイロープに女物の衣類が干してあるのがなんともシュールだ、女物の下着を下層階でベランダに干すような心もとなさがある。まぁ人も来ないだろうし良いだろう。


 夕暮れから採取を始めて食べられそうな物を集めていると、キャンプ地に帰ってきたら夜更けになっていた。今日は豊作でベリー類がたっぷり取れた、明日の朝が楽しみだ。


「今日も糧をありがとうございます」


 柄にもなく精霊的な何かに感謝してしまった、まぁエルフだし都市精霊だったけどキンちゃん居たし、間違っちゃいないだろう。


 安心して眠れるって素晴らしいね、おやすみなさい……ZZZ

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