第六十一話
よぼよぼとした歩き方で大介と僕の間に割って入りバットを止めた。
此奴……見た目と違って出来る。
信じられなかった。
枯れ木の様な体に皺だらけの皮膚。
はっきり言って力を持ってない唯の老婆と思っていた。
だが違う。
僕がバットを掴む前に既に大介の前に動き始めていた。
そのままバットを指で止める化け物。
先程までのんびりと御茶を啜る姿無い。
田舎の御祖母ちゃんを連想させる姿は其処に無い。
大胆不敵に笑う猛者が其処に居た。
悍ましいほどの闘気を湛えて。
歴戦の戦士と言っても過言ではないだろう。
無いんだが……。
老婆が魔法少女姿とは一体。
今更か。
うん。
魔法少女姿。
「魔法老人会最強にして紅一点魔熟女オタネは健在ね」
「あらやだ~~もう~~恥ずかしい~~」
メキメキ。
嘘だろうっ!?
金属バットしかも僕の変身による影響で強化されたのに。
其れを握りつぶしてる?
御母さんでも出来ないのに。
うん?
「御母さん最強って何?」
「マー君御風呂有難う~~」
「御風呂はいいから最強て何の事? ブフォッ!」」
御風呂上がり御母さんは何時もの姿で部屋に入ってくる。
バスタオルを纏った姿で。
「御母さんお客さんが居る前で其れは止めて」
「あら~~こんな御婆さんの姿何か誰も見ないから」
「いやあの~~」
「オタネさんは学生時代はやんちゃでね~~」
「話が飛んだっ! いや……進んだ」
「地元の暴走族とヤクザの組を壊滅させたの素手で」
「ゑ?」
マジで?
「懐かしいさな~~」
「殲滅のオタネと呼ばれてたね」
「何言ってるんだいアンタほどじゃないよ」
「そう?」
「鮮血のタカコは県外迄異名を轟かせていたじゃない」
「あらやだ~~そういわれてたね~~」
鮮血って……。
いや其れより。
「御母さん」
「何? マー君」
片目を瞑る御母さん。
いや……御母さん。
「変身した姿でうろつかないで下さいっ!」
見た目バスタオルを纏ったロリ。
但し実母です。
キツイ。
精神的にキツイ。
「まだ変身が解けて無いんだから代えの服が無いの」
あの服脱げたんか~~い。
知らんかった。
「だからって……」
フルフルと震える僕。
実家のノリでうろつかないで欲しい。
「嫁さんや御母さんに服を貸して上げて」
「……」
何で無言何ですか?
嫁よ。




