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第八話 実父は改造人間である。(ヤメロ)

 その声と共に僕らは一斉に振り返る。

 声の主の方に。

 場所ははるか上。

 月を背に背負い佇む一人の老人。

 電柱の頂点に佇むその人は此方を見下ろしていた。

 

「まさか……」


 怪人の言葉に釣られ僕はそちらを見る。


「貴様生きていたか」


 怪人の顔は作り物とは思えないほど歪んでいた。

 まるで其の顔が作り物ではなく生物の様な感じだった。

 その表情は驚愕。

 驚き困惑し愕然としていた。

 信じられないという顔とも読み取れる。

 此の状況が怪人の想定外の事態だと思われる。


「生きていた?」


 僕は怪人の言葉に眉を顰める。

 生きてるも何も僕はその老人の顔を何度も見ている。

 具体的に言えば()で。

 老人の名は暁太郎。

 僕の実の父である。

 元は建付け大工で工場長を務めていました。

 ですが五十代後半に尿道結石を患い腎臓を片方失ったのを機に退職。

 そのまま専業主父になり家の雑用を引き受けてる人です。

 なので普通に生きてるんですけど?


「また悪の限りを尽くす気か【ケッター】」

「ぬかせっ! 今日こそケリをつけてやる降りろっ!」

「ふ……言われるまでもないっ! とうっ!」


 ヨジヨジ。

 ツルツル~~。

 スタン。


 御父さん。

 電柱から飛び降りないんですか?

 電柱を伝って降りてるのはどうかと。

 しかも降りてくる御父さんを律儀に待ってる怪人と構成員。

 構成員……いや戦闘員かな?

 因みに一般人は気絶して白目です。

 何だろう此のカオスは?

 誰も突っ込まないんだろうか?


「待たせたなっ!」

「おうともっ!」


 御父さん。

 何で変なポーズをしてるんですか?

 足を広げて右こぶしを天に掲げ左手で心臓に当ててるし。

 どこぞの変身ヒーロー物ですか。

 具体的に日曜日の定番の。


「今日こそケリをつけてやるっ!」

「やれるものならやってみろっ!」

「やれっ! 戦闘員よっ!」


 怪人の言葉に戦闘員が御父さんに襲い掛かる。

 え~~。

 何だろう?

 此の展開?


 バキッ!

 ゴスッ!

 ドンッ!

 

「ぐはっ!」

「ぎゃああああっ!」

「ひいいっ!」


 戦闘員が御父さんの格闘技で吹き飛ばされる。

 何か人が有りえない高さで飛んでます。

 何で殴られた人が平屋とはいえ家の高さより上に殴り飛ばされてるの?

 御父さん人間?


「御父さん何やってるの?」

「おおうっ! マー君何んで此処に!?」


 僕の言葉に狼狽える御父さん。

 僕の冷たい目に動揺してるみたいです。


「貴様っ! まさかママチャリライダーの関係者かっ!」

「息子です初めまして」

「父です」


 動揺する怪人に僕は律儀に挨拶する僕。

 御父さん貴方は挨拶しなくて良いですよ。

 其れはそうと?

 ママチャリライダー?

 え?


「ならば親子ともども抹殺したやるっ!」

「させるかっ! ママチャリ変身っ!」


 僕達に襲い掛かろうとした怪人に御父さんは両手を空に突き出す。

 其のまま胸の前で交差する。


 ピカッ!


 閃光が御父さんから発生する。

 閃光の後から現れたのは特撮ヒーロー物のような姿。

 いや実際に特撮ヒーローの様な感じだ。


「必殺ママチャリライダーキックッ!」

「ぎやあああああああああああっ!」


 ドカンッ!


 怪人は御父さんのキックを食らい爆発。

 後には何も残らなかった。


「え~~」

「正義は勝つっ!」


 無駄にカッコいいポーズを決めて明後日の方を見る御父さん。

 此れ何で爆発の影響を周囲が受けた無いんだろう?

 普通アスファルトの道路とか抉れるよね?

 破壊の後が無いんだけど?

 しかも近所の人見に来ないんだけど?

 そんな疑問を持ちながら僕は父の背中を見続けた。 

 

 



 

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