第六十二話 見た目は子供中身は老婆っ!(正気ですかロリコンども?)
無言の嫁さんに僕は疑問を抱く。
まあ~~直ぐに其れはどうでも良くなるが。
何故かと言うと変な気配がするからだ。
はて?
「ハアハア」
「ハアハア」
「ふう~~」
うん?
何か視線を感じる。
しかも息が荒い様な?
誰だ?
「あっ……」
思わず僕は大樹さんや太輔さんに大介さんを見る。
「「「……」」」
爛々と目を輝かせて見ていました。
うわ~~ドン引きなんだけど。
御母さんを変な目で見てる。
人妻何だけど?
しかも中身は老婆。
分かってます?
分かってないな~~。
まあ仕方ないね。
今は十代前半の外見なんだし。
サテ。
ボクハキンゾクバットヲカマエタ。
「真忘却魔法っ!」
ゴスウウウウウウッ!
「「「理不尽んんんんんんんっ!」」」
三人の頭部を柘榴の様に粉砕する。
何か言ってたが気にしないでおく。
「御母さんに変な目を向けるな」
此れで悪は滅びた。
うん?
おかしいな~~。
殺意が。
殺意が感じられる。
物凄い純粋な殺意を。
背後から。
はて?
此処には敵は居ないんですけど?
思わず殺意の方向を見る。
「旦那様」
ゴゴゴゴゴゴゴ~~。
其処に居たのは背後に般若を背景にした嫁が居た。
あ……。
アレ?
何で?
「何時まで義母さんの艶やかな姿を見てるんですが?」
「あ~~いや」
あれ~~。
嫁さんや。
此の人と僕は実の親子って知ってるよね?
何で嫉妬に狂った顔をしてるの?
「記憶を消して下さい」
「いや流石に痛いんですけど」
魔法でですね。
分かります。
でもアレ痛いのだ。
「記憶を消して下さい」
「いや流石にね~~痛いんですけど~~」
手を振る僕。
無理ですね。
「記憶を消して下さい」
「痛いんですけど」
首を振る僕。
「記憶を消して下さい」
「いや……流石に痛いんですけど」
目が目が怖い。
「記憶を消して下さい」
「いや……あの…」
段々目から光が消えていくね。
え~~と。
「記憶を消して下さい」
「はい」
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
怖い。
既に人を見る目では無い。
嫁さんが怖い。
御母さん相手に嫉妬するなんて……。
「オタネさん」
「何だい?」
「忘却魔法を……」
ゴスッ!
言い切る前に後頭部に衝撃が生じた。
酷い痛みと共に僕は意識を失った。