第四十八話 家に帰るまでが戦闘です
ヒュウ~~と呼吸を整え握りこぶしを下げる。
眼前の人物からピリピリした空気を感じる。
残身だったか?
名称だけは知ってる動作で周囲を観察する漢。
恐ろしい。
何て恐ろしいんだ。
とある格闘家に似た雰囲気を感じる。
恐らく此処で僕が奇襲をかけても難なく対処するだろう。
そんな雰囲気を感じさせる。
戦場帰りと言われても信じるだろう。
其れほどの修羅場を潜り抜けたと言っても信じるぞ僕は。
「久しぶりだなマー君」
「久しぶりって毎朝犬の散歩で会ってますよね?」
「……」
何故視線を逸らす。
そして顔が真っ赤だ。
「違うよマー君」
「タマ」
「残念ながら俺は君の知ってるタマではない」
「はい?」
「夜叉孫のタマ―だ」
「殆ど変わらないだろうっ!」
タマ相手にツッコム。
チョンチョンと僕を突く者が居る。
うん?
「ポチどうした?」
「あ……アレ?」
心なしか顔が青ざめてる。
犬だから表情は分からんが。
顔を青くしてるのが分かるのは雰囲気だ。
「猫が……」
「うん?」
タマを指さすポチ。
はて?
「いっ!?」
「どうしたタマ」
向こうのタマも何故か顔を青ざめてる。
はて?
「犬が」
「猫が」
はい?
「「喋ったああああああああああああああああっっ!」」
「今更っ!?」
タマとポチの声が重なった。
何で今更と言いたい。
三十分後。
僕は疲れた体に鞭を打ち家に着きました。
何でポチとタマが喧嘩するか意味わかりません。
「此処が御前の家か?」
「そうだよ」
「新築ではないか」
「最近買ったばかりだよ」
「やるな~~どんなあくどいことをした? 言ってみ」
ポチは冗談のつもりで言ったんだろう。
まあ~~気持ちは分かる。
僕の年齢でこんな新築を買えるわけがないと思ってるから。
だからこその此の冗談。
「悪の組織に入ったら買ってもらえた」
「はあ?」
僕の言葉に困惑するポチ。
予想外の言葉を聞いたと言う感じだろう。
「……」
「なあ~~」
「言うな」
圧が。
後ろの圧が凄い。
色んな意味で。
玄関のカギを開ける。
「ただいま~~」
「は~~い旦那様」
僕の言葉に明日香が答えて奥から出てきた。
「なっ! 若い」
「まあ~~まだ十代後半だし」
「どう脅迫したこのロリコンッ!」
「御前異星人なのにロリコンは知ってるんだな」




