第六十八話
僕と御母さんに魔法老人会のメンバーは目を瞑る。
魔法少女の力で視力を一時的に強化するためだ。
魔法少女の力に五感を意図的に強化する能力が有る。
だけど通常は抑えて使う。
其れは何故か?
単純な話だ。
変身していない時とかけ離れた能力を使用すると事故を起こすからだ。
例えば聴覚を強化したままだと変身解除した時耳が遠くなったり。
或いは視覚を強化したまま変身解除すると遠近感が狂い接触事故を起こしやすくなる。
なので通常は余程の事が無い限り変身前と誤差が無い様にするのが普通だ。
今回は一時的に視力を強化した。
だけど後で元に戻すつもりです。
周囲を強化された視覚で探索する。
「居ました?」
「いんや」
僕の言葉にオタネさんが答える。
う~~ん。
「駄目だな」
「妙だな」
太輔さんと大介さんも探すが見つからない。
居ないね~~。
おかしいな~~。
「なあ……本当に救援要請なのか?」
「タマが嘘を言うと思わないけど」
大樹さんの言葉に僕は考え込む。
本当にストレス獣が居るのかな?
僕らはストレス獣の発生に伴い此処迄来た……筈だった。
魔法少女サリアの担当区域まで。
「御母さんひょっとして魔法少女サリアさんがストレス獣を倒したんじゃね?」
「可能性は有るねマー君」
「う~~ん」
僕は腕を組みながら考え込む。
やはりか~~。
其の可能性は有るな。
「救援要請は出したけどギリギリ倒せたのかも」」
「そうなの御母さん?」
指を上に刺し首を傾げる御母さん。
幼げな容姿も相まって普通に可愛いです。
だが実母だ。
「過去に同じことが有ったから」
「其れなら倒せたことを連絡してくれたら良いのに」
「思念獣間での緊急要請では場所と助けて欲しいというという事しか分からないの」
大雑把だな~~。
まあ~~でも非常時なら此れだけでも有難いか。
問題は其の緊急レベルだけど……。
此れが分からない。
今にも死の危険性が有るレベルか或いは……。
ただ単に状況的な感じで勝てないと思った途端出されるのか?
其処等へんは分からない。
魔法少女の力を使えるようになったのはごく最近だから。
今まで緊急要請を貰ったことが無いし。
今回は御母さんたちだけしか貰ってないので分からない。
分からないことだらけだ。
「携帯電話で連絡は?」
「魔法少女は正体を知られるのを嫌がる者が多いから」
「え~~」
「正体を知られたら社会的に死ぬ」
「凄い納得の理由でした」
この言葉を聞いてスンと全員の表情が無くなりました。
正体を隠すのは基本だよね。
分かる。




